【新事実】納豆文化は日本だけではない！アフリカに存在する納豆とは？

先日書店をボーっと歩いていたところ、こんなタイトルの本が目に止まりまして…！

【幻のアフリカ納豆を追え！ -そして現れた ＜サピエンス納豆＞-】

幻のアフリカ納豆を追え！　-　高野秀行著

「アフリカ」と「納豆」という、一見関連性のないように見えるこの単語２つを並べられ、気にならないはずがない…！と本書を衝動買い。あまりにも衝撃的な内容だったので、今回はそこで紹介されていた納豆のうち、５つを紹介したいと思います。

※今回は「納豆」という単語で括って書いておりますが、他種の豆を使った納豆“らしき”世界の食材を紹介します。

その①：ナイジェリア　カノ村にある納豆「ダワダワ」

ナイジェリアの納豆「ダワダワ」は現地で採れる「パルキア(現地語：カルワ)」という豆を使って作る食材。豆自体はこんな感じ▼で、これを使ってダワダワにするそうです。

作り方は、日本のものとは若干異なるもののべースは一緒。
1) 殻ごと煮て、臼で搗きながら殻を剥いていく
2) 水ですすぎ豆だけにし、再度今度は玉ねぎと一緒に煮る
3) 土壌袋らしい袋の上に煮た豆をあけて、灰を入れ込みひょうたんに入れて寝かす
4) 塩を混ぜる。(←この時点でほぼ日本の納豆に近い味らしい)
5) 出来上がった「ダワダワ納豆」を臼に入れ搗いてせんべい状にし乾燥させる
6) ＊完成＊▼

ダワダワは、現地では保存食兼調味料として使われている食べ物で、路上販売をしているのですぐ手に入るそうです。

その②：セネガル　ジガンショールにある納豆「ネテトウ」

「ネテトウ」(笑) 最早言葉まで納豆に近いセネガルの納豆。
ネテトウ（ウォロフ語）もダワダワと同様にパルキア豆から出来るものらしいのですが、他の納豆と違い、ネバネバを洗って落としてしまうらしい。

ネテトウの使い方も独特で、大量のオクラ、マギー(調味料)、玉ねぎ、唐辛子、ニンニクと一緒に臼に入れて搗いたものをお団子状にし、それを「調味料」として様々な料理に入れて食べるのだそうです。

これがあるのとないのでは大違い…。あるから美味しい料理がたくさんあるらしいです。日本で言う出汁のような扱いですかね！

その③：ブルキナファソ①　ワガドゥグにある納豆「スンバラ」

ブルキナファソのワガドゥグにある納豆「スンバラ(ジュラ語)」も、先に紹介したダワダワやネテトウと同様、調味料として使われている納豆系食材なのだそうです。こちらもパルキア豆を使用。

ただ一つ日本の納豆と違う点は、ワガドゥグではこの「納豆」を米と一緒に炊き込んで「炊き込みご飯」にする事と、それを屋台で売っていて、現地人はそれ目当てで行列を作るというところ。日本で納豆をメインディッシュとして掲げているお店はあまり聞かないので、ここでもまた新しい「納豆」の姿が見られます。

作り方については、ダワダワの1)・2)と同じ工程で(玉ねぎは一緒に煮ない)、最後に寝かす前にパルキア豆のワタを風味付けの為に少量混ぜるのだそうです。

その④：ブルキナファソ②　バム県にある納豆「ビカラガ」

お次は同国バム県にある納豆ビカラガ。この納豆はハイビスカスの種で出来た納豆なのだそう。先述のスンバラ納豆から派生したものらしい(パルキア豆があまり採れない地域だからハイビスカス豆で代用している)のですが、他の納豆とは打って変わって納豆感が全然ないらしいです。

ハイビスカス豆▼

ただ発酵しているのには変わりなく、このビカラガを調味料に入れるのと入れないのでは全然味が違うみたいです。(入れないとマズいらしい) 隠し味目的で作っているのですね～。

その⑤：ブルキナファソ①　ガンズルグ県にある納豆「バオバブ納豆」

最後はガンズルグ県で見つかった納豆「バオバブ納豆」。これは先述のビカラガから派生されたものという事で、本書の中では一番新しい(歴史が浅い)納豆となります。バオバブ納豆についても、スンバラと同様ペースト状にして調味料としてさまざまな料理に入れていくそうです。

納豆といえば日本の食べ物だし、こんな臭いがするものは他の国では受け入れられないし食べてないだろうと思っていましたが、こんなに食べられている食材だったと知ってびっくりですね。
そして何より、この筆者の「納豆」に対する執念が凄いというか…、納豆愛がひしひしと伝わってきて、読んでいて本当にわくわくする一書でした。

他にも、現地人とのリアルなやり取りだったり、これら納豆とアジア圏にある納豆(韓国の納豆「チョングッチャン」も紹介されていますが、かなり興味深い)の「納豆菌選手権」(笑)だったりと、見どころいっぱいですので、是非手に取ってみてください。

この本を読んだら、納豆ご飯を食べたくなる事間違いなしです🐑