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よびし通信

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これまで発行しているよびし通信をまとめてご覧になれます。 よびし通信は、2019年から発行しています。よびし通信no.1~15は、写真とイラスト、イベント告知がメインのチラシで…
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#100年フード

【よびし通信no.32】おたふく豆はこの炊き方がおいしいわぁ

よびし通信no.32発行しました。 多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技「おたふく豆」この炊き方がおいしいわぁ 「おたふく豆」と聞いて、はじめ何の豆か分かりませんでした。しもぶくれの「おかめ面」のようなカタチの豆だから「おたふく豆」すなわち「そら豆」。 山間部の聞き取り調査でも、甘く炊いた「おたふく豆」をよく作ったと聞きましたが、作り方も分からず、乾燥そら豆を使うことも、今回レシピを教えていただき初めて知りました。 手間がかかりますが、この炊き方が美味しいと評判でしたので載

【後編】大学で「食文化の伝承と発信」をテーマに講義しました

令和6年6月24日、滋賀県立大学「地域教育プログラム」地域基礎科目 【近江の美】の一コマ 「食文化の伝承と発信」をテーマに講義させていただきました。 後半は伝える、つなぐをテーマにお話ししました。 前編はこちらから ↓ 02 伝える 展示noteでは、過去のYOBISHIプロジェクトで開催した展示イベントについてあまり紹介出来ていませんでした。 foodscape 料理開拓人 堀田裕介さんが提唱された foodscape フード食とランドスケープを掛け合わせた造語。多

【前編】大学で「食文化の伝承と発信」をテーマに講義しました

令和6年6月24日、滋賀県立大学「地域教育プログラム」地域基礎科目 【近江の美】のひとコマ 「食文化の伝承と発信」をテーマに講義させていただきました。 今回、講義をするために、改めて活動内容、調査してきたこと、発信してきたことをまとめる機会となり、良き振り返りとなりました。 講義内容パワポを紹介します。 【その1】YOBISHIプロジェクトの活動紹介 YOBISHIプロジェクトを動かす中心メンバーは、滋賀県外からの移住者です。多賀町の文化の懐の深さに惹かれたのは二人の共

【よびし通信no.31】『お弁当箱のうた』の「すじのとおったふき」はどのふき?

よびし通信no.31発行しました。 多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技【『おべんとうばこのうた』 の「すじのとおったふき」どの「ふき」を思い浮かべますか? 】 ▼「ふき」といえば、滋賀県に来るまで出汁で薄味に炊いた「太いふき」の煮物しか見たことがありませんでした。「細いふき」がたくさん出回り、昆布と山椒、干しシイタケなどで炊いて佃煮にする、保存食を大量につくる文化に驚きました。 【トウブキ・クサブキ・ヤマブキ】 ▼もんぜん市では、三種の「ふき」が出回っています。いまだ

【よびし通信no.29】ゆりこ団子は究極の食品ロス削減

多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技【赤かぶらの切り漬けは冬の常備菜】 三十数年前にお姑さんから聞いて習ったという「赤かぶらの切り漬け」を教えてもらいました。年に一 度の恒例手仕事。毎年、百個超えの赤かぶらの下ごしらえを一日仕事でされてきたそうです。「切り漬けの ええとこは、作ってすぐ食べられること。」しばらく 漬けて乳酸菌発酵したのも美味しいです。 滋賀県の伝統野菜「万木かぶ」 は、赤かぶらで葉の軸が白い品種、 アブラナ科は交雑しやすく、その土地ならではの種が発達したよう

【よびし通信no.28 】うどんぬた ここだけ?

「よびし通信」って?? 「よびし通信」は、ほぼ2ヶ月に一度、町内約2500戸に各戸配布しています。 滋賀県多賀町内で取材した郷土料理の「すばらしさ・面白さ・凄さ・地元ではあたり前のこと」を地元の人に知ってもらい、若い世代にも伝えていきたくて発行しています。 初めは、ワークショップやイベント告知チラシでした。イベントが終わるとそのままチラシがゴミ箱に捨てられるのはもったいない。捨てられないためにはどうすれば良いかメンバーと話し合い、レシピを載せることにしました。だから、基本イ

【よびし通信no.27】米粉で作る ぼんがらだんご

よびし通信no.27  令和5年6月号発行しました。 多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技 【ぼんがらだんご 多賀町大杉】  5月24日、米粉を使った「ぽんがらだんご」の作り方を教わった。「おばあちゃんが作ってやったやり方は、小麦粉やのうて米粉で作ってやったんよ。ぼんがらの葉っぱを採りに行くんは子どもの役目やってね。 米を川相(多賀町川相地区)に挽きに行って粉にするんが楽しみで。 米粉こねた生地は、一晩寝かせてて、出来上がるのが 待ち遠しかったんよ。 子どもの頃はおやつがな

『多賀の食べるをつなぐ』増刷されました!

問合せが多くあるものの、長らく欠品していました。 が、増刷していただけました! ありがとうございます! 目次などはこちらから↓

【よびし通信no.26】こわとだんご

だんないおきばりやす 【こわとだんご】  「毎年12月28日は何があっても餅をつく。27日でも29日でもあかん。」 何やら代々引き継がれてきた。その日の台所は朝早くからお餅のいい香りに包まれる。子どもの頃は早く食べたくて、わくわくしながら出来上がるのを心待ちにしたものだ。そして着々と新年を迎える準備が整っていく。  白餅で、鏡餅やのし餅をこしらえた後、間髪入れずによもぎ入りのこわとだんご作りに取り掛かる。この二つのお餅はお正月にしかお目にかかれない。  こわは、もち米

【よびし通信no.25】怖い顔して こさえるもん

よびし通信no.25  令和4年11月12月号 【笑てたらあかん!丁子麩の辛子和えは、怖い顔してこさえるもんや】  報恩講(親鸞聖人の祥月命日に行われる行事)と、おとりこし(報恩講の期日を繰り上げた家庭などでのお勤め)の時期が今年も巡ってくる。昔のおとりこしと言えば、それはそれは盛大に行われていた。村中の親戚や隣近所をよび、大勢でお勤めをあげていた。母は数日かけて十八~二十品の料理を作りふるまっていたという。台所は料理でいっぱい。大きな鍋やお鉢がいくつも並んだことを覚えて