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連載)エンプラCSにおける、セールスチームとの連携の仕組み

こんにちは、テックタッチのVP of Customer Successをしている垣畑です!

こちらの記事でCSAM(Customer Success Account Manager)と題して当社CSチームの役割についてご紹介しましたが、具体的なところも最近よく質問いただくことが多いため、ここから3回ほどに分けて「エンプラCSの組織・育成・事業貢献の事例集」として当社のCSチームについてご紹介させて頂きたいと思います!

第一弾として、この場ではセールスチームとの連携について共有させて頂きます。当然、新規成約・エクスパンションに向けてセールス・CSが連携していくのですが、特に新規商談の後半から案件に入っていく動きは比較的、珍しいスタイルかも知れません。少しでもご参考になれば幸いです!

参考)
第二弾:「超ハイタッチなエンプラCSチームを成立させるエコノミクス」
第三弾:「エンプラCSにおけるヘルススコアの事例」


セールスとCSがTHEモデルの境界線をお互い
横断して、お客様への提供価値を高める

超ハイタッチを前提に(ロータッチ化はアジェンダから外して)、セールスとCSがお互いの強みを活かして顧客を支援することを目指した結果、現在のところ当社の支援の役割分担は以下のように、新規案件は受注前から参加、エクスパンション案件は場合によっては起点から参加する体制となっています

(なお、上記はCSがエクスパンションの起点となるケースを示していますが、もちろん総量としてはセールスが起点となるケースのほうが多いです)

具体的にはどんな動きをしているのか、何のためなのか、ここからご紹介させてください。

新規商談中のセールスとの関わり方

商談の後半、具体的には決裁者の合意が取れる前後あたりから、案件にCSチームのマネージャーをアサインして案件の支援を始めます。
プロジェクトの体制や詳細計画について、その時点で分かっている情報で仮説を立て、顧客の責任者の方との初回ミーティングを設定してもらい、目的やスコーピングとあわせて握っていきます(QBRの実施もこの場で合意)。
これはCSチームの工数的には負担なのですが、以下のような効果があると考えています。

  • スケジュールや体制、詳細な実装計画は、多くの場合、商談の段階では柔軟に議論できる要素が多くあります。お客様の成功に必須となる、オンボーディング(導入プロジェクト)の要諦を事前にお伝えし、一緒に議論することで、プロジェクトのリスクを最小化することができます。(逆に成約後だと「既に計画も体制も決めてしまったよ」となってしまいがち)

  • これによりセールス担当からCS担当への関係性の引き継ぎも極力スムーズに進めることができ、お客様の不安感を減らすことができます

  • キャリアの観点からも、セールスにとって詳細なプロジェクトプランまで握り切るスキルセットはさすがに過剰と考えられ、ここをCSが担うことでニーズの検証や深堀りに集中してもらいやすくなります。CS側では、キャリアパスにおける、マネージャーが担う上流工程として位置づけています(メンバーは成約後から参画するため、経験を積むほど上流に上がっていくことになる)

特に一点目への効果は劇的で、大規模で複雑な案件ほど、以前は巻き返しが難しいプロジェクトの建付け上の問題などが頻発していたのですが、かなり数を抑えることができるようになりました。

以下のグラフはプロジェクト開始前のリスク評価スコアの中央値の推移です

そんなに大幅には改善していない(笑)ように見えるかも知れませんが、グラフに現れない前提として、大規模で複雑な案件(多拠点展開、複数チーム導入)が増えている中でもスコアの悪化は見られず、握り切るべきポイントは事前に握れるようになってきていることを示しています。
これにより、一般的には高まりやすいとされるセールスとCS間の緊張関係も良い意味で緩和し、協力関係が築きやすくなっています。

今後セールスチームが拡大すればするほど、複雑なPJ構築ノウハウは共有・獲得されにくいため、事前にCSが直接、顧客に握りに行く動きがますます重要になってくると考えています。

契約開始後の関わり方①リードの創出

契約開始後は、効果創出をCSが、エクスパンションをセールスチームがオーナーとして担うのは大前提なのですが、24年度よりCSチームもエクスパンションのKPIを持ち具体的に支援しています。この中身についてもご紹介させてください。

