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#005 公務員試験を受験した話

今回は就活の時に公務員試験を受験したお話を書いてみようと思います。
前回の記事で「かろうじて大学合格」した自分と記載したのですが公務員も「かろうじて内定」をいただけました。幸運なことに節目節目では手を差し伸べてくれる人がいたり環境に恵まれたり、すんでのところで願いが叶ってきました。

しかしながら順風満帆とはいかなかった公務員試験を振り返ることで自分を見つめ直しそれを糧に次のステップに進みたいという思いから書くことにしました。

なぜ公務員になろうと思ったのか

元々、安定志向だったことが一番大きな理由でした。また人との関わり合いが得意ではなかっこと、事務系の公務員に対して黙々と一人で進められそうなイメージを持っていたこと、自分には到底、歩合制の職種は無理だと思っていたことなども影響しました。
定時で帰りたい、楽をしたい、周りからの評価が高いところが良いという安直な理由もありました。

引っ込み思案な自分が社会に出てやっていけるのだろうかと子どもの頃から不安でした。親が会社勤めや役所勤めをするという場面を見ていなかったこともあり、そういう大人がすごく全うに見えたりもして自分がその一員として適合できるかすごく不安でもありました。

余談ですが…幼稚園の頃、七夕の短冊に願い事を書くという企画がありました。何になりたいかを書くというテーマだった気がしますが…社会に出て働ける自信がない自分にとっては、特になりたい職業が思い浮かばず、憂鬱な時間でした。あまりにも書くことができず先生にせっつかれるほどでした。もう周りはほとんど書き終わって遊んでいるのに自分だけ取り残されていました。
悩んだ末に書いた願い事が「お嫁さんになりたい」でした。当時、母が専業主婦をしていたので自分にもお家のことだったらできるかもしれないと思ったからでした。そして自分の短冊を飾ってるときに他の子たちがどんなことを書いてるのかなと思って見たら「セーラームーンになりたい」などで、そういう発想があったのか…真面目に考えすぎていたと子どもながらに思いました。(笑)

そのくらい子どもの頃から夢がなく現実的で、また高校を卒業するまで田舎の小さな世界の中で過ごしていたので視野も狭かったです。自分の狭い世界の中で実際に見たり、イメージできる職業の中から「何となく知っている」くらいの認識で自分の希望に合っていそうな職業が公務員だと思っていました。

とはいえ、当時、人気で倍率が高く難関である公務員になることは夢のまた夢だという思いでもいました。
現実的な選択肢として視野に入れるようになったのは高校生の時に行った大学のオープンキャンパスです。そこで卒業生の就職実績を見たり公務員試験対策講座があることを知ったりしたことで、ここに入学すれば自分にも目指せるかもしれないと思った記憶があります。

おかげ様でオープンキャンパスに行った大学に合格でき大学生活を過ごしてましたが、一口に公務員といっても職種は様々で具体的には決められないままでした。 
そんな日々でしたが、大学生活を送る中で少しずつ大学職員として働いてみたいという気持ちが芽生えてきました。前回の記事にも記載したのですが、自分がお金に困っていた時に授業料免除や返還不要の奨学金を頂けることになって助けられたという感謝の思いと今度は自分が働いて困っている学生のサポートをする側になりたいという気持ち、実際に事務職員さんと接する機会がある中で良い印象を持ったことがきっかけでした。

受験勉強のこと

有難いことに日本学生支援機構の第一種奨学金と併せ大学3年生からは返還不要の奨学金月3万円を頂いていたので、それなりに受験勉強の時間を確保できました。
また、ゼミでは公務員試験受験~内定と進んだ先輩が多くそのお話を聞くことができ恵まれた環境でした。ゼミでの飲み会の時も自分の選択が尊重される雰囲気でした。ちなみに大学3年生の頃は飲み会に参加しても終始ソフトドリンクを飲み、一次会で帰っていました。

受験シーズン到来と自暴自棄

そんな恵まれた環境で勉強していたにも関わらず…初期の試験がてんでダメでした。周りが一次試験に合格していく状況を見ていると自分だけが決まらず置いてきぼりのような心細さや焦りを感じました。布団にもぐって泣いていたこともありました。自暴自棄になっていました。

当時公務員試験の中でも受かりやすいと言われていた試験があり、特にその試験が一次不合格だった時の絶望感はすさまじく、もうどこも受からないのではないだろうかとマイナス思考ですっかり勉強する気も失せていました。
第一志望の大学法人もあっさり一次試験で落ち、もう人生の終わりくらいに沈んでいました。今、考えれば大げさですが当時は本当にそんな状況でした。

一次試験の合格がなく二次試験の面接対策などに進めなかったので周りの人に会う機会もほとんどありませんでしたが、劣等感に苛まれていたのでこんな惨めな自分を誰にも見せたくないと思っていました。まして順調に一次試験に合格し面接対策に進んでいる人たちとは会いたくないと思い、大学に顔を出すこともしていなかったと思います。

