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なんちゃって留学 よもやま話23    ~Short trip ストラスブールと少しだけドイツ2

徒歩で国境を渡り、ちょっとだけドイツへ行ってみた2日目

早足で旧市街地散策
昨日は寝たのが真夜中過ぎだったので、朝はゆっくり起き、遅めの朝食をホテルで取ってからチェックアウト。やっぱり、一泊というのはあわただしい。
今日はドイツに行くつもりだが、もう少しストラスブールの町を観光したかったので、荷物をホテルのレセプションで預かってもらう。

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Hotel PAXの領収書。2人分まとめて。朝食は2人で72FF(約1,400円)。

手書きの領収書は、最近なかなか見ない。味があっていいのにね。数字も、日本人が書くのとは違うくせのある書き方で、面白い。

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イル川のほとりにて

ストラスブールの町を急ぎ足でまわり、お土産などを購入。ストラスブールとは、これでお別れ。ホテルに戻って預けた荷物をピックアップして、いよいよドイツへ向かう。

ライン川へ
ドイツとの国境近くまでは、バスを使う。ライン川がフランスとドイツの国境になっており、そこにかかる「ユーロップ橋」を歩いて越えたいと考えていた。
ストラスブールの観光インフォメーションでその旨伝えると、「Parc du Rhin」というバス停で降りればよいと教えてくれた。

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インフォメーションで書いてくれたメモ

教えてもらったバス停で下車し、そこから15分くらい歩いてライン川にかかる「ユーロップ橋」に到着した。

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ユーロップ橋の入り口にて。橋の向こうは、ドイツだ。

 初めて見るライン川。緑に囲まれてゆうゆうと水をたたえている様は、やはりセーヌ川とは違う。幅は思ったほど広くない。ユーロップ橋の辺りはコンクリートの護岸がなく、公園からそのまま川岸に行ける。自然の川そのままの佇まいを見せている。

ユーロップ橋を渡る人は、本当にわずか。ただ、車の往来はかなり激しくてあたりはガソリン臭く、コンクリートの上にある小石が、車が通るたびぴしぴしと跳ねる。

とうとうドイツ入国
橋を渡り終えると、そこはドイツ!なのだが、橋の両側には税関もなく、パスポートコントロールもなし。国境を越えた感慨もそこそこ。とはいえ、ドイツ側の店の看板は当然ドイツ語で書かれていて、ああ、国境をこえたのだ、と静かに実感する。

橋のふもとにある小さな事務所で、少額のみフランス・フランからドイツ・マルクに両替し、地図をもらう。観光客は私たち以外いないようだ。事務所にはポストカードなども売っていたが、おそらく昔からずっとそのままなのだろう、古びて変色していた。

私たちが踏み入れたこの町は、Kehl ケール という。

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ユーロップ橋を渡ってすぐの、ケールの街並み

この時はわかっていなかったが、しばらく後に漫画「ベルサイユのばら」を読んでいたら、14歳のマリー・アントワネットがオーストリアからフランスへ輿入れする場所として、このケールの地名が出てきて、もしやと思った。

色々調べてみると、マリー・アントワネットの輿入れの場所は、ストラスブールとケールの間、ライン川の中州に建てた館で行われたらしい。ここは歴史的な場所だったのだと思うと、図らずも訪れたことに、少し嬉しくなった。

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国境の事務所でもらったケールの地図

今日中にパリに戻らなければならないので、ドイツにいられる時間は少ない。なので、早速食事でもしようと、教会のある中心地に向かった。地図で見る限り、とてもこじんまりとしている。

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ケールの教会

上は中心街の真ん中にある教会。やっぱり使われている岩石は赤い。でも、ストラスブール大聖堂に比べると、シンプルでこじんまりとしている。教会の中には入らなかったけれど、ここはドイツ、プロテスタントの教会なのだろう。教会前をみくちゃんと歩いていたら、「ニーハオー!ニーハオー!」と若者に声をかけられた。いや、中国人じゃないって。

