トラウマと脳のはなし
前回の続きから
トラウマによって身体に変化が起きていると書きました
過度なストレス状況は脳を変形させると言われています
この話を聞くとなんだか「怖い」「嫌だ」と不快な思いをさせてしまう方がいるかもしれません
もし気分を悪くされた方がいたら申し訳ないのですが
身体が変形することで命を守ってきたと言えるのです
そして変形した脳は良き方向に回復することができる可能性があるともいわれています
もし先を読み続けられそうな方はお読みいただけたらと思います
慢性的なストレス状況では脳の扁桃体というところが過活動をおこします
ここで扁桃体とは?
大脳辺縁系の部位
快不快、好き嫌い、恐怖など原始的な感情に関わる
記憶を司る海馬とも大きく関係しています
海馬とは?
見たり聞いたりして脳に入った情報は、扁桃体と連動し海馬に短期記憶として一時的に保存されたのち、消去されます
記憶を整理して覚えられるべきものとそうでないものに分け、覚えるべきものの情報は長期記憶として保存されます
通常はこのような記憶の方法がとられますが、強い感情を伴う体験の場合は
過活動を起こした扁桃体は単独で記憶を貯蔵します
通常記憶は時とともに風化されますが、扁桃体に残された記憶は風化されず残るため、これが生きづらさに繋がるといわれています
なぜ生きづらさに繋がるのか?
過度なストレス状態により過活動になった扁桃体は、些細なことでも反応してしまいます
常に危険探知機が反応しているような状況です
前回も書きましたが、扁桃体のその変化により、今目の前で起きていることが「安全」でも「危険」と勘違いしてしまう誤作動が起きるのです
危険な時にだけ反応する探知機が誤作動を起こし、常にアラームが鳴っていると想像していただくと分かりやすいかもしれません
「恐怖」に飲み込まれている状況になっているということです
このような状態の時に、私たちの身体の中では「安心」を感じることはできません
「恐怖」には戦うか逃げるか、またはもっと大きな恐怖にはフリーズして対応するしかないのです
そしてこの対応は神経系の話になります
次回は神経の話を書いていきたいと思います
お読みいただきありがとうございました☆
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