過去に書いた小説を纏めていこうかと思う
最近、言葉が出てこなくなってきている。
特に文章を書く時。
言いたいことが定まらず、従ってそこまでの道筋を立てることもままならない(言いたいことが決まらないのだから当たり前である)。
それに拍車がかかり始めていると自覚したのは、こうして文章を書こうと思う時、「何か言いたいけど、言いたいことの断片すら思いつかない」という場面が増えてきたことがきっかけだった。
これまでは、とりあえず心に浮かぶよしなしごとをメモし、いくつかの言葉の断片を吐き出す中で、「結局言いたいことってこれじゃないか」と推定していく作業ができていた。それが特にできなくなっている。
客観的事実を1つ挙げよう。
私は大学2年の終わりごろから、かれこれ10年弱ほど、A6サイズのノートに言葉を書きつける習慣を保持してきた。
学生時分は特に勉強量も今より多かったし(それもまた1つの問題だが)、考える楽しさも強く感じながらのメモだったため、1冊のノートが1か月~3か月程度で埋まり切っていた。
それが半年、9か月と伸びていき、最近では1年半かけてやっと、それも中身を見るとすかすかの、メモを始める手前のちょっとした箇条書きや、PPT作成の構想を練ろうとノートに四角を描いただけで次のページへ遷移しているものまであるような体たらくとなっていた。
この事実から目を背けながら、一方でなんとか言葉を綴る機会を保持しようと考え、そうしたアウトプットができるイベントで発表をしてみたり、小説企画に参加したりと、自分なりに工夫してきたと思っていた。
それでも私から言葉は失われつつある。
ふう。
ほら、それで何が言いたいんだかもう忘れている。
タイトルを確認すれば、こんな話がしたいわけではないことは一目瞭然である。
そうそう、私は自分に言葉を取り戻すためにも、「小説が書きたい」のだ。その手始めに、今まで書いてきた小説をこのnoteでまとめようと企てている。その宣言がしたくてここで文章を書き始めたのではなかったか。
こんなことを企てようと思ったのにはいくつか理由がある。
1つめは、自分の文章力の低下をまざまざと感じることがあったからだ。
先日、久々に小説を書く機会と、過去の自分の小説を読み返す機会をほぼ同時に得たのである。
書きあがった小説がなんとも面白くない。自身の過去の経験をもとに簡単に書いてみたものの、これのどこを楽しんで読めばよいのか、書き上げた直後の自分さえわからないといった有様だった。
そして過去の自分の(比較的お気に入りの)小説を読み返すと、そりゃあプロには遠く及ばない稚拙な文章ながら、当時の私の心の叫びがひしひしと伝わってきて、胸がぎゅっと締め付けられた。
対自分比でも、自分の書くものがとにかくつまらなかったのである。
2つめは、先日文学フリマ東京へ足を運んだ際、集まった数多の表現者たちの熱量に触発されたから、というものだ。
自分の書いた文章を人に読まれる。これほどありがたいこともなかなかないわけだが、彼らはその機会を得ようと必死に、そして楽しそうに自らの文章を売り出していた。その熱気にやられて(と言い訳させていただきたい)、ついいくつもの本を買ってしまった。
その本を後程読んでみると、そこには(仮にフィクションであっても)自らの描きたいもの、抱えている葛藤や、表現を続けることへのこだわり等が強く感じられて、これまた心を打たれた。
何か書きたいという思いしかなく、具体的な内容が定まらないまま考えることを放棄して日々を無為に過ごすだけの無思考おじさんと堕している私は、この熱意に心を刺されてしまったのである。
こんな中で、改めて自分も書こうと、心に決意をした、と言いたいところだが、私に巣くう病はそこまで簡単に治りそうもないように思える。
これまでだって、特に小説を書くという時には、書きたいことがなかなか定まらずにうだうだしつつ、期限ぎりぎりになって焦ってなんとかするということが多かった身だ(なんとかなってないこともままあった)。
まずは自分の過去をここに集積する中で、当時の思いや執筆時の高揚感を思い起こし、少しずつでも書きたいことや書くべきことを見定めていく必要があるのではないかと思っている。
そんなきっかけで、今回過去に書いたものを少しずつ読み返しながらここに公開していこうと思う。
もちろん、文学フリマに出店した際に書き下ろしたようなものは、noteに公開することはできない。
また、権利者の関係上、一部のみを公開して有料設定するというわけにもいかない。
ただその限りではないもの、つまりすでにどこかに公開されているものについては、ここに少しずつ再掲していこうと思う。
そういえば、過去に似たような試みをしていた。
「自分の短編を読み返す」というマガジンだ。ちょうどいい、これを再編集してやろう。
なお、ほんの試みに、この文章たちにはお布施ができるように工夫してみようと思う。
有料設定にはするものの、無料で全文が閲覧でき、有料課金すると追加で0文字読めます、という設定を行うのだ。
とある方がこれをやっていて、なるほど面白いことをしていると思い、真似させていただくことにした。
一口500円。
書かれた文章が良いなと思ったら、
あるいは私を応援してくれる稀有な方がいたら、
ぽちといただけるとありがたい。
私が楽しくビールを飲む資金とさせていただく予定だ。
さて、この習慣もいつまで続くか。
余りハイペースで行うつもりはないが、少しでもアウトプットの習慣づけにできることを祈る。
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