日本に帰って初めての撮影

そしてこれらのコレクションをスタジオで撮影した。ロンドンの時のファーストコレクションを撮影してくれたKentaroさんに撮ってもらった。

日本での撮影は初めてで、スタジオを探すと、とんでもなく利用料が高く、他のブランドはこれにこんなにお金を払って、どうやって利益を出しているんだろう?と不思議になったものだ。結局、お金持ちの家のデザイナーが多いのはそういうことだというのが後で分かった。自分みたいにお金がないのに工夫次第でやっていくデザイナーで続く人なんてほとんどいない。

OZスタジオという、壁の退廃的な雰囲気は他のもっともっと高い料金のスタジオのどこよりも良かったので、一番安いのに一番いい所を見つけたのだ。

買い物の仕方については別の記事で紹介することにするが、「安いもの」を探しているのではなく、「クオリティの割に安いもの」を探すようにしている。浮いたお金は作品作りに投入して、お客様に還元したいと思っている。

話は戻って、スタジオを見つけたら次にやるのがモデル探し。これが非常に大変。というか、高すぎる。1日お願いして一人10万円以上する。もちろんパリコレとか出ている外人モデルだからなのだけど。

日本人モデルでも同じくらいするから不思議だ。

それで、当然始めたばかりのうちのブランドにそんなお金はないのでどうしたかというと、当時のアトリエが高田馬場にあったのだが、意外にも外人さんを道端で見つける事が多かった。そこでなぜだか調べてみたところ、日本語学校が多いからと分かった。そして電話で「御社の学生さんにモデルをやってもらえるように頼んでもいいでしょうか?」と聞いてみると答えはNoだった。「何かあっても責任取れないから」だと。このセリフはものすごくよく聞く笑

そこで、直接語学学校の前に行って校舎から出てくる学生たちを眺めてみると、意外にも結構イケメンが沢山いた。そしてスタイルもモデル級の人がいて、意外にも、一回スカウティングをしただけで見つかってしまった。

メンズモデルはその時に見つけたハンプスというスウェーデンの人で、その後も仲良くしてくれている。レディスモデルはその時見つけた人はNGになり、急遽渋谷駅周辺で探すことにした。すると案外一日で見つかった。

二人とも完全にモデルとしては初めての仕事だった。しかし、今振り返ってみると、素人だからこそこちらのやりたいことに忠実にできたんじゃないかという考えもある。しかし、それからもう7,8シーズンくらいは一回10万するモデルに頼んでいる。この常識も疑ってみた方がいいかもしれない。

自分はもともとアパレルにいたから、やっぱり、業界の常識というのが染みついてしまっている。現在、販売員を探しているが、やはり、販売員の常識にとらわれているなら未経験の方限定にした方がいいのだろうか、悩ましいところだ。

話は戻って、雨のテーマに基づいて、雨に当たっているようなポーズをしたりなど、工夫を凝らした。このコレクションは自分にとっては印象的なものとなった。

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