『記憶すること』の価値は下落し続けると思うんだ。
記憶。
人間の脳は高性能コンピューターを遥かに凌駕する可能性を持っているとよく耳にする。人の身体の細胞は数年でほとんどが入れ替わるとも言われている。
それにも関わらず人には大切な思い出や感情が残って、いまこの瞬間も生きている。不思議。
そんな記憶について最近学びがある話を聞いたので、つらつらと書き残しておこうと思う。
01/大事なことは覚えておくことではない
ボクは学校の授業に好き嫌いがあった。
数学・物理は好きだったけど、国語・歴史は嫌いだった。当初は覚えるのがめんどくさいから嫌いだったが、今思えば、覚えることに何の意味があるのか、と考えていたからだと思う。年号覚えて役に立った瞬間は、酒の席でのチープなクイズ大会以外、自分の人生ではいまのところ訪れていない。
システム屋の仕事について考える。
どの職場でも入社したばかりでも活躍できる人もいる。その会社での現場の経験がないにも関わらずだ。逆に現場でなかなか芽が出ずに、いい評価を受けることができない人もいる。
ではこの差はどこから生まれるのか。
それは「自分で考え、自分で答えを出す能力がどれだけあるか」だと思っている。
02/背景には時代の変化
あるシステムをつくりたいと思ったとき、その答えは大抵WEB上に転がっている。どこかの頭のいい人たちが、色々試した結果、うまくいったもの、いかなかったものを記録として残してくれているのだ。
システム屋の仕事の価値は、動くプログラムを書けることではなく、顧客が求めているものを、いかに形にできるかだ。プログラムの命令をすべて覚えておく必要はない。なぜなら調べればいくらでも答えは見つかるからだ。
一世代前はまた状況が違ったかもしれない。なぜならスマホがインフラとして認知され始め、どこでも調べ物ができるようになったのでここ10年ぐらいだからだ。
当時のエンジニアには記憶することも大事だった。WEBが発達してない時代では、頭で記憶しているか、紙に残して調べればわかるようにしておく必要がある。とはいっても何百ページもある紙を常に持ち歩くわけにはいかないので限界はある。
今はevernoteやkeynoteなどほとんど無制限に文字としての情報を残しておける。調べればわかるものをあえて記憶しておくことの必要性はなくなってきている。
だからこそ、今の時代の価値はいかに記憶するか、ではなく、いかに考え、行動できるか、にあるのだと思う。
03/自分の頭で考え、行動しよう
いまは変化の時代だ。10年後は何がどう変わっているかも想像もつかない。
ビットコインが、先日1枚500万円を超えたと大々的に放送された。つい5年前は1枚5万円。30代前半の会社員が1年間汗水たらして働いてやっと手に入るお金が、電子データで作られたコイン1枚と同等の価値だと世界が評価しているということだ。
最近はあの世界のテスラが、ビットコインを15億ドル購入したというニュースも世の中を騒がせたしね。世界の価値観は確実に変わってきている。
誰も未来に対して確実な予想はできない。
でもいま起きている変化に対応していくことはできる。そのときに必要なのは、自分の頭で考え、自分の足で行動できる力。
自分の頭は記憶するためにではなく、考えるために使おう。
自分で考えて導き出し、行動に移したその経験だけは、誰からも奪われない貴重な資産となって、未来の自分を明るく照らしてくれるはずだ。
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