日常|X100F
かれこれ3年の付き合いになる
初めて買ったカメラがこのX100F、コンパクトデジタルカメラという括りの中で、その範疇に似合わない外観と性能を宿した、FUJIFILMの人気機種である
一つ難点を言うと、開放F値である絞り値2の描写が、甘くて解像度がそれほど良いわけではない、故に、現代レンズのような開放からピント面がシャープなレンズのつもりで使うと、痛い目に遭ってしまう
否、その描写が受けつけなければ絞ればいい話なのだが、開放で使いたいと願うユーザーは多い、しかしながらこの描写、レンズが刷新された後継機であるX100Vからは、開放からキレが増し、使いやすさが大幅にアップしたのである
このレンズの変更が、このX100Fの価値を高めたといってもいいだろう、この描写に心奪われ、この描写でしか得られない写真を愛する人々がいる、かくいう僕も、初めは苦手であったこの描写が、段々と癖になり、その癖がX100Fの個性だと気付いたのは、写真(写真それ自体)が撮れるようになってからである
オールドレンズのような描写と言えることもないけれど、もしかするならば(手持ちのオールドレンズと比較しても)、X100Fの解放の描写は、また違った光学的なある意味での欠点はあるのではないだろうか
レンズの事に関して詳しくない為、光学的な事は何も語れないけれど、ただその欠点が、見方を変えれば個性に繋がる、このX100Fはそれを学ばせてくれたと言ってもいい
そして、フルサイズ換算35mmという画角がまた曲者で、この広角でも望遠でもない(広角側ではあるけれど)普遍的で少し俯瞰的な画角が、扱いに苦労する
望遠であれば、主題をしっかり定める必要にある分、写真の何を伝えれば良いかの選定がし易いし、広角であれば、使う場面を風景などに限定するならば、これほど頼れるものはない、35mmというそのどちらでもない凡庸性と、このレンズの描写の扱いに悩むユーザーは多いと感じる
僕もその一人であったし、初めからX-Pro3(X100F購入の1年後に、XF35mmF1.4と共に購入)を使った方が、自分自身の写真が上手いと錯覚する頻度は、X100Fのそれよりも確実に多いと思う
でもそれでもX100Fを投げなかったのは、このカメラを使いこなしにくい分、使いこなしてやろうという僕の意地でもあった
結果的に、このカメラを使い続けてわかったのは「どこまでも日常に寄り添ってくれるカメラ」という事である
この画角とコンパクトな携帯性とクラシカルで惚れ惚れするデザイン、それらが絶妙に相まってこのカメラはユーザーの日常に溶け込んでいく、それに気づいたのは約2年後であった
自分自身の手に馴染み、気軽にスナップできるカメラとして、今でも何気ない普遍的な日常を切り取ってくれる、そんなX100Fを心から愛している
したらば!!!!
いわゆる、駄文