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修業時代 / 良い上司・悪い上司

転職する前の会社では、いろいろな経験をさせてもらった。その関係で、上司がコロコロ変わるということも起きた。概ね、良い人(善人)に恵まれたがそうでない人に当たってしまったこともある。

良い上司

大手の自動車部品メーカで生産管理をされていた方。転職してきたのは良いが、部下になった人たちが彼の指示・指導について来られず苦労されていた。その彼が役員にネゴった様で、私が指名されてしまい異動する羽目になった。

もともと、教養があり色々革新的なことをやりたくて転職してきたようで、自由にやらせてもらえた。当時はまだ8ビットのPCで自社製品の製番管理ソフトを開発したり、MRPの手法で機械加工工数の山積予測をしたりとかで、業務改善に貢献しつつ勉強もできて、楽しく仕事をさせてもらった。

業務改善が一段落した頃、その上司が経営陣と衝突して急にやめてしまった。そのあと、CAD導入のプロジェクトが始まって、今度はそっちに異動させられた。

目指すゴールを指示するものの、どうするかは自由にさせてもらえた。専門的な説明をちゃんと理解してくれた。自分の能力を信頼してもらえたのは本当によかった。

悪い上司

当時はCADって何?という時代。社内にプロジェクトをリードできる人材はおらずで、アサインされたのがこいつ。別の新製品開発の担当として転職してきたのだが、CADプロジェクトも担当することになった。旧帝大卒、大手メーカーの開発部門に在籍し、英語はペラペラ。すごい人!というオーラを出していた。

残念ながら、あれしろ、これしろと指示をしているけれど、威張って言う割には結果がともなわずで、この人はハズレだと早々にわかってしまった。ただ、口は達者で、うまくいかない理由を他人のせいにするのは大変上手で、関係部署全部を敵に回してしまう始末。悪党である。

今思うと、CADなんて当時は誰も良く分かっていない時代だし、機械図面をまともに読めず、自社製品の事も知らない人がプロジェクトをリードできる訳がなかったと思う。それなのに、技術的に無理な事を技術に無知な人間にやらせたり、結局できなかった尻ぬぐいをこっちに振ってきたりと、本当に迷惑をこうむった。この人と仕事をするのは無理と分かったので、元々の上司に相談して異動させてもらった。

その後、私は転職していたので顛末は知らないが、この悪党、結局、もともとやるはずだった新製品もこけてしまい、追われるように辞めたそうだ。

上から目線で話をする。上(権力者)とつながっていることを強調する。知ったかぶりをする。自信過剰。自分の失敗は認めない。他人には遠慮がない。自分の思い付きを皆の総意の様に言う。こういう残念な人は、その後、何人か遭遇した。

こういう人をうまくやり過ごせたは、最初の悪党とのバトルで免疫ができたせいではある。

普通の上司

良い・悪いをいうと、普通も言わねばならない。欽ちゃん世代なので。

転職するときの、つまり辞表を出した上司は、本当に良い人だった。誰にたいしても親切で、怒る事もない。ただ、自分的には、上司としては本当につまらない人だった。

自由にやらせてくれたが、理解しているとは思えなかった。確固たる信条がなく、上からの指示には逆らわずで、通常のルーチン以上の事は出来ない人だった。

バブルが弾けた後で給料は減るばかり、仕事はつまらない、異動もさせてくれない、提案は却下される、という事が続いたので転職することにした。当時、もっと活躍の場を作ってくれたら辞めなかったのに、と思わなくもない。






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