音楽における一番熱い"イントロ"とは
今日は、楽曲の"イントロ"について書いてみたいと思います。
そもそもイントロとは?
ということなんです。
普段何気なく聴いている曲の冒頭部分、歌に入る前の演奏部分を一般的にはイントロと呼びますが、イントロって物凄く大事なんですよね!音楽好きな人ならもう当たり前に分かってることだとは思いますが、イントロを制すものは音楽を制す!そのくらい大切な存在だと思っています。
特にここ数年、Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングが当たり前に使われるようになってからはその重要さが顕著に感じられます。
ストリーミングを使っていると僕らは新曲がリリースされたり、気になった曲があった時にポチッと押せばすぐに曲を聴くことができます。超便利です。最高ですよね。
ただ、なんかこの曲微妙だなぁと感じたら他の曲に変えることも簡単にできるようになりました。
つまり曲の良し悪しを判断するまでの時間が前よりもかなり短くなったと思います。
早ければ10秒から20秒でジャッジされてしまう、そんな世知辛い世の中です。
だからこそ近年のポップソングはイントロでどれだけ惹きつけられるかを打ち出してる楽曲が多く見られます。
ただ、そんな重要性よりも今回伝えたいのはイントロにはとてつもないロマンが詰まっているということです!
イントロでどれだけその後の展開を聴いている人たちに想像させるか、一瞬のトキメキを与えるか、その爆発的なエネルギーはイントロにこそ詰まっていると思っています。
そんなトキメキとイマジネーションが詰まった最高のイントロを紹介していきたいと思います!
1.SUPERCAR "White Surf style 5."
イントロを語る上で欠かせないのが"リフ"です。
リフとは"繰り返されるコード進行やメロディであり、主にリズムの楽器によって演奏され、楽曲の基礎や伴奏として成立するもの"です。
この"White Surf style 5."のイントロのリフは正に最高のリフであると思っています。イントロの一発目で高揚感を持たせ、繰り返されるたびに楽曲の世界観が徐々に広がっていく、これだけ印象的なフレーズが何度も繰り返されるので楽曲の印象のほとんどを形作るものだと思っています。
いいイントロとはほとんどの場合がこのリフのことを指すパターンが多いです。
SUPERCARはイントロやリフに対する意識をすごく感じることが多く、印象的なものが多いイメージがあります。
Vanessa Carlton "A Thousand Miles"
このイントロが大好きな人も多いのではないでしょうか。
"ピアノで始まるイントロの曲"で一番最初に浮かぶのはこの曲でした。
これもピアノの印象的な冒頭のリフが何度も繰り返し出てくる、リフがサビのように一番重要な印象を与える楽曲ですね。
このイントロを聴くと個人的には夏の早朝の海辺を思い浮かびます。このパートだけで何かしらの景色や心情が浮かぶという、イントロとして100点満点だと思います。さらに曲中で繰り返されるたびに徐々にエモーショナルになっていく展開が…好きです。
きのこ帝国 "金木犀の夜"
先程の"A Thousand Miles"にはいかにも洋楽っぽいイメージを感じますが、打って変わってきのこ帝国の"金木犀の夜"のイントロには日本的な情緒を感じます。
イントロのリバーブのかかったギターのリフが胸にギュッときて、とてつもなく切ない。どうして同じフレーズを繰り返しているだけなのに、切なさが盛り上がっていくのか不思議。
これから切ないことが歌われるんだろうなあ…って思わず聴いてる側の表情も切ないモードになってしまうくらい"作り手の記憶や感情が詰まってる"。そんな風に感じます。
日本の歌には夏の終わりと恋の終わりを掛ける歌が多いですよね。夏の終わりの切なさ。たまらんですね。
ART-SCHOOL "FADE TO BLACK"
今までとは違う、ドカン!と始まるイントロです。リフというよりは、バンドの持ってる最大出力を頭からぶつけるというパターン。
だからこそイントロからボルテージも上がるし、イントロが終わってからも"またこの音圧の瞬間に出会える!"という期待感も膨らみ、このパートの需要性も高まります。
