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「JALの奇跡 稲盛和夫の善き思いがもたらしたもの」著大田嘉仁

僕はできる限り読書をして、知識やスキルを養っていくことに時間を注ぐタイプである。本屋やネットで検索して、気になった最近話題の本や、友達が読んでいて勧めてくれる本はできるだけ読むようにしている。
また同じ本を二度も三度も読むようにしている。最初は、筆者がどういう考え方をしているのかをざっくりと掴むことを意識し、二回目以降は自分の考えや生活と照らし合わせて、赤ペンを引き、ノートを入念にとっていくことも意識している。


今週は、「JALの奇跡 稲盛和夫の善き思いがもたらしたもの」著大田嘉仁氏である。

大田氏は、長年京セラで稲盛会長の秘書を務め、JAL再建の際も稲盛会長の側近として活躍した。本の中では、JAL再建までの具体的な道のりが忠実に描かれていて、非常に興味深いものがあった。


2010年、JALが倒産して、稲盛さんがメディアに登場したとき、僕は驚いた。まさか、いくら経営のカリスマ、稲盛さんでも再建は厳しいだろうなと誰もが思ったはず。僕も2兆円以上の負債を残して倒産した企業をどうやって復権させるのか?と疑問に思った。会見のときも、「いくらお金を使って、いくらお金が入ってくるかをしっかり把握するのが経営の基本、こんなんでは八百屋さんの経営もできない」と稲盛さんが言っていたのが印象的だった。

僕は今まで稲盛さんの本を何冊も読んできた。「生き方」や「心。」は今でも壁にぶつかったときは何度も読む。ビジネスマンとして精進したいし、一流の域に入っていき、結果を出したいと思っているからだ。

「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」

上記の「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」は稲盛フィロソフィーの中の非常に有名なフレーズであるが、この本の中にでも前半で登場してくる言葉だった。このフレーズを大切にしないと人間としてぶれる、そう思う。僕自身も、努力しても今までなかなか開花したという経験はなかったし、回りはできる人ばかりでそういう人たちが人一倍まぶしく、お金もたくさん稼いでて、結果もどんどん出している、そのように感じることは今でもある。しかし、能力は欠けていても、熱意はしっかり保とうと思っているし、考え方はマイナスにしないで、プラスにして行こうとシンプルに思っている。どんなに能力の優れた人でも、考え方がマイナスだと、結果はマイナスになるからだ。稲盛哲学をしっかりと自分の中で消化するように心がけている。


この本「JALの奇跡・・・」によると、JAL改革の際は、社員や幹部たちに猛反発を受けていくが、まずは意識改革を行うことから忠実に実践した稲盛さんの地道な対応が描かれている。シンプルに凄い!と感じるエピソードばかりだ。そして何ら特別な経営管理論やテクニックを用いたわけでもなく、京セラと同じように稲盛フィロソフィーを浸透させていったことで、全員がコスト意識を持ち、全員参加型経営を定着させていったことである。元来、JALは非常に官僚的な組織で、倒産した際も倒産したという自覚さえなかったほどだ。本人の言葉をそのまま引用すると「非常にプリミティブなやり方」を貫き、わずか3年という期限で、JAL黒字化し、再上場を果たす企業にまで復興させたのだから、稲盛哲学は本物であり、凄いと思う。本の中には現場でどのようなことが起きていて、どのようなことがされていたかについて非常に興味深く読んでいる。現在この本を読んで、2回目になるが、今度はじっくりと赤ペンをひき、気になった箇所は、再びゆっくりと読んでいる。自分の中にも稲盛フィロソフィーをしっかり定着させていきたい。たぶん3回目もじっくりと読むことにすると思う。


今は、オンラインサロンで、FIREについて勉強している。主催者の久保田康介さんは僕には到底できないと思うようなことばかりを成し遂げてきている人だし、ぜひモデリングしていきたいと心から思った。「どうやったら同じように結果を出せるだろう?」と自問自答しながら、勉強会に参加している。また参加者の人たちの考え方や行動力が凄いと感じることも多々ある。人一倍不器用で感じてきた自分には、すぐに答えは見えてこないが、稲盛さんの哲学をしっかりと自分のものにしていけば着実に前に進めると信じている。
「潜在意識にまで透徹する程の強い持続した願望」「誰にも負けない努力をする」これらは、稲盛さんの本にもたびたび登場してきて、「生き方」や「心。」を読むとのような理念には触れることができる。しかし自分は、何度も読んできてもそういったことを忘れがちで、ぶれてくる。だから軌道修正をしっかりすることが大切なのだ。さあ、再び読むぞ。

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