弱いところや上手くいっていないところを見せられないという無駄にプライドが高い自分で、こんな自分を見せたくない、誰とも会いたくないと思っていました。自分本位な考えで殻に閉じこもっていました。
一方で、自分と面識がある人には相談できないのに自分の中にとどめ置き一人で抱え込むのは苦しいという気持ちもありました。

SNSでの出会い

そんなとき転機が訪れました。
当時いつも見ていた公務員受験生を応援するブログがあり、その運営をしている公務員試験予備校の講師の方にメッセージを送ったことがきっかけでした。
そのブログには自分の予備校の生徒であっても、そうでない人であっても分け隔てなく公務員受験生「全員」を応援するような言葉が綴られていました。自暴自棄だった私の心にも響く励みになる言葉がありました。

前半がダメでも後半の試験が受かる先輩もいたこと、何かの拍子にうまくいき、それがきっかけで勢いに乗りどんどん合格する受験生のこと、ピーキングを間違わないようにすること、今結果が出ていない人も諦めずしっかり頑張ることなどが綴られていました。

私は自分からメッセージを送るタイプではないのに…すがるような思いで、その先生にメッセージを送りました。この時の行動力は今でも不思議ですがそのくらい本当に誰かに相談したい気持ちでいっぱいだったのだと思います。
そうしたところ本当にありがたいことに、そこの予備校生でもなく直接会ったわけでもない一読者の見ず知らずの私に対して丁寧に返信していただけました。その時は驚きと感謝の気持ちでいっぱいでした。そして、とても気持ちが救われたことを覚えています。
その講師の方に勇気づけられ、次に控えていた地方上級の試験を頑張ってみようという気持ちになりました。そのメッセージがなければ自分なんてやっぱり駄目だと思い、諦めて公務員試験全滅という結果になっていたと思います。

結果

おかげ様で地方上級の一次試験に合格することができました。それを報告すると報告した方々が喜んでくれました。その時になってやっと自分のことを心配してくれていたことに気づき、もっと素直になれていたら良かったなぁと思いました。
そして大学の公務員試験対策講座の先生方が熱心に面接対策や面接カードの添削をしてくださいました。その甲斐あって無事に地元の県庁から内定を頂くこともできました。
ホームページに掲載された最終合格者の受験番号の中に自分の番号があることを確認した瞬間は達成感と解放感に包まれました。と同時にやっと今まで携わってくださった方々への感謝やお礼を伝えられるという気持ちもありました。

ちなみに、例年より大幅に採用人数が増えた年で、例年通りの採用人数だったら絶対に受からなかった下から数えた方が早い順位での内定だったので、そういった面でも本当に恵まれていました。

なぜ公務員になることにこだわったのか

貧困家庭育ちということがかなり影響して、せっかく大学に進学させてもらったからには、社会的評価が高いところへ就職しなければ、親を安心させなければ、という気持ちが人より強かったのかもしれません。
また就職については終身雇用前提で考えていたので、安定している職場で、かつホワイトな職場にしなければという思いもありました。

そして学科から毎年一人しか選ばれない大学独自の返還不要の奨学金を頂いていたことから、それに恥じないような就職先に進むことで大学の就職実績に貢献しなければという気持ちもありました。偶々、同じ奨学金を頂いている先輩が同じゼミに所属していてその先輩が本当に優秀だったこと、就職先が国家公務員だったこともその気持ちに拍車をかけていたように思います。

そもそも優秀な自分でありたい、そう見せたいという無駄なプライドもありました。自分が周りに与えたいイメージに固執していたり、誰からも言われていないのに勝手に周りから求められていると勘違いしていたイメージにとらわれて期待にこたえないと恩返しをしないと、という気持ちも抱えていました。

この経験を通して気付いたこと

弱いところや上手くいっていないところを見せたくなくて勝手に自分で壁を作っていましたが、そんな時でも自分の知らないところで自分のことを気にかけてくれる方々がいました。
必要な時には困っている・落ち込んでいる・助けてほしいと周りに頼ることができる自分になりたいと思いました。ありのままの自分を見せられる強さを持ちたいと思いました。

また公務員試験の初期、上手くいかなった時、結果に一喜一憂して諦めなくて本当に良かったと思いました。最初がダメだから次もダメだと決めつけ、諦めていたら長い受験勉強の努力を無駄にしてしまっていたと思います。最初が上手くいかないからといって自暴自棄にならず、まだ機会が残っている間は最後までやり遂げることが大事だと気付きました。

惨めな自分を見せたくない、自分のことを知っている人には心配をかけたくない、相談したくないという時がありました。その時、偶々ブログで見ていた講師の方に相談することができ、見ず知らずの自分に対して真面目に丁寧に返信していただき本当に心が救われました。打ち明けて良かったと思いました。こんな相談先があったことが本当に心の支えになりました。
おかげ様で自分の場合は良い方向に進みましたが、SNSでの出会いはリスクが伴うことも多いと思います。そんな中でも安心して困っている人の心の支えになれるような相談先・ツールをつくりたいと考えています。

最後に

最後まで読んでくださりありがとうございます。

前回までの記事にスキやコメントをくださった方々、ありがとうございます。

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