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「物流」というふだん気にしない視点からものを考える


物流はビジネスパーソンにとって必須の知識である、と言われている。ものがどのように運ばれ、ものが保管される倉庫・拠点の場所はどのように決められるのか、それを考える機会は日常では極端に少ない。

商社に勤めて早1年半、僕は「物流」はロジスティクス系の会社にいった友人等にしか関係のない話だと思っていた。A地点からB地点にものを運ぶ、ただそれだけの事だと思っていた。彼らの業務として思いつくものは、モノを運ぶことに加えて、保険を付けてくれたり、通関業務をやってくれたり、息の長い顧客には大きめの割引率を与えてくれたり、それくらいだと思っていた。事実、友人は空港でサクランボの検査をしていたり、フォワーダー会社で見積作成をしていたりと、企業というものは業務を小分けにして社員に振り分けるため、実際働いている社員も、それから外部の人間も、物流が何をしているのかなかなか想像しにくいのではないか、と考えるようになった。

そんな中、外部の人間 (=商社) でも物流の知識を持つことは非常に重要だと感じる機会が増えた。7-8月頃、僕は延納案件 (いわゆる事故案件) を引き継いでしまったのだが、そうなると一日でも早くモノを顧客のもとに納める必要がある。どの会社で運んでもらい、どの業者・車両が信頼できるか吟味し、モノが分納になる場合は、コストがどのくらいになるか考える必要がある。

「物流」を日常のキーワードにすることは、自分の成長に繋がると確信した。すぐに図書館に向かい、物流の本やマーケティングの本を借りてみることにした。

そういえば、かつてマクドナルドが週3回の納品を週5日に変更するという記事が出ていた。物流思考だけで考えると、納品回数を増やした分配送コストが上がってしまうと考えられる。が、納品を小分けにしたことで、店舗内の冷蔵庫のスペースを減らすことができ、結果的に席数を増やすことができた。そうなるとピークタイムの売上を増やすことができるため、そのコスト増分を回収することができるという理由だったそうだ。(『物流がわかる<第2版>』日経文庫 参照)

"日本マクドナルドでは現在、サプライチェーンにおける全体最適化の実現を目指し、「JLOTF(Japan Logistics Of The Future)」と称する戦略を進めている。取り組みの柱となるのは、「店舗利便性の向上」と「サプライチェーンマネジメント全体の生産性向上」、「外部知見の最大活用」で、これらを通して「安定供給・品質・安全」のさらなる確立を図る。"(https://diamond.jp/articles/-/210077?page=2)

小さなトピックスかもしれないが、こういう視点が店舗経営にも、そして僕たちの身近な部分にも必要で、その視点がいつか何等かの形で僕らを助けてくれるかもしれない。



外資系専門商社でBtoB, BtoG営業をしています。さまざまな社会問題や身の回りに起きた出来事を発信しています。「新しいモノ・コトで人々の生活を豊かにする」