心拍数「0」
■2024年(両親81歳)
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父 入院13日目 続き(5)
父は笑ったままフリーズしているような感じ。
なんだか仙人みたい。
口は開いている。
掌がやや黄色っぽい。
深夜に駆け付けた時はこんな色はしていなかった。
頬から顎にかけてのラインが格段に細くなり、逆三角形になっている。
体も顔も硬い。
モニターの表示をよく見ると、心拍数(HR)「0(ゼロ)」との初めての表記を目にする。
え? 死んでいるの??
姉が左手で父の両瞼をグイッと上に押し上げると、父の黒目が覗く。
普通に生きているみたい。
姉が「もう酸素マスクはいいよね」と、父の顔から取り外す。
すると、一瞬モニターの波形が一直線から山形に動きを見せる。
え! まだ生きている!?!
わたしは焦り、慌ててまた父の口元に外したマスクを充てがう。
とにかく、一体父が今どんな状態なのか全く分からない。
そして、どうして誰もここに居ないのか?
看護師さん、医師が一向に現れない。
どういうこと??
しびれを切らし、姉が「ちょっと呼んでくる」とナースステーションへ向かって行った。
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