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1000通りの解決策③ 鳥インフルエンザの本当の克服法は?

鳥インフル、また出てきた。去年、1700万羽殺処理されたらしい。

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/manual/pref_0809/6_chpt4.pdf

上の資料は環境省が出しているもの。ところで疑問なのは、それほど危険な高病原性ウイルスがあふれているなら、国内で幾例も野鳥の「大量死」があるはず。ところが見つかるのは、

ほかにもカラスが四羽死んでいた、など。どうも、これはヒトとコロナの関係同様、個体によって強いものは、感染しても死なないのでは、と疑ってしまう。

それで、いま、平飼い、つまり外で元気に飼ってる、いわゆる免疫力の強い鳥は死に至らないのでは?と愛護系の人が言い始めた。

調べると、養鶏場と、放し飼いの、感染率はおなじぐらいのよう。(鳥インフルエンザ、平飼いと検索すると、農水省のPDFが出てくる。面白い。野鳥が死んだ場所と、感染した養鶏場の地理関係もわかる。)
肉用のトリ、放し飼いも感染している。しかしニュースを見ていると、養鶏場でも「数羽」、死んでいるのが発見された、のがほとんど。大量死は起きない。そのあと全羽処理するのは本当に必要か?
(注:あわてて全羽処理するのは、密閉状況で、ウイルスがさらなる変異を進め、突然新種の危険ウイルスが生まれる可能性を否定できないためという。ここも、要確認。)

まだ詳細が不明だが、とにかくヒトインフルエンザと似ている。そして人は、免疫抗体を作ることでしか、直せない。いまマスクをはずせるのは、かなりの人が抗体を持ったという前提があるためだ。ワクチンという医薬品自体が、「自然のちから」をうまく利用し抗体を作らせることで成り立つ、思想的に面白いものだと気づく。

いま、世界は抗生物質の使い過ぎで、かえって薬の効かない人が増え、感染耐性低下というのが新しい問題に。要は、抵抗力低下、免疫力低下。中国で今話題の謎の肺炎も、ゼロコロナ政策で免疫低下の結果だと、元厚労省医系技官の方が説明していた。(12月2日「正義のミカタ」TVerで見られます。)

だったら、鳥も同じだ。だから、免疫の強い人が死なないように、強い鳥が育つ環境を作るしかない。豚も鳥も、牛も、放し飼いが、いろんな意味でよい。急に変えるのは難しい。それでも考えるべき。
愛護系の言うことが、正しいのだ、と直感的に思う。

発酵食品の大家、小泉武夫先生の本を読んでいたら、野生酵母の章のところで、同じ記述。「鳥インフルエンザも、遠因はおそらく野性的なものを抑圧してきた人の仕業」。長く現場にいた人の、直観だ。(新書「超能力微生物」。)

植物、農業についても、実は古くから、似た議論が言われてきた。同じ選択肢。すなわち、野生や自然のちからを使うのか、徹底的に人工的にやるのか。
日曜にこの原稿を一時公開したが、よく考えようと下書きに戻し、夜NHKスペシャル、「食の防衛線」を見た。北海道酪農危機。最新鋭の機械の大規模農場が、飼料高騰でにっちもさっちもいかない。いっぽう、60頭規模の、小さな放牧農場は、飼料の半分が草なため、どうにか経営が可能だった!
草の上を走り回る牛の姿は、美しく、人間の原風景の一つのよう。
小さな希望を残す、ドキュメンタリーだったのだ。

日高は今年、夏35℃の日もあった。室内酪農だと冷房が必要だ。だが放牧なら、暑い時間は風通しのいい日陰で昼寝させ、朝夕は外に出せる。そういう利点もある。
温暖化も含め、よく考えないといけない。

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