これまで紹介したイントロは基本的に、リフが先行して徐々にバンドの演奏が加わっていくというものだったんですけど、こうやって一発目からガシッと心掴まれるのはライブで見ると結構鳥肌と涙モノなんですよね。
…えー、まあこの辺りから書くことがなくなってきます。ただ、本当に最高のイントロなので紹介していきます。書くことは減っても楽曲への愛情と熱量は変わらないのでよろしくお願いします。
Gorillaz "On Melancholy Hill"
みんな大好きGorillazの"On Melancholy Hill"。印象的で切ないイントロなんですけど、コード進行が所謂"Let It Be進行"と呼ばれる1564の展開なので、既に名曲になることが約束されてる。
正直このコード進行ならどんなリフを乗せてもそれなりにグッとくるものは書けると思うのですが、あえて音数の少ないシンプルでミニマムなリフにして、そこにシンセとコーラスの浮遊感を加えることで絶妙な隙間感を感じて印象的なイントロになってますね。
The Little Mermaid "Under the Sea"
世界的に超有名なイントロ。
イントロを聴くだけで、子供から大人まで、"楽しい曲だ!"っていうことに気付ける曲の瞬発力がすごい。
この曲のイントロには10秒で人の心を引き込むテクニックが詰まってる。
そして、このリフのフレーズが曲の終わりまでずっと使われてるため、必ず頭と心に残るようにできてるように思います。
Bloc Party "Waiting For The 7:18"
リバースディレイ?のかかったギターとグロッケンから始まるイントロ。
ジワジワと引き込まれるイントロからの展開と、ドラムが入るパートから曲の雰囲気がガラッと変わるのもこの曲の魅力。
イントロのギターとグロッケンの相性最高じゃないですか?まだ朝になりきらない真夜中感がありますね。
MGMT "Kids"
みんな大好きMGMTの"Kids"のイントロ。
もう始まりの子供たちの声からすでに楽しい空気が全開なのに、印象的なリフが鳴り出して曲のテンションが高揚していく感じがたまらない。
リフだけ切り取って聴くと本当にシンプルで、これだけ?と感じるけど、色んな楽器と混ざり合うことでこれだけの存在感を発揮する。音楽の魔法です。
米津玄師 "灰色と青"
声を楽器の音にするボコーダーという楽器が使用された印象的なイントロ。切なさを表現することがとても上手い。このパートだけで、この曲の持つ切ない表情が見えてくる。
イントロをもう少し伸ばしてほしかったと個人的には思います。歌が始まるまでが早いのはシングル化されたポップソングとしてリリースされてるところにあると思う。カラオケでイントロ待つ時間気まずいしね。
Muse "Supermassive Black Hole"
最初から優勝する気満々なハードロック感満載の強気なイントロが最高。
このイントロを聴いただけで心が無敵になる。
そういうのってすごく大事。
Kasabian "Club Foot"
Museの"Supermassive Black Hole"に次いで無敵になれる曲。特にイントロの歪んだベースが鳴った瞬間の高揚感と無敵感は他に類を見ない最高クラス。
The 1975 "Chocolate "
The 1975も物凄くイントロに拘りを感じる楽曲が多いバンドだけど、やっぱり個人的には"Chocolate"のリフは素晴らしい発明だと思います。
80'sのポップソングのような明るさと寂しさのブレンドされたアンニュイさを感じる。
これ以降にもこのフレーズを模倣したバンドがたくさん出てきたのも納得するほどに魅力が詰まってると思います。
TWO DOOR CINEMA CLUB "I CAN TALK"
アッオゥアアオッ アッオゥアアオッ アッオゥアアオッ アッオゥアアオッ
このイントロだけで、なんだこれ?!って間違いなく掴まれる。
そしてバンドの演奏が入った瞬間には踊り出してしまう、これぞTDCCマジック。
120点の掴み。マヂカルラブリーのような掴み。
Kings Of Leon "Use Somebody"
楽曲の世界観に引き込む引力が凄い。
最初の数秒でどんな曲が始まるんだろう…って思わせてから一気にバンドの演奏が入ってきてグワっとエモーショナルな展開が始まる。
初っ端からクライマックス。映画のエンドロールみたい。
Calvin Harris "Slide ft. Frank Ocean, Migos"
