見出し画像

今後の舞台芸術はどうなっていくか

これは結構ワーストに近い想定シナリオなので、こうならないといいねという話ではありますが、今後「公演」を行うことが果たして可能なのかという考察です。

そもそも、なぜ公演ができないのか

これはご存知の通り、小池都知事などが強く訴えている3密の状態を満たすケースが多いためです。映画館では座席の間隔を開けることで密着を避けてギリギリまで上映を続けていましたが、集まってるし閉じきっているしでどこまでそれ以外の要素を避けれていたのかは疑問の残るところです。
東洋経済オンラインに掲載されていた『コロナ危険別「行っていい場所・ダメな場所20」』という記事では

◆映画館
「室内で密閉空間だが、みんなが触れるものはないし、上映中にしゃべる人はいないので意外と安全ではないか」(佐藤院長)。問題は混み具合。「空いていて前後の席が空いているようならば鑑賞してもいいのでは」
https://toyokeizai.net/articles/-/341608?page=5

とありますが、日々新型コロナウイルスの情報がアップデートされており、今後緊急事態宣言が解除されたときに同じ判断になるかは難しいところです。

新型コロナウイルスの影響がない状態とはどういう状態か

映画館よりも早く営業の中止を決めていた、劇場やライブハウスなどが再開できるかどうかは、新型コロナウイルスの影響がない状態とはどういう状態かを考えることで初めて見通しがつきます。いくつかパターンに分けます。

1.全員が免疫をつけている
イギリスが試した集団免疫の方法です。今回の新型コロナウイルスは感染力が高く、重症化率も高いため、リスクが高く施策としては難しいことがわかっています。
ただ、この状態になった場合、下手すると数百万人単位で死者が出ている可能性ありますが…。

2.日本に住んでいる全員の検査が2周終わって全員が陰性になるまで
日本に限っていえば検査体制が整っておらず、短期間に2周検査するというのが現実的に難しいです。また、この場合海外からの渡航者をどう扱うのかについては問題が残ります。

3.ワクチンを全員が打ち終わっている状態
ワクチンがいつ出来上がるかというのも日々情報が更新されていますが、全世界にワクチンが行き渡るというのが相当先になるのが予想されます。

1と2は(日本では)難しいので、現実的には3の「ワクチンを全員が打ち終わっている状態」を目指すことになります。となると、基本的には緊急事態宣言→解除を数ヶ月単位で繰り返しながら、重症化患者を受け入れる病床数がパンクしないように調整しながらワクチンが出来上がるまで待つというのが方針になるかと思います。
その場合、今回の緊急事態宣言解除後は再びクラスターを特定して潰すという方向に戻るだけなので、クラスターを生み出す可能性がある3密の環境での活動は引き続き難しい状態が続きます。
この読み通りに進むと、基本的には安宅和人さんが書いているような「Withコロナ」時代が数年単位で続くことになります。

そろそろ全体を見た話が聞きたい2 - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing2010年の年末に『イシューからはじめよ』を出版した。何ヶ月か後、歴史的な大地震(いわゆる311)が来た。大津波の死者・行kaz-ataka.hatenablog.com

この辺りのいつまで続くのかといった時期の読みはここ数日で多く出るようになってきており、国によって検査体制や受け入れ可能病床数の違いなどはあれど参考になるかと思います。

Withコロナ時代での舞台芸術とはどういうものか

では、このWithコロナ時代で舞台芸術はどうなっていくのか?ですが、結局は3密を避ける形で行うということになります。この3密しない状況というのをそれぞれの項目で考えると下記のようになります。

・密集しない
→疎の状態を保ったまま集まる
基本的にはオンライン上で集まる

・密閉しない
→換気状態が保たれた環境で行う
屋外もしくはそれに限りなく近い環境で行う

・密着しない
人が集まったとしても、Social Distancingする

となります。
つまり、"従来通り"の劇場、ライブハウス、寄席などなどでの公演というのは数年単位で不可能なのではないかと思います。
では、どういった公演があり得るかという話ですが、上記の条件から考えられるのは現実的に下記の3パターンになると思います。
1.オンライン上での配信
2.(密着に気を付けながらの)屋外ステージでの公演
(屋外回遊型のパフォーマンスが今後も可能かはわからない)
3.(観客の数を従来の3分の1などにして)席の間隔を十分に開けての公演

これで収益が上げられるのかとか、オンラインでの配信するものが"演劇"と呼べるのか、"ライブ"と呼べるのか、"落語"と呼べるのかなど、様々な意見があるのはとても良くわかるのですが現実問題として、公演を行うことでクラスターになる可能性がある以上、上からストップがかかったり、自警団的な人たちからの圧力がかかるのは想像に難くありません。
(人があるイベント行う際に最後の壁になるのは、おそらく自警団的な人たちからの圧力になるかと思います…。)

この状況で私は何をするのか

だいぶ暗い話になってしまいました。じゃあこんなことを書いて、「お前は何をするんだ?」という話を最後に書きます。

私は公演の予約管理システムのPASSKETというサービスの運営、開発をやっていますが、ひとまずこのサービスでオンライン公演の販売を行えるようにシステムの改修を行います。

現在、改修にあたっての機能や要件を出していますが、出来る限り使う人が使いたいと思ってもらえる機能にしたいと考えています。そのため、今後オンラインでの公演を行いたいと思っている方たちからフィードバックを得たいと思っています。下記リンクに現状の状況をまとめています。

https://www.notion.so/PASSKET-18fbac9d21ae418aaf5e21322159088a

読んでいただき、こんな機能が欲しいやこれはどうなっているんだ?ということがありましたら、このツイートにコメント等いただけると嬉しいです。

もう一つ、この状況に対してやりたいことはあるのですが、そちらはちょっといつ形になるかわからないのでいい進捗が出たら報告したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?