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私は料理で旅をする:#つくルンバ

ここ最近の騒動で、目まぐるしく環境が変わりつつある昨今。普通が普通でなくなっていく現状を目の前にし、私たちは今、何をすべきなのでしょうか。

…誰にいっとんねん。

朝のワイドショーを見ていた時、ふと上の言葉が浮かんで「やだーちょっとカッコイイじゃないのこれ!」と、鏡の前で独り、有識者のごとく話している私。想像してください。引くわ。引きこもり検定2級の私でさえ、普通ならやらないことをやるように。ひとり上手と呼ばないで(昭和感が)。

様々なものがリアルからバーチャルへ移行してますね。Zoomが日常生活で使われるようになるなんて思いもしなかったです。当たり前に会えた人に会えなくなり、気軽に出かけられなくなり。遠くなってしまったものも勿論ありますが、バーチャルは逆に、ハッとしてグッと近くなりました(昭和感が)。最近noteでお近づきになった皆様のプロフィールを見ると、諸外国で暮らしている方が結構います。アメリカ、イタリア、イギリス、ベトナム、などなど。ちょっと振り向いてみただけの異邦人(昭和感が)として、お仕事や子育てに奮闘している姿を、noteを通して見ることができます。SNSのいいところだなあと。

その中の筆頭「#つくルンバ」主催、a・k・a「バレンシアの太陽」こと、塩梅かもめさんも、スペイン在住(ここで「かもめが飛んだ日」を思い浮かべたあなた、昭和感が)。
思えば、海外在住のフォロワーさんが増えたきっかけは、かもめさんとの交流からだと思います。この出会いがなければ、私は「レンズ豆」の存在を知らぬまま人生を全うしていたことでしょう。大袈裟じゃなく。

愛車のケッタマシン(名古屋でいうところの自転車)に乗り、食材調達のためスーパーへ。ニンニクを買おうとしたら、スペイン産の「紫ニンニク」を発見。シェフの笑顔につられて買ってしまったやんか(笑)
頭ニンニクみたいになってるよー。いかにも「ニンニクでいろんなとこが元気になってる顔」してるな。偏見か。

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日本では新玉ねぎ、新ニンジンが旬。
豚のスペアリブがなかったので、肩ロースブロックで代用。あ、塩もせっかくだから、ローズソルト買っていこう。

今回トライするための食材のうち、レンズ豆とパプリカは通販で入手。実は両方とも初めて使う食材だったので興味津々。ジャングル、もといAmazonにて「レンズ豆」を検索すると、丸っこいもんから平べったいもんまで出てくる。かもめさんにslackで質問しながら、掲載画像と見比べ注文しました。

普段「豆」っていうと、大豆の水煮でひじきの煮物を作るくらいであまり意識して使ったことがなく、「パプリカ」は色付けメインの食材だと思っていました。えーと、レシピではニンニクと共に香りを出すため熱したオイルにいれるとな…そもそもパプリカってどんな匂いなんだろうグヘヘへ…と、中学生ばりの妄想をしておりまして、到着した途端に封を開け、鼻を突っ込み大きく吸い込んでしまいました。そして一声(「‥この別れ話が」と思ったあなた、昭和感が)。

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ああああ!パプリカだわ!

分かったような口を聞きましたが、それ以上の表現が見つかりませんでした(語彙力)冒頭の「有識者ごっこ」はどこへやらです。で、レンズ豆は待つこと10日。もう少しで会えると思うと高ぶる気持ちが抑えられず、作る前からワインが1本開いてしまったじゃないか。遠距離恋愛の感覚でしょうか。呑む理由なんて何でもいっか。だいたい、遠距離恋愛したことないしな。

そうこう待ちわびているうちにレンズ豆到着。由来通り、レンズの形だ・・・ほうほう。封を開けてボールに開ける。触った瞬間はまるで、飛んでイスタンブール(昭和感が)に行けるくらいサラッとした手触り。うーん。そうだ碁石!碁石の中に手を突っ込んでる感じ!気持ちいいー。

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そんな滑らかなレンズ豆を恭しく撫ぜるように水洗い。やだ。ドキドキしてる。

下ごしらえを終え、フライパンに入れられた野菜達に混じって、ちんまりとしていたレンズ豆は、ゆっくりコトコト煮込むうちに美味しさを吸い込んで、ぷっくりと膨らんでいく。

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かもめさんのレシピには調味料の分量が詳細には書かれていない。ペロッと味見してニッコリできれば、それがその料理に適した分量なのです。

料理に正解はなくて、同じ名前の料理でも個性があります。正解があるとするなら、それを食べた人が「美味しい!」とか、「なんだよこれー」などと言いながら、笑いあうことだと思うのです。

つくルンバを通して、初めて作る料理を決めて買い物に行くと、楽しいんですよね。ちょっとした旅行気分なのです。こうしたきっかけで初めて触れる食材は、そのルーツを探ると、その国へと旅をする気分になれる。レンズ豆に触れた時のドキドキは、初めて異国の地へ足を運ぶ不安と期待に似た気持ちと似ているのかもしれません。

普段の食事はほんとに疎かで、安くてお腹が膨れるものでいいと思っています。見切り品を回り、冷蔵庫にあった食材で何かを作り、一袋20円以下のうどんを大量に買い込んで冷凍するような食生活。その代わり、こうして「食べよう!」と決めた時は奮発します。ワインもね(笑)

シチューを一口。目をつぶればそこはバレンシア。
そしてワインを片手に私はまた独り、有識者ごっこに励むのです。

ここ最近の騒動で、目まぐるしく環境が変わりつつある昨今。普通が普通でなくなっていく現状を目の前にし、私たちは今、何をすべきなのでしょうか。

異国の地でも、国内でも、みんなが闘いながら、蕾のようにじっと春を待っている。
人類にとって本当の春が来たら、同じレシピで各人が持ち寄った料理を食べ比べながら、出会えた喜びを噛みしめたい。ダンスは上手く踊れないけどね(昭和感が)共に笑い、謳おう。

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つくルンバは今日も行くのだー。

そして旅から帰ると言ってしまう一言。
「あー楽しかった!やっぱり家が1番!」

締めはお茶漬けにしようかな笑
かもめねーさん美味しかった!ごちそうさま。

(私は料理で旅をする:#つくルンバーFinー)

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