失敗続き

基本自分の仕事は一人で回る事が多く、この仕事に就いて5、6年経った頃位からやっと一人で現場に行かされるようになったのですが、明らかにクレームが付くような失敗を放置して帰ってくるような日々を過ごしていたんですね。
そうすると勿論自分でもわかる程の失敗ですから、親方の元に「仕上がりが汚い」等々元請さんより電話が入り、親方と一緒に手直ししたり、直せない物は材料を改めて取って貼り直したりしていました。
本来ならその場で失敗した旨を報告するなりしていれば、大事にならずに済んでいたのですが、当時の自分はそれすらも恥ずかしく感じられ、隠したまま現場を後にしていたのです。

普通ならそんな職人を一人で現場に行かせられないと思う筈ですが、その後も親方は自分を一人で現場に入れました。

そんなある日、今度は隠せない程の失敗を自分の事をよく可愛がってくれていた元請さんの現場でしてしまいました。
この時初めて自分からその元請さんに、「失敗してしまってもう材料がないので、日を改めて貼り替えさせて貰ってもいいですか?」と聞いたんですね。
するとその元請さんが、「誰でも失敗するんだからいいんだ。但し、またお前が一人で来て責任持って貼り替えろよ。」と言って下さいました。
なんかその時よく分からないですけど凄いすっきりした気分になった事はよく覚えています。

後日親方に「現場に気持ちを残してくるなよ」と言われました。

本人に聞いた事は無いですが恐らくその意味は、「自分が施工した現場で気になる事はその場で解決して帰って来いよ」という意味なのかなと自分なりに解釈し、今も自分への戒めにしております。


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