ドイツビールで乾杯!
とりあえずレストランを見つけ、そこに入ってみた。テラス席に座ってメニューを見るが、ドイツ語でしか書かれていないし、店員さんは英語も話せない。
本当はウインナーなど、ドイツっぽいものが食べたかったのだが、ドイツ語がわからないので適当に頼み、あとはやっぱりビールよね、ということで、昼間からみくちゃんと乾杯。

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ランチは外の席で。向こうのお店ではかごが山積みになって売られている。

私が食べたのはムサカ(手前)。みくちゃんはカツレツとフライドポテト。二人とも、あまりドイツっぽくない食べ物だなあ。ビールは、辛口好きの日本と違って甘口のクラフトビール。ちなみにストラスブールで飲んだビールも、同じく甘口だった。

お会計時に、ガイドブックに書いてある通り、ドイツ語で「Zahlen, bitte.」(ツァーレン・ビッテ)お会計お願いします、と言ってみたら通じて、なんとなくいい気分。

店を出た後、酔っ払いのおじさんに絡まれながら(ずーっと赤い顔でにこにこしながら話しかけてくるのだが、何を言っているかは全くわからず)、郵便局へ行き、ドイツから家族あてにポストカードを出す。特に見るべきものもなさそうなので、少し町を歩いてからライン川のほとりに戻った。

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ライン川ほとりの公園。これはおそらくフランス側。緑でいっぱいだ。

川べりには木々が沢山あって、ちょっとした森のようになっている。下は芝生なので、バスの時間までここで座って時間を潰すことにした。少し疲れていたこともあり、眠くて仕方ない。人もいないので、バッグを枕にしてバスの時間まで昼寝してしまった。

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ドイツ側のライン川のほとり。お昼寝していた時の視界はこんな感じで本当に穏やか。静かです。

この時も、こんなところで寝るなんて…大丈夫か、わたしたち?と危機感持ちながら、ではあったのだが、ここでのお昼寝は本当に気持ちよかった…ただ、お勧めはしない。何事も無かったけれど、やっぱり危険ですね。
お昼寝は1時間程度で、あっという間におわり。もう駅に行かなければならない時間になってしまった。

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1994年当時のストラスブール駅。現在の駅は、ものすごく近代的な建物にかわっているようだ(googleにて)。昔はこんなに殺風景だった。

フランスへ
乗った列車は「EC64 Mozart」号。特急料金不要で乗れるという。この列車はオーストリアのウィーンから、ドイツを通り、フランス・パリまでの長距離列車だ。私たちが乗った時はとてもすいていた。
この列車のパンフレットが座席に置いてあったので、長距離列車とわかったのだけど。

コンパートメント内。この広さ、日本にはない!

6人用コンパートメントがあり、こちらにみくちゃんと2人で乗車。本当に特急料金いらないの?と心配になり、もう一回、乗務員に確認してしまった。座席の間隔がものすごくゆったりしていて、快適だった。日本の6人乗りコンパートメントに比べてかなり広い。

快適なコンパートメントから列車の外を流れる風景を見て、少ししんみりした気持ちになる。花びらのようにいくつも細かく連なった雲に夕陽の赤い色が映って、バラのようだった。薔薇色の空。ああ、なんてきれいなんだろう。きっと忘れないなと思った。
そういえば引率のV先生は、記憶は全部自分の頭に入れるから、写真は撮らないんだ、と言っていた。もしかしたら、写真に写さない方がより強く心に残るかもしれない。たしかに、この時の光景は今も目に焼き付いている。

そんなこんなで、パリに到着したのはもう夜。真っ暗だ。駆け足のアルザス地方+ちょっとだけドイツの旅だったけれど、やはり地域ごとにその町ならではの雰囲気があって、やっぱり旅は楽しい。
次は、今回とは違う季節、クリスマスの時期に行ってみたい。


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