この曲は2段階にイントロがあると思ってて、最初の綺麗なピアノのリフで夏の切なさを思い浮かべて、シンセの楽しそうなリフが次にくる。この2段階のイントロで、2回掴まれる。完全にズルい。
この曲がライブで演奏される日を永遠に待ち望んでるのですが…。
The Verve "Love Is Noise"
The Verveでイントロといえば"Bitter Sweet Symphony"を浮かべる人がほとんどだとは思うけど、個人的にはこの謎の声のリフが大好きです。
第一印象では変なリフって思うんだけど、展開していくごとにこのリフがとてつもなくかっこよく曲中の中で進化していくので、2回目聴く時にはもうすでにイントロで爆発的にアガること間違いなし。
Arctic Monkeys "Brianstorm"
このイントロは凄い。乱暴で暴力的で高速ブレイクビーツみたいなイントロ。急にとてつもないスピード感で景色が回り始める感覚。20秒くらいひたすら同じ音を鳴らしてるのにこんなにインパクトがあるのは画期的。
個人的には途中で入るギターのカッティングが好き。そこからこの曲のメインリフが始まるこの当時ブレイクしたUKのニューレイブ感が最高。
blink-182 "I Miss You"
Blink182といえばおバカポップパンクのイメージが物凄く強いけど、そんな彼らの言わずと知れた名曲"I Miss You"は最高のバラード曲。
90年代のエモっぽいイントロは曲の持つ雰囲気とマッチしていて最高。
LEO今井 - TokyoLights 2(東京電燈其二)
曲名にTokyoがついているからなのか物凄く"Tokyo"を感じるイントロじゃないですか?
夜に光る東京のネオン、東京の夜景を思い浮かべてしまう凄く都会的な響きを感じるリフ。
The Flaming Lips "Race For The Prize"
一発で引き込むドリーミーでファンタジーな"これぞFlaming Lips!"と感じる最高のイントロ。どういうバンドか問われたらこの曲を聴かせれば間違いないと個人的に思っている。このシンセのリフが圧倒的な多幸感。
Thee Michelle Gun Elephant "Get Up Lucy"
ロックンロールたるもの最高に爆発的なイントロがないとダメですよね?一瞬で胸ぐらを掴むイントロが。
特にミッシェルはイントロから最高のバンドで、ロックンロールの定義を完全に知り尽くしたバンドだと思っている。どの曲でもど頭から超攻撃的でチバのギターでもウエノのベースでもクハラのドラムでもどこから入ったとしても最高にロックンロールができる。
どの曲でも良かったんだけど、"ゲットアップルーシー"はイントロが特に長くて2段階の展開があるので個人的に好きです。
Coldplay "In My Place"
最後はやっぱり名イントロ、名リフを生み出しまくるColdplayかなと。
スタジアムロックを意識するには、オーディエンスがイントロで"あの曲だ!"と盛り上がる瞬間を生み出すことが超重要。それがライブのハイライトにもなり得るので、常にここぞという曲にはキャッチーで人の心を掴むイントロをあえて作っているイメージがある。
"Viva La Vida"や"Clocks"など他にも印象的なものも多いが、個人的にはこのドラムから入る、ドラムでオーディエンスがなんの曲か気付いて、そこからギターのリフが入って熱狂する展開が好きなのでこの曲にしました。
最後に
今回は自分が個人的に好きなものをピックアップしたので、Nirvanaの"Smells Like Teen Sprit"とかAC/DCの"Highway to Hell"とかアレもコレも!って大好きなイントロがたくさん出てきてしまうので絞って紹介しました。
イントロやリフは、それだけで人の心を掴むことがあるくらい大切なものです。
特に海外ではライブでいきなりイントロのリフをオーディエンスが大合唱することも多くあり、日本の"サビを大事にする文化"とは違った印象があります。
途中からイントロの話よりもほとんどリフの話になっていたような感じもありますが、"最高のイントロには最高のリフあり!"これを今日は覚えていただけたらなと思います。
以上、イントロについての話でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?