まずは、契約開始後はとにもかくにもお客様のサクセスに向けて邁進します。最初にお使い頂いた方々にテックタッチの価値を実感いただくことが、その後の展開の基礎となるためです。

その後の展開とはすなわち、お客様の全社・全システムで気兼ねなくテックタッチを使って頂くことです。テックタッチが属する「Digital Adoption Platform」システムとは文字通りプラットフォームとして、特定のシステムに限らず、いつでも使いたいときにシステムのUIを改善できる手段としてお使い頂くことを目指しています(プライシングもこうしたプラットフォーム契約が最もお得になるように設計されています)

テックタッチの目指す世界

最初のプロジェクトで成果を出せた、あるいはその目処が立っていることを前提に、新たな支援の可能性を探しに行きます。テックタッチはあくまで課題を抱えたシステムありきのプロダクトであることから、

  • ボトムアップのアプローチだと、事務局の皆さまと共同で

    • アンケートを実施し、ユーザ(従業員)から見て課題の多いシステムを投票して頂く(アンケートもシステム画面上にテックタッチで実装できます)

    • 直接、課題のありそうなシステムをお聞きする
      (システム特性として、ルールの複雑な人事、経費精算、調達、基幹などは解決すべき課題が多いケースが多いです)

  • またトップダウンのアプローチだと、IT部門長様などに今後のDX計画をお聞きし、必要なリソースやノウハウも含めてニーズを特定する
    (別noteで触れた有償サービスの提案にもつながります)

などのアプローチがあります。

これらを俯瞰するため、課題解決できそうなポテンシャルに基づいてCS側でも注力支援リストを作成し、マネージャー陣で月次のミーティングを開き進捗のトラッキングや改善の打ち手の議論をしています。

24年度は、CSQL創出ペースは早いのですが、その先の商談推進に課題が見つかっているのが現状


契約開始後の関わり方②商談の支援

一般的にも「CSチームは最も現場のペインに近い」と言われる特性を活かし、リード創出後も必要に応じて商談に入ります。現場の課題の詳細な理解、これを解決に導く道筋(プロジェクト計画)の解像度の高さを活かして、ニーズの喚起を行うとともに、成約後のお客様の安心感を担保するのが目的となります(新規商談時と同様)。

プリセールスの役割に近いのですが、当社のプロダクトはあらゆるドメイン(DX部門、情シス、人事、経理、営業、調達、開発…)のシステムが対象となるため、一人一人がすべてに精通することはさすがに難しく、現場にいるCSがここをピンポイントで支援することへのニーズが特に強い背景があります。

こちらも主にマネージャー層が担っていますが、工数の確保とキャリア構築の観点からシニアメンバーレベルも支援に入れると、セールスチームとしては提案の選択肢を増やしていけるため、その方向で検討中しています。

なお、これらの活動はセールスの担当者の動きと重複しやすいため、常に調整が必要です。個別顧客のセールスの注力度、CSメンバーの力量、顧客との相性やプロジェクトの成功度合いに応じて当社とお客様との関係性も異なるため、リードの状態(CSQL)でセールスチームにお渡しするケースが多いですがほぼ成約直前まで進めてしまえるケースもあります。
前提の仕組みとして、共通のKPI(エクスパンション)を追っているため、セールス・CSの協力関係が担保されています
(加え、当社の特殊事例として「全員が株主」なので個別最適に陥りにくい構造もあると考えています)


お互いが高め合えるカルチャーが誇り

当社ではセールスとCSがこうした仕組みにより(そして何より両チームのメンバーのオープンで建設的なカルチャによって)新規商談中もオンボ・アダプション中も二人三脚で事業拡大に向けた活動を進めています。
お客様の組織についての情報交換はもちろん、レイヤの異なる担当者様の間の課題感を共有し合って双方が納得感の持てる道を探したり、「顔を変え」て提案に集めを持たせたりと、非常に前向きな議論をさせてもらえていると感じています。

いかがでしたでしょうか。
まだまだ始めて一年未満の施策ばかりで、今後もバージョンアップを続けていくと思いますので、また間を空けて共有させて頂けたらと思います。

当社では引き続き積極採用しています!
もし興味を持って下さった方がおられましたら、お気軽にご連絡ください!

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