イヨボヤ愛は果てしなく
#阿賀北ノベルジャム 後取材記3
3キロ×2=6キロの流離の果てに、ようやくたどり着きました「イヨボヤ会館」。最後は靴を履いているのがホトホト嫌になって、萌え始めの草を素足で踏んで歩きました。これ、効きますよ! 疲れた時にオススメ。
イヨボヤ会館はスゴイ。まず、看板と中身のギャップがすごい。「後取材記1」で使ったこの写真。中身は地方のテーマパークかと思わせる迫力。
ところが、順路はまずコンクリート敷きの部屋に所狭しと置かれた水槽から始まった。クモハとチビ土偶、生き物好きの二人はたちまち釘付け。川の生き物たちがひしめく中で、チビ土偶はうなぎの可愛さ(美味しさ?)に思わずパチリ。
しかし、この部屋の目玉は、これ ↓ 「鮭の稚魚」。イヨボヤ会館で人工孵化させ、4月9日の放流を待つばかりの鮭のお稚魚様💕
メダカ? ってくらいたくさんいました。しかし、やはり鮭の稚魚。泳ぎが生き生きしているし、力強い。
暗い通路にはさらに巨大な魚たちが!
これが「幻の大魚イトウ」だ!(矢口高雄先生💕)
そして、この通路の先にはさらなる驚きが待っていた。
なんと! イヨボヤ会館では「本物の川」を横から観察することができる。
川に向かうトンネルは長い。疲れてさっさか通り過ぎようとするクモハをチビ土偶が引き留める。
「この鮭のレリーフすごい!」
両脇には鮭をモチーフにした美術作品が並んでいる。しかもある作品は進むにつれて色や形が変わっていく仕掛け。この長さのトンネルを掘るだけでも大変なのに、どんだけの資金を投入したのか!
そして、どんだけ鮭が好きなのか!
さらに、驚くべきことがわかる。目前の「種川」は、江戸時代に31年もの年月をかけて、鮭の養殖のために作られた「人工の川」だという!!
藩の財政のため、そして青砥武平治という立役者がいたとはいえ、なんチュー「鮭愛」だろう!
感動+興奮し、ひと休みしていたクモハは携帯の着信に気づいた。実家にかけ返したクモハにもたらされた衝撃の情報。
・義弟の職場に発熱者が出た
・義弟は濃厚接触者ではない
・PCR検査の結果は明日までわからない
・今日は帰ってくるな
えっ!? まさか!? こちらが感染源になるかもしれないのは予測して対策していたけど、逆もありなの?
どうする土偶!!!
これは……もっと村上を観光しなさい、という神の声!?🌟
案の定、チビ土偶は喜び、「スマホで泊まるところ探してよ」というクモハの提案も「二階の展示が面白いから」とあっさり拒否。
じゃあ、クモハも見たい!
このままだと新潟市に引き返して「アパホテル」に泊まってやる!
とチビ土偶を脅し、二人は共通の目的のために力をあわせることになった。
誰もいない休憩所でMacbook Airを取り出し、あ〜でもないこ〜でもない。そして最終的に電話したのは瀬波温泉!
宿はリーズナブルで食事をするところも近所にありそう。ネックは交通手段だが、巡回バスがある(タクシーを使わなくても)とお聞きし、勘のみで決定!
二階の民俗学的な展示もよく、「イヨボヤ会館」お勧めします。
退館時間は2時過ぎ、受付でオススメの食事処を聞き、「石挽き蕎麦と和食処 悠流里(ゆるり)」へ一直線。メニューはもちろん「鮭親子丼」。
美味しかった💕
この後、クモハたちは「バッテンガール」に出てくる「舞之鶴」のモデルにさせていただいた「〆張鶴 純」を求めてさまようのだが、ここは割愛。
この日、10キロほど歩き回った二人を待っていたのは降り始めた雨。ウィンドブレーカーを脱ぎ、すかさずMacbook Airを保護するクモハ。巡回バスを目指して、ひたすら村上駅に急ぐ。ところがバスの時刻表をチェックしたチビ土偶が慌てた声を上げる。
「4時10分が最終だよ!」
先ほど4時の鐘が鳴った。駅は見える。が遠い。
「間に合わないよ!」とチビ土偶。
「走れ!」とクモハ。
「何のために陸上やってたんだ!」(いや、そのためじゃないし)
「無理だよ。ロッカーに荷物も預けてあるし!」
しかし、ここで諦めたらタクシー代がかかる!
直前の交差点に来た時、ロータリーにバスが見えた。
「何でもいいから止めろ!」とクモハ。
「オレ無理、そういうのはそっちが得意でしょ」とチビ土偶。
確かに!!! クモハが通れば、道理は引っ込む(こともある)💕
クモハが運転手に直談判し、その隙にチビ土偶がロッカーに荷物を取りに走った。前と後ろにリュックを担いだチビ土偶がようやく乗り込み、巡回バスは篠突く雨の中を発車した。
ここまで来たら続きます。
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