「冷たい雨」 と 「瀬戸のかきめし」
出張先のホテルにて。
湯船に湯を溜めるべく、レバーをひねると冷たい雨が降ってきた。肩に張り付くワイシャツ。いく筋もの水滴が背中を伝う。寒い。見上げると銀色の円盤。細かな穴が空いている。レバーを元の位置に戻す。雨が止む。
なんなんだこれは。罠か。誰がこんな雨みたいなシャワーを喜んで使うっていうんだ。怒りを抑えながら、もう一度よく観察してみると何やらレバーの根本に「しめじ」のような銀色のコックが生えている。なるほど。これで水が出る先を切り替えられるというわけだ。
しめじを引っ張ると「カコッ」という音が立つ。何かが切り替わった気配だ。やれやれ。これでようやく湯船にお湯が溜められる。レバーをぐいとひねると、冷たい雨が降ってきた。
レバーを元の位置に戻す。雨が止んだ。
こんどは笑えてきた。
「くっくっく。やってくれるなあ、しめじ君よ」
雨を降らすタイプのシャワーを、
世の中では「レインシャワー」と呼ぶらしい。
さて、与太話もほどほどに。
トップの写真は広島駅の駅弁「瀬戸のかきめし」です。牡蠣飯の上に牡蠣醤油で味付けした海苔。更には炙った牡蠣と煮牡蠣がごろごろと横たわっているという、まさに牡蠣づくしの贅沢弁当。
大粒の牡蠣はちっとも縮こまっておらず、張りのあるみずみずしい歯応えを残している。牡蠣の旨みを凝縮した牡蠣飯は一粒一粒から牡蠣の旨みを滲ませ、海苔が磯の香りが爽やかに流れていく。
こんなに牡蠣を満喫できる弁当は全国にも類を見ないのではないだろうか。私的駅弁ランキング5指に入る出来栄え。星3つです。
お見かけになりましたら、ぜひお試しいただきたい逸品。酒のアテにもバッチリです。
きょうもお読みいただきまして、
ありがとうございます。
それでは、また明日。