アパート01

本当にあった○○な話

5月は多い方で10連休!あっという間に月末かあ・・・と思う淀です。
もう「令和」には慣れましたか?

最近季節の巡りがどんどん早くなっているような気がして、北海道では35度を越え、道内で気温差25度以上だって。
異常気象が現実味を増してきて、自分が運よく長生きした時、お外に出られるか・・・取り越し苦労をしそうです。

先日「人生の選択」で登場した娘の住処も無事審査が通り、引っ越し準備中。

私自身は「書いて生きていく」というだだっ広ーい人生選択をし、有料にて配信させていただく予定の審査結果をしぶとーーーく待ちながら、自叙伝を書き溜め、コンテストに落ちながら居候している砂短サイトの競馬予想データ整理やら雑用やら、何本か並走しているYouTube動画企画の詰めなどで暮れていく日々です。

生きていけるのか・・・いや生きていくのです!みんなに養ってもらうww

そんなこんなで在宅ワーカー。
日がな一日家に居ながら時間を過ごして、そろそろ1年半ほど経つのですが、最近ちょっと面白いのが、

「生活音」で、顔も見たことない隣人のタイムスケジュールを把握できるようになった事。


■203号室
女性。6:00起床。7:40出発。22:00頃に帰宅。
シフト制でヒールを履くお仕事。
季節柄窓を開けていると、たまに聞こえてくる声は20代で彼氏との楽しそうなおしゃべり。自炊派で夜洗濯。喫煙者。

「鏡合わせ」状態の間取りのせいで、偶然にも同じことをしてることがあると、同じ生活音を立てながら過ごしていることが分かる。

こないだはトイレに入り、トイレットペーパーの「ガラガラッ」なんて音が聞こえてきて、少し気恥ずかしくなっている私・・・向こうもかもしれないが。

たまに暇なとき、ドアが開く音がすると「あ、おかえりー」ってぼけてみる。
あれ?いつもより食器棚の開く音がでかいな…なんか嫌なことでもあった?

そんなこと思われてるなんて知る由もない隣人さんに「今日もお疲れさま」と勝手にあいさつしてます。はい。

そんな日々を過ごす私がつい最近、体験したことを。


■103号室
2ヶ月程郵便受けに「投函禁止」のシールが貼られて空き家になっていた103号室。いつの間にかそのテープがはがされ、誰かが住んでいた。

(あ、人はいったんだ・・・)

特に気にも留めず、1か月ほど過ぎた。

午前1時を回った頃だろうか。翌日の地方競馬の配信準備をしていると


いつもと違う音が夜中に響く。

「・・・?」

明らかに女の子の叫び声だ。
折り重なるように複数人の男性の声が混じる。

一瞬どきりとしたが、「映画でも大音量でみてるのかなあ・・・」と思いながら、そのまま配信準備を続けているとー

「ドン!」


生活音では絶対にあり得ない
大きな「何か」が「どこか」に叩きつけられる音と
再び聞こえる女性の叫ぶ声と男性の騒がしい声
玄関ドアの開閉音と慌ただしい駆け足の音

(・・・なんなんだ)

その後何事もなかったように静まり返ったが、なんとも言えない気味の悪さに寝る気にもならず、朝を迎えてしまった。

それから
103号室に住人が入ってからというもの、不可解(不愉快)なことが続く。

・自転車置き場がコンビニ弁当のごみで汚れていて、かごにビールの空き缶が突っ込まれている
・許可されていないバイクが入れ替わり立ち代わり無断駐車
・玄関前に他県のナンバーの車が何日も放置

そして
毎日ではないにしろ、聞こえてくる

あきらかにおかしい複数人の奇声と大きな物音

嫌な予感がする。

そしてその予感は現実のものとなった。


■事件

ある日の朝、燃えるゴミの日で捨てるついでに買い物に出かけようとした時、ふと足元にみえる光景に違和感を覚えた。

私の住んでいるマンションは、定期的に清掃業者が廊下や階段をクリーニングしているので、いつもきれいに保たれているはずなのだが、何かをふきとれなかったような直径30センチほどのシミが階段にへばりついていた。


ぎくりとした。


(血痕だ)


そしてタバコの吸い殻が1本。

2階の渡り廊下はいつも通り綺麗だったから、下で何かが起きていることは理解できた。


下に向かうと、点々と同じ色のシミがついている。

私はゴミ袋を抱えながら、恐る恐るそのシミを追いかけた。


その先には

20リットルくらい入る真新しいバケツ

3つのゴミの袋

汚れた雑巾

そして

103号室のドアは開かれていて、玄関から廊下にかけて、大量の水を流していた。

玄関のドア越しだったので人物は見えなかったが、ガラスに映る身体の大きさと「早くしろよ」という声で、明らかに複数人の男性だということが分かった。

私は悟られないように、携帯のカメラを起動させ、血痕と思われる階段のシミと、ごみ捨て場の隣に停めてある不審な車とバイクの写真を撮り、警察に電話をした。


■明かされる真実

電話で自分の分かる範囲で現状を警察に伝え、電話を切ってから1時間後
折り返しの電話か警察から届いた。

「住人は大学生で友人と酒を飲み、酔った勢いで喧嘩になり、怪我をしたそうです。今回は事件性がないものと判断しましたのでご連絡致します。宜しいですか?」

それまでの経緯も伝えたかったのだが、そこには物的証拠がないこともあって「分かりました」とだけ伝え、電話を切った。

実はこの日、名古屋市の繁華街で喧嘩の末、相手が刃物で刺されて死亡した事件がニュースで流れていたのもあって、不安はぬぐい切れなかった。



翌日、コンビニに出かけるために外へ出ようと階段を降りると、そこには103号室の住人と思われる男性と、顔がよく似た私と同じくらいの両親と思われる2人、肩に包帯を巻いた男性とその彼女が話をしていた。


「そんな時間に酔っぱらってタックルするなんて、うるさいに決まってるだろ!!馬鹿かおまえらはーー!!」


・・・はは

・・・そういうこと。か、


私は大学の学生街の一角にあるマンションに住んでいる。
その体格、某大学の名前入りのジャージ


アメフト部だ。**

**

因みに
私がお世話になっている整体師の先生も、その大学のアメフト部出身。

警察が親御さんと、マンションの管理会社にも電話をしたらしい。


叱られる2人の大きな体が、ちょっと小さくなっていた。


とりあえず「若気の至り」からおこった出来事でホッとしたことと

自分も同じ年頃の時、酔いつぶれて気が付いたら、ごみ置き場に捨てられてたな・・・と、遠い目になった。ははは。

あれからは、隣人がたまに不機嫌そうに閉める食器棚の音がうるさいだけで、至って平和。自転車置き場もきれいになって、無断駐車もなくなった。

この薬がいつまでもつか・・・

現場からは以上です。

                                                                           (本当にあった○○な話-Fin-)

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