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小さな宿がPR力で、全国放送へ~熊野古道で実験してみた。

地方でご活躍の皆様へ書きます。
※小手先のテクニックは書いてないので悪しからず。

地方は未だにテレビや新聞の力が偉大です。とても古臭いかもしれませんが、私たちは地域でのイベントを行う時は未だに新聞広告を使っています。
テレビはなおのこと影響力が大きいです。

東京のイケてるスタートアップは一流の広報・PRパーソンを欲していますし、名のある大企業はPRエージェンシーがついてるものです。そんな企業を相手にとってもコツさえつかめが無料でテレビやメディアから取材に来てもらうことができます。

そしてPRは地方のほうが有利です。

だからPRの基礎体力と熊野古道での簡単実例を紹介したいと思います。

PRの5つのポイント

この5つがPRの基礎なのではと思っています。

1 ニーズ把握

これはメディアのニーズやお客様のニーズ、または株主などのニーズを把握することです。ニーズ把握=ステークホルダーの関心を聞き出し、情報を提供できる能力です。自社のニュースを打ち出すのでなく、相手のニーズを聞きWinWinな関係に持ち込むことが重要です。

★おすすめ
業界の知識や他者情報も混ぜながら、自社アピールをしないことです。相手の情報を聞いたうえで、わからなければ「自分も気になっていたので調べてみます。詳しい人がいるので聞いてみます」などメディアの方と継続的なコミュニケーションを取りながら、メディアのニーズと○○はこの人に聞こうと思わせるポジションを作りましょう!

2 代弁者意識

PR・広報担当者は、経営者・ブランド・商品の代弁者です。そのため経営視座を高めることや深い商品理解が必要です。またブランドの露出すべき点と、あえて触れなくて良い点を理解してブランドガイドラインに沿ったPR活動も必要です。

★おすすめ
・他部署との定期的なコミュニケーション(商品理解)
・経営会議の参加、経営者の会議への同席
・ブランドガイドラインの作成、マーケティング担当者との日々のコミュニケーション

3 社会潮流への適合

メディアは常に社会潮流に乗った、視聴者受けするネタを探しています。そのため今のトレンドや社会潮流に好奇心を持ってアンテナを張ることが大切です。特に自分の業界のトレンドは必ず理解しましょう。

★おすすめはGoogle Alert の設定です。下記のように日々最新の情報を捉えることができます。私はニュースを見ませんが、Google Alertに「熊野古道、リトリート・・・」など気になるワードを入れて情報収集しています。

気になるワードを設定するとニュースとしてGmailに流れてきます

4 ストーリーテリング

かなり上級です。独自性や社会にまだないワードやトレンドを作れるのがPRの凄さです。創造性や社会潮流の裏にある「なぜ流行ったか?」の思考が大切です。

例えば「子供のことに買った、懐かしい」と思うベビースターラーメンをパーセプションチェンジ(認知変容)させた事例です。
「料理にも使える、ちょい足しレシピ」で復活を遂げたベビースターです。

日経XTREND ベビースターが抱える老舗のジレンマ レシピ提案で売上11%増より引用

また社会背景を考えたストーリーとしては下記が有名です。

「2022年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」より引用

「ヤクルト=乳酸菌シロタ株」で健康そうなイメージを世の中の多くの人が抱いていたかと思います。ヤクルトを飲めば健康になれそうというイメージがありませんか?そんな中「睡眠の質が高まるドリンク=Yakult1000/Y1000」というパーセプションが作られました。ストレス社会によって睡眠市場が開拓されている背景・Sleep Techの社会潮流と重なり大流行しています。

5 状況判断、変化対応

急に撮りたいシーンが変わった/明日までに間に合うはずのプロダクトが来てない/社長取材なのに、社長が予定を勘違い。。。
予定通りに上手く行かない時に、どのような対応をとるかは広報として必要な能力です。
例えばこんな対応をしたことがある方も多いのではないでしょうか?
・撮影順番を変えてもらう→その間に社員に協力を依頼して準備してもらう
・インタビュー内容が触れてほしくない点で、うまく答えられなかった→広報としての補足を付け足した

プロジェクトマネジメントスキルや危機管理能力などが広報として重要のコンピテンシーになっています。

地方だから勝ちやすい、メディア戦略


1 地方のアイデンティティをくすぐろう



地方のほうが、メディアに掲載されるという意味では簡単だと思います。
特に狙うべきは、地元紙・地方局といったローカルメディアです。地元県内の認知を取る手段としては、地元紙や地方局はまだまだ強いです。

・地元への貢献
・地元から全国へ・世界への発信
・地元が誇る○○の開発
・○○県が初めて~を受賞
・○○が地域でイベント開催、ゲストには△△

地元のアイデンティティをくすぐるニュースを用意しましょう。まずは地元メディアから認知を取り、自社のプレゼンスやプレファレンスを地元からあげることが重要です。

2 地方のくくりでメディア露出

地元メディアとの関係構築を築いた後は、全国の中の「地方」というくくりの中でどのように露出を図るかを検討するべきだと思います。そこで意識すべきは「地方」×「○○」。
「○○」はより詳細に具体的なものを持っている露出がしやすいです。
「○○」のポイントは
「地方では最先端」「地方なのに!?」「地方じゃないとできないよね」

・地方×リモート採用(地方では最先端)
・地方×NFT(地方なのに!?)
・地方×リトリート(地方じゃないとできないよね)

3 全国紙・有名メディアを取るために

地方から全国放送や有名メディアに掲載するには、1・2の実績がある状態で常に露出がある状態です。露出はPRに限らず、SNSやオウンドメディアなどで常に情報が出ている状態です。メディアの目に留まった時、過去の実績や露出の仕方イメージがある必要があります。後はメディアへのアプローチなどで確立を上げる必要があります。メディアは常にネタを探しています。そのネタで調べた時に自分たちが出てくる状態を作りましょう。

【認知フェーズ】
PR・SNS・オウンドメディアなどで常に露出がある状態を作る

常に露出がある状態の上で、メディアアプローチがあると◎
【取材検討フェーズ】
1 地元紙・地方局での実績を持っている
2 地方×○○でのメディア露出実績を持っている

露出イメージがメディアに伝わると◎

熊野古道の宿が全国放送へ

1 地元紙・地方局の実績

紀伊民放や和歌山経済新聞などの地元紙で定期的に取り上げて頂けるようなメディアアプローチと関係性を構築しています。
また地域のアイデンティティをくすぐる記事は下記のような事例があります。

2 地方×○○でプチ全国

例えば「日経XTRENDの地方発ヒット」
地方×○○=地方×無人運営にニュースバリューを見つけた瞬間でした。
そこから地方×無人運営というポジションでマーケティング文脈・DX文脈・観光文脈など幅が広がっていきました。

3 地方×無人運営が発展して全国放送へ

1、2を1年かけて下地を作りました。月に4~6本のリリースを打ちながら、PR×SNS×オウンドメディア×広告を組み合わせて常に露出がある状態を作り続けていました。

そしてNHKの「おはよう日本」の経済コーナー「おはBiz」に掲載されることになり、その放送から他社テレビからの取材が来ることとなりました。
テレビ大阪・テレビ和歌山・NHK和歌山での再掲出・NHK WORLDなどでの放送が続く形となり、一気に露出が拡大しました。

PRは無料・低額でありながら大きな成果を出せる地方には必須のスキルです。皆様の事例も是非教えてください。
このようなマーケティングや広報に関して不定期で呟いております。良かったらフォローお願いします。



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