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アーユルヴェーダのセサミオイルマッサージ

アーユルヴェーダではオイルマッサージを「アビヤンガ」と呼び、日々の健康維持にとても大切にしています。
浄化法やマッサージなど様々なシーンでハーブを煎じた薬草オイルが使用されますが、アーユルヴェーダの油といえば「セサミオイル」をよく使います。

悪魔の養生薬

古典書によると

ごま油は「ヴァータを除去するものの中で最も優れ、体力を増加させ、その用い方と調理法によって全ての病気を除去するものと考えられている。その昔悪魔の主たちは、ごま油を常用することにより老衰することなく、病気を離れ、疲れを克服し、戦いにおいて極めて強力になった」とあります。また「ヴァータを滅し、カパを増大させず、体力を増大させ、皮膚によく、温性であり、四肢を堅固に子宮を浄化する」

とあります。それ程までに効果を示すセサミオイルでのアビヤンガをもう少しご紹介します。

セサミオイルでのマッサージによる効果

❶浄化効果
体内の穴から、オイルを浸透させることで皮膚を柔軟にし、体内の毒素を絡めとり排出しやすくする。

❷幸福感を高める
自分や他者の体に触れることは、グルーミングと言って脳の幸せホルモン物質セロトニンを発生させ、リラックス効果・抑うつ効果があります。

❸セサミオイルでのアビヤンガの効果
・消化力を高める
・体を温める
・皮膚や子宮の浄化
・免疫力向上・疲労回復効果
・頭痛や腰痛など痛みの緩和
・骨の強化
・不眠症の改善
・皮膚の再生・アンチエイジング

他多数の効果があります。

ごま油には、抗酸化作用が高い物質が多く含まれていること、
肝庇護作用も高いた物質も含まれていることで浄化効果が高いこと、
ビタミンEも多く含まれている為に、人体のサビ止め薬とも言われます。


セサミオイルの作り方(ごま油の熱処理方法)

■熱処理の目的
①外用した方が、皮膚という無数の穴から消化吸収されやすい。
②油の不純物を飛ばして、浄化し肌馴染みも良くする。

■用意するもの
太白ごま油(色も匂いもしない透明のごま油)、鍋、温度計、オイル瓶
※使用する鍋は、極力土鍋やステンレス、ホーロー等自然のもので作りましょう。

■作り方
①太白ごま油を鍋にいれ、弱火でゆっくり温める。
②温度計でゆっくりとかき混ぜながら、100〜110度になれば火を止める。
③冷ました後、遮光の保存瓶に移して冷暗所に保管してください。

名称未設定のデザイン

マッサージの方法

使用時には湯煎や電子レンジで、肌に乗せて気持ちの良い程度に温めて塗るのがお勧めです。

体の中心部から末端にかけて上から下に、心臓から遠ざかる方向に向けて塗布しましょう。圧をかける必要はなく撫でるように行います。関節の部分は円を描くように摩擦します。自分へのいたわりの気持ちを持ちながら行ってください。

忙しい場合は頭、耳、足の裏の3点

上記の3点に塗布するだけで全身をマッサージしたと同じ効果があると言われています。寝る前に足の裏に塗布することで、睡眠の質が上がるでしょう。

塗布するタイミング

朝、あるいは夜の入浴前に塗布するのをお勧めします。
アビヤンガの後に、入浴やサウナなどで汗をかくことが大切とされ、毛穴を開き、よりオイルの成分を浸透させます。
できたら、入浴や熱いシャワーで体を温めてください。

ぬるぬるが気になる方は、一度乾いたタオルで油を一度十分に拭き取れば大丈夫です。

洗い流すと、成分が浸透しないのでは?

アーユルヴェーダではセサミオイルの浸透力と効果をを科学的にも分析解明しています。皮膚から入ったオイルは腺や毛細血管から吸収されて2分39秒で血液へ、3分10秒で筋組織から骨組織、4分45秒で神経組織や骨髄へ到達すると発表しました。

どのオイルよりも高い浸透力と保湿力を持つとされます。

塗布してから15分ほどゆっくり過ごせたら、それが望ましいのですが、
時間がない、寒いなど…もあると思いますが、やらないよりもやったほうが良いし、難しければ上記の頭、耳、足の裏の3点マッサージを行いましょう。

使用する際の注意点

熱性が高いオイルなので、ピッタ体質の方や真夏、皮膚の炎症が起きやすい人は、セサミオイルではなくココナッツオイルやオリーブオイルなど油の種類を変えてください。

体質や体調、季節によって使用するオイルを変えるのも大切です。