【徹底解剖】\応援していることに意義がある/お布施モード
こんにちは、YNGpot.(ヤングポット)の石垣です!
YNGpot.では「コロナ禍におけるデジタルネイティブ世代の消費・価値観に関する調査」を実施し、そこから「熱中消費(=好きなものに対する消費)」には6つのモード(クラスタ)があるということが分かってきました。
参考:熱中消費には6つのモード(クラスタ)が存在
熱中消費の6つのモードについて解説している本シリーズ、5回目は「お布施モード」について深掘りします。
社会人になってから同性アイドルのファンになり、まさに「お布施モード」の側面をもって熱中している筆者からご紹介します。
応援していることに意義がある“お布施モード
お布施モードは、一言で言えば「応援していることに意義がある」と感じるタイプです。その気持ちは主にアイドル・YouTuber・声優・俳優を中心とする「ヒト」に向けられているケースが多くなっています。
お金で買いたいのは「モノ」ではなく「コト」
お布施モードの根底にあるのは「自分の投資が推しのやる気に繋がってくれるならうれしい!」という気持ち。なんとしてもモノを手に入れたいわけではないので(手に入れたいが手を出せない場合も含む)、ライブ配信上での「投げ銭」という形でお金を投じることも少なくありません。
リアルイベントに行く際も、何十枚もの握手券を確保するというよりかは、2,3枚を大事に握りしめ、「応援してます」「ありがとう」という会話が出来ればまずはOK。
熱中対象に対して使えるお金には限りがあることも理解しているから、熱中対象への強い気持ちはコト消費に向かっていくというわけです。
(筆者自身、国民的女性アイドルグループの大ファンですが、グッズの複数買いや毎回の握手券購入といった消費の仕方はしていません。“推しメン”にメッセージを届けたいモーメントに限りその手段に対してお金を投じています。)
業界や企業ごと”応援””支援”したい
使うお金には限りがあってもその応援対象はビッグに。業界・企業まで含みます。
応援しているヒトやコンテンツはそれ単体で今があるわけではありません。「投げ銭を出来るプラットフォームがあり、所属している事務所・運営組織が後ろにあるので、自分は推しを応援できている」ということを今の人たちは分かっています。
“推し”が掲載されている雑誌があればその雑誌社や担当者の方に対してもGoodJob!と言いたくなるし、写真集を出そうものなら、写真集の情報発信アカウントへ「ありがとう」とコメントをしたくなる。
SNSを通じ企業へも簡単にメッセージを届けることが出来るようになった今だからこそ、熱中対象への熱量がそのままポジティブなコトバに変換され、熱中対象が関わる企業・業界までも応援対象となるわけです。
(筆者も推しを応援してくれている企業・媒体には100いいねの気持ちを込めていいねボタンを押しまくるという行動をついつい起こしてしまいます。また、推しが関わるものは、フリマアプリでも買えることを分かっていながら正規ルートで購入するようにしたりもしています。)
高校生に多い
お布施モードの特徴の1つは、他の世代に比べ高校生が多いということ。
大学生~社会人の出現率は2割前後であった一方、高校生だけが4割を超えました。
これは「使えるお金には限りがあるが、気持ちが大事」というモード特徴が顕著に表れた結果ではないでしょうか。
高校生たちは、金額以外の形でなんらか貢献したい。と考える世代である。ということが伺えますね。
コロナ禍ではささやかな課金を続けた
応援していること自体に意義を感じるモードのため、熱中対象に”触れて”いたい。だから常に新しい情報を仕入れるアンテナの高さがあります。
また、周りに影響されることなく応援できる強さがあるので、自分が気に入った対象であればたとえネガティブな口コミを見つけても関係ない!という考え方をもっています。
以下はお布施モードに浮かぶコロナ禍でのデジタル行動・消費スタンス・収束後に対する考えです。
コロナ禍の行動としては「SNSの閲覧」や「友人とのSNS上での会話が増えた」という声が多数あがってきました。また、リアルの場でお金を投じられる日を待ちわびながら、SNS上で情報をキャッチし、課金を続けました。
これからのお布施モード
彼らにとって、熱中対象へ払うお金は「支出」ではありません。あくまでも業界全体を応援したい「気持ち」がお金という形になっただけ。
世の中が落ち着いた暁には、「周りのみんなも一緒に”応援”をしようよ!」
というマインドで新たな熱中対象・お金や時間の投じ方を見せることでしょう。
サービス提供者はこの”応援”のスイッチが入るように仕掛けを作ると、一気にこのモードの人達のアクションを獲得することが出来るのではないかと考えられます。
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