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夕方

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夕方のお話です。 日が暮れていく色、一日が終わってしまう時間に、切なさや人恋しさを感じ、自分の想いに気付くようです。
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2020年7月の記事一覧

溶けていく気がする

溶けていく気がする

 両親はとっても仲良し。週末は二人でいろんな所へ出かける。泊まりに行くことだって、しょっちゅうある。

 そうしたら、私たち姉妹の天下だ。何をしても怒られない。勉強をしなくても、お風呂で歌っても、夜にアイスを食べても、ソファの上で寝転んでも、絶対怒られない。

 昼間の十一時に行ってらっしゃいをして、私たちは二人でソファでごろごろしていた。今日は、私も部活がお休みだし、お姉ちゃんも何にも予定がない

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西日さす本棚

西日さす本棚

 色とりどりの表紙が好きなのでブックカバーは好まないのだけれども、僕は物を優しく扱うことが苦手だから本当はカバーをつけてもらったほうがいいのかもしれない。文庫ならまだ小さいからそんなに汚すこともないが、ハードカバーは質感もそれぞれで、せっかくの綺麗な藍色がいつの間にか剥げてしまったりしている。

 表紙が気に入って買った、初めての作家さんのあらすじも知らない本が、電車で持って帰る途中に傷ついていた

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砂のスパンコール

砂のスパンコール

 「なんか、汚い」

「えっ」

ぎょっとした顔をして、春樹が振り向いた。

「ああ、そうじゃなくて、空」

黄土色の雲と、灰色の空。滲み出した黄色が空を汚している。

「こんな色、初めて見た」

赤みのない夕方の空。よく小学生のときに着ていた灰色と黄色のしましま模様のTシャツにそっくりで、なんだか嫌な気分だった。帰り道に横断している用水路の真ん中で、西を向いて二人、立ち止まる。

「普通に、綺麗

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手の届く場所

手の届く場所

 朝焼けみたいな夕陽に騙されて、胸が張り裂けそうなくらいに、とろんと染まった空気を吸い込んでみる。喉の奥でつっかえた酸素が、ずきんと痛む心臓を優しく揺らした。もう限界だ、と思ったら最後、湿気を含んだ大きな吐息は白く高くのぼり、と同時に溢れ出した夕陽色の水滴が頬を伝いコンクリートへ染み出していった。

 泣いたっていいだろ。なあ、いいよな。心の中で呟いても、東雲色の夕焼け空に浮かぶ陰りを帯びた大きな

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