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「跳躍するつくり手たち――人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー」展(展覧会図録)

観覧日: 2023/5/8、読了日: 2023/6/22

完全に投稿タイミングを逸してしまいました…

伝統工芸の連綿とした技術の現代や、手しごとと素材に焦点をおいた現代アートとしての企画展です(でした)。
絵画、彫刻、写真だって伝統的技法、手づくり、素材の選択はもちろんあるのだが、本展は一般美術展とは作家の制作スタンスが明確に異なるように思います(思いました)。
表現すること(完成されるビジュアル)と素材の価値やその素材'がある'意味が、おそらく思考・企画段階から時間的に、様態的に併存しているようで、最近観た企画展ではもっともよかった。

横山隆平作品を目当てにいったのですが、ほか作品もすべて見入ってしまうほどに素晴らしい作品群、展示でした。
アートと工芸は古くから境界があるようだが、そもそも芸術概念のない日本でのものづくりとその美しさは違和感がないどころか、鑑賞対象としてこの上ないと思う。
最近は図録をほとんど買わなくなったが、本展はもう一度読み直したく購入してみました(本稿は#読書感想文を兼務)。

(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)
(撮影:筆者)

ただ残念に思うのは、展覧会「ごあいさつ」あたりにも記されていたと記憶しますが(同、本書序文)、最近の画一的な思考(持続可能性、人間/環境など)はアート領域にも侵食しているらしい。いやむしろ積極的・能動的に斯様な言葉が羅列されてしまっている。
工芸から持続可能性、素材から人間と自然の共存…
’太古より’継承されてきている技術、モノづくりを工芸とよぶのであろうに、わざとらしく(あざとく)持続可能性という用語を挟み込む。持続性や自然、人間は現代のわれわれのみが特権的に思考していることではない。むかしからずっと努めてきているから、今われわれが存在しているのだから。作品が素晴らしいだけに、残念に思う(思いました)。


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