【美術展レポ】デ・キリコ展に行ってきました。音声ガイド初体験、これいいね。
2024年は、家族で月イチ美術展巡りをしています。5月は、東京都美術館で開催されている「デ・キリコ展」に行ってきました。「家族で」にこだわって美術展巡りをする予定でしたが、何かと忙しい中3の長女とは残念ながら予定が合わず、今回は家族3人と、それから実母も誘いました。
デ・キリコ展は、館内撮影が一切禁止でした。本記事では、公式ホームページの写真を引用し、興味深かった点をご紹介します。
作品紹介のほか、今回初めて音声ガイドを利用したため、その感想とミュージアムショップで購入した素敵なアートフレームについて書いています。
自画像が多い
展覧会に入ると、まず自画像や肖像画が目に入ってきました。中央がご本人である、ジョルジョ・デ・キリコさんです。
左の作品のように、コスプレした自画像がいくつかありました。なんでしょう、お好きだったのでしょうか。右側は弟だそうです。似ていますね。
形而上絵画ってなに?
デ・キリコは、自身が命名した「形而上絵画」を展開したことで有名です。美術に詳しくない私にとっては、「形而上絵画って何だろう?難しい名前だな...…。」という印象でした。
簡単にいうと、「なんでこの組み合わせ?」「なんでここにこれが登場するの?」ということだと理解しました。
脈略のないモチーフが散りばめられています。これが形而上絵画と呼ぶようです。なぜだろうと思いながら見入ってしまう作品です。
マネキンさん登場
本展覧会のポスターにも登場するのが、この「マネキン」シリーズです。デ・キリコは、人物の代わりに「マネキン」を登場させたようです。
それはなぜなのか。
特定の人物ではなく、マネキンを描くことで謎めいた無個性なモノとして描きたかったようです。
たしかに、お顔が描かれていないと不思議な、そしてちょっと怖い感じがしますよね。小3の次女は、ちょっぴり不気味な印象をうけたようです。
こちらの作品は、お顔もないばかりか、衣装も背景も奇妙ですね。
新形而上絵画
1920年ごろから古典絵画の技法に関心を高め、古典絵画の表現から学んだ作品を描くようになりましたが、そういった作品は形而上絵画に比べあまり評価されてこなかったようです。
そこで、晩年は、かつての形而上絵画の再制作をしました。これが、「新形而上絵画」と呼ばれます。
この作品の面白いところは、中央で湖の模様のカーペットの上で舟を漕いでいることだけではありません。
左上の絵画に注目してください。これは、かつて描いた「イタリア広場」シリーズの作品です。本記事の冒頭にも「イタリア広場」シリーズを引用していますが、赤い塔が見えますね。
自身の作品が再登場するというところが珍しくて面白いなと思いました。これが何を意図しているのか……、これまた謎めいています。
音声ガイド初体験
美術館では、音声ガイドを案内されることがありますが、私はこれまで利用したことがありませんでした。
デ・キリコ展の音声ガイドのナビゲーターは、ムロツヨシさんでした。
私が大好きな番組、NHK「LIFE!」でかつてレギュラー登場していた頃を思い出し、ムロさんのガイドは面白いかもしれないと思い、申し込んでみました。
音声ガイドを聴きながら絵画鑑賞はいいですね。作品の横にある説明を見ながら鑑賞するのとは違い、ひとつのストーリーとして作品を紹介してもらえるため、絵画や作者、その時代に対する理解が深まりました。
アートフレーム
デ・キリコ展のミュージアムショップでは、ポストカードのほかにアートフレームを購入しました。
ポストカードとアートフレームの販売方法がユニークだったのでご紹介します。
ポストカードの裏に、サイズの合うアートフレームの記号(アルファベット)が書かれていました。
「D」のフレームは下記の写真の一番左になります。
ポストカードに記載されている記号のアートフレームをそれぞれ選びました。さらに、各アートフレームは、白・黒・グレーの三色から選ぶことができます。作品に合った色を、迷いに迷いながら選びました。迷っている時間も楽しいものですね。
ポストカードをはめるとこんな感じになりました。
ついついこの販売戦略に乗せられてしまい、ポストカードとアートフレームを3セット購入してしまいました。
展覧会には、日曜日のお昼ごろに行きましたが、当日券も購入することができました。「モネ展」のように大混雑ではないので、ゆっくりと音声ガイドを聴きながら鑑賞することができました。
作品の数も小学生でも飽きないくらいで、ちょうど良かったです。
東京展は8月29日まで開催されているそうですね。つづいて、神戸展が12月まで開催されるようです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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