【お仕事】フリーランスを半年続けて身につけた顧客開拓の心得
わたしは2015年6月までの10年間、都内にあるデザイン会社数社に勤めていた。6年間働いていた前職での仕事は、すべて広告代理店とのお仕事だった。(新規開拓、見積交渉、企画、デザイン、ディレクション、請求まで担当。)
フリーランスになってすぐの去年の6、7月は、「仕事がない」状況が本当に苦しくて、「ない」ときは、いてもたってもいられず、エージェントや在宅ワーカーの求人を検索して、手当たり次第に応募していた。10年の実績があると、初めは好反応だけど、条件が合わないことも多い(必ず出社しないといけないとか)。
それでも興味がある仕事であれば、面接を受けて、希望の勤務体制を話す。ただ、そこで繋がった縁は多くない。これまでに取引もないし、不確定要素が多くて、依頼するメリットがないと思われているんだろう。そんな感じで、ずっと胃がキリキリしていたことを、今でも覚えている。
話は少し遡るが、2014年に当時の担当者さんが代理店を退社し、別の会社に移ることになった。その時、「個人として仕事を受けて欲しい」と言われ、屋号を決めることになったのが、ヨハクデザインの始まり。この方とは今でもお付き合いが続いている。で、フリーランスになることを少し頭に描き始める。
そのまま1年勤め、6月に前職を辞めた。代理店とは縁が切れると思っていた。なのに「個人事業主としてうちと契約してほしい」と言ってくださる担当者さんが数名いた。そのおかげで、直接取引をさせてもらえることになった。(後から聞くと、会社として新規取引はしない方向だったそうなので、レアなケースらしい…)
でも辞めてすぐに代理店から来た依頼は数本。金額も大きくない。それも正直続くかはわからない。その不安が夏頃までは結構きつかった。今になって思えばそんなに心配しなくても、その後いろんな担当さんから定期的に声をかけてもらって、月々結構大きな額の収入になったんだけど、何しろ保証がない。
もうひとつは、「ある会社がわたしの人生を大きく変えてくれた話。」にも書いた、ヨガスクール。ここはイベントに参加したときに偶然登壇されていた方との出会いで、あれよあれよと言う間に4月末に業務委託契約をさせてもらって、今に至る。ヨガスクールのインナーデザイナーは、案件ごとの出来高ではなく、時給でのお仕事。金額は大きくなくても、毎月確実にお仕事があるので、一定の収入がある。ここの収入があるおかげで冒険できる。
そんな感じで、『代理店』と『業務委託』が、収入源の大きな2つの柱になっている。
それ以外には、代理店に出入りしている印刷会社の担当者。前職で組んだことのある外部プロデューサー。先に辞めていった先輩の会社。在職中に営業に来てくれたカメラマン。そのカメラマンからの紹介。イベントで会った会社社長からの紹介。高校の同級生からの紹介。という風に、人からの紹介や偶然の縁がほとんど。
開拓、というよりは自然に繋がっていった感じ。ただ心がけていたことはいくつかある。
①自分がしたいことを大声で言い続ける
ブログを見て声をかけてくれた人もいる。ずっと会っていなかったのに、仕事に誘ってくれた人もいる。「陶芸作家紹介するよ」と、いろんなお話をもらえるようになったのは、「こんなことがしたい!」と常に言い続けていたから。
②社交辞令は使わない
「会いに行きますね」と言ったら本当に会いに行く。本当にしたいと思ったら、その場でリマインダーやカレンダーにメモする。ことばを社交辞令で終わらせない。地味だけど、続けていたら「行動力のある人」として認識されて、「一緒に何かしたい人」と思ってくれる人が現れることが増えた。
③とにかく数を撒く
クライアントとして開拓しよう!というのも大切だけど、まずは自分のことを知ってほしい、そのためにどう伝えるか、というツール作りから見直して、とにかくいろんな場所でアピールするようにした。
数打てば当たる、というわけではなく、フリーランスになると、会社員時代と絶対的に『時間の感覚』が変わる。営業に行く→数ヶ月して思い出して連絡する、というのは会社員時代当たり前だったけど、フリーになると、すぐ反応がないと怖くて仕方なくなる。なんとなく軌道に乗るまでは、『動きがない』ということが、世間から隔絶されたように感じて、焦りだけが募ってしまう。なのでまずは「仕事の依頼をくれるかもしれない人」という『分母』をとにかく増やして、少しでも確率を上げておくことが、わたしの場合、何かしらの行動を起こした、ということも含めて、安心感に繋がった。安心感がある=ガツガツしていない=この人に仕事頼んでみようかな、という連鎖ができる。焦ってるときは、不思議と依頼が来ない。
こう書いてみると、前職からの繋がりが本当に多いんだな、と再認識。「引き寄せの法則」とかはよくわからないけど、クライアントを開拓しよう、お金を稼ごうとするより、『自分自身にどれだけの付加価値をつけられるか』を考えているときのほうが、ぐんぐん周りの人の輪が広がっていった実感があったかも。
開拓方法らしい技術が身に付けば、どんどん公開しようと思うけど、今は周りの人の力で動かしてもらっている感じ。
他にも聞きたいことあれば何でも聞いてください。
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