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室内履き問題

■2023年(両親81歳)

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単身で訪問 午前中 居室にて

母の妹から届いたお中元の桃を差し入れる。

去年までは毎年母にむいてもらっていたが、今年はついにアウト。

こちらで皮を剥いてカットしてタッパーに入れてきたものを食べてもらう。

母はどんどん表情がなくなっていく気がする。

わたしの存在にはっきりと気づいた時だけ、「尚ちゃん!」と声を出し、笑ってくれる。

父の方がまだ感情面ははっきりとしているから、母の衰えが目立つ。

この日も母はまた突如、手を伸ばして何かを拾おうとする仕草あり。

やはり幻視傾向は間違いなさそうだ。

母の目元や鼻の周りの皮膚がポロポロとめくれてカサついているのが気になる。

二人の手の届かぬよう、洗面台の上に追いやられている乳液を取り出し、母の手のひらに出して顔に塗ってみてもらう。

久々の乳液。

母の乳液を塗る仕草がとても懐かしかった。当時と変わらず。

少しはさっぱりしてくれた様子。

父は素足のまま母の室内履きを履いていた。

爪の問題、足のむくみがあるというのに、母の小さなサイズの室内履きを履かされている。

父の室内履きについては、その後まだ未対応のままだった。

父の空間認識の低下も甚だしく、エレベーターの乗り降りがとても困難に。

エレベーター内の鏡にも反応してしまって、扉が開いてもなかなかうまく降りてもらえず、かなり手こずる。

所長さんに父の室内履きの件の進捗を聞くと、案の定未だ特に何も進んでいない様子が見て取れる。

慌てて福祉用具のカタログを取り出してきて、靴のページを開きながら何やら説明しつつ取り繕っている。

このまま待っていても対応してくれそうにないので、もうこちらで用意する旨を伝える。

帰りに薬局に寄ってLLサイズの室内履きを購入する。

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