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NBAのスタッツ推移を色々グラフ化してみたを2022年末にアップデートしてみた

2年前に「NBAのスタッツ推移を色々グラフ化してみた」という記事を書きました。

あれから2年、NBAのスタッツ推移にどんな変化があったのか、気になったので再びデータとグラフをアップデートしてみました。前回の記事を踏まえた内容ですので、こちらもご一読頂けると嬉しいです。
https://note.com/yndr87/n/n3c4f0884dbb2

使用するデータ

前回と同じくBasketball ReferenceからExcelをダウンロードして、PowerBIでグラフ化してます。12/2時点のデータです。
https://www.basketball-reference.com/leagues/NBA_stats_per_game.html

対象とするシーズンは3Pルールが導入された1979-80シーズン以降。前回記事は2019-20シーズン途中で執筆したので、19-20シーズン以降がデータ更新対象です。更新が入った部分にはグラフ上赤枠でハイライトしてます。

平均得点

19-20→20-21シーズンと史上最高値を更新し、21-22シーズンで一度下落するも、22-23シーズンは再び史上最高を更新しそうな勢いです。まだ今シーズンは半分以上残っているので、どうなるかは分かりませんが、ハイスコアのトレンドはまだ続いていると見て良さそうです。

Pace

こちらは19-20シーズンをピークに2シーズン下落し、今季は再び盛り返してきました。

オフェンスのペースを上げて、ディフェンスが整い切る前に攻めるのが有効、ということで2011-12シーズン以降上がり続けていたPaceですが、上げ続けるにも限界があったということでしょうか。オフェンスの効率を上げるには効果的でも、選手の負荷は確実に上がるので、どこかで頭打ちになっても不思議ではないですね。

ちなみに、19-20シーズンはシーズン途中にコロナでの中断があり、中断後のシーズンはバブル(隔離施設)での集中開催。20-21、21-22シーズンもコロナの影響で選手欠場や試合中止・延期も多かった記憶なので、ペースを上げるのは選手のコンディション的に難しかったという事情もあるかもしれません。

19-20シーズンのバブル開催は、選手にとってメンタル的には大変だったことと推察されますが、移動はなかったので、身体的な負担は減り、最高値を出せたということかもしれません。移動がない分、日程は詰めていたので、本当に負担が減っていたかは選手に聞くしかないですが…。

3P試投割合

全シュート(2P&3Pシュート)に占める3Pシュートの割合は右肩上がりが続いてますが、今季はちょっとだけ下がりました。これが頭打ちなのか、シーズン終了時にはやはり上がってるのか気になるところです。

もはや、シュートの4割が3Pシュートです。すごい時代です。Bリーグも同じく4割くらいなので、世界的なトレンドですね。

前回の記事でも載せた3P成功率も併せてプロットしたグラフです。3P成功率は相変わらず大きな変動はないようです。やはり、成功率以上に3Pシュートでディフェンスを外に引き出し、インサイドを効率的にアタックすることが重要、という考え方は変わらずですね。

eFG%(Effective Field Goal %)

3P成功数を1.5倍にして計算するシュート成功率、eFG%は近年右肩上がりを続け、20-21シーズンで最高値を叩き出し、21-22シーズンで下降するも、今季再び上昇、といった経過です。

21-22シーズンにはルール変更があり、シューティングファウルをもらうためにシューターが故意にディフェンスに当たりにいくようなプレーはファウルが吹かれなくなりました(過度にやるとオフェンスファウル扱い)。
https://basketballking.jp/news/world/nba/20210813/332637.html

オフェンス側に不利に働くルール変更だったので、これが多少なりeFG%に影響した可能性があるかもしれません。また、ボールのメーカー変更でシューターが対応に苦労したという話もありましたね。

また、今シーズンはトランジション・テイクファウルが導入され、速攻を止める目的でのファウルが厳罰化されています。今までならファウルで止めていたようなケースが、今季はファウルなしで速攻ダンク・レイアップにいけるようになったため、eFG%的にはプラスに働きそうです(そこまで大きなインパクトがあるかは微妙ですが…)

こちらはeFG%と一緒に3P成功率と2P成功率もプロットしたグラフです。eFG%の推移はかなり2P成功率の推移と同期していますね。3Pラインの短縮で一時的に3P成功率が跳ね上がった95年付近では、2Pが下がっても3Pが上がり、3P上昇分でeFG%を押し上げていました。この期間だけが例外です。

このグラフを見ても、やはり3P多投の真の目的はインサイドでの効率的な得点にあると言えそうです。

ORB%(オフェンスリバウンド獲得率)

ああ

前回の記事ではオフェンスリバウンド獲得率は減少傾向と書きましたが、ここ最近はかなり揺り戻しが来ているようです。2010年頃からPaceと反比例するように下がっていたORB%ですが、ここに来て上がっているのは面白いですね。

相手の速攻を防ぐために、オフェンスリバウンドを捨ててディフェンスに戻るという戦略もありますが、オフェンスリバウンド後のセカンドチャンスは通常よりも高確率でシュートを決めるチャンスでもあるため、両者を天秤にかけてオフェンスリバウンドを選択するチームが増えているのかも知れませんね。

TOV%(ターンオーバー率)

今シーズンがやけに高いですね。今季はトラベリング、ダブルドリブルをかなり厳しく取っているように見えるので、その影響もあるのでしょうか?トラベリングコールはちょっとした論争になったりしています。

FTR(フリースロー獲得率)

フリースロー獲得率も今季かなり上がっています。インサイドアタック→ファウルドローンが増えているという感じでしょうか。2P成功率は下図の通りです。近年右肩上がりで、今季は史上最高値を叩き出しそうな勢いです。

ORTG(オフェンスレーティング)

最後にオフェンスレーティングです。20-21シーズンで史上最高を更新。21-22シーズンでついに頭打ちかと思いきや、今季は再び史上最高級です。ここまでオフェンスレーティングに影響する4 Factorsも見てきましたが、今季の傾向としては

  1. eFG%:上昇

  2. ORB%:上昇

  3. TOV%:上昇(オフェンス的にはマイナス)

  4. FTR:上昇

となっており、シュート成功率・オフェンスリバウンド・フリースローのプラス分がターンオーバー増加によるマイナス分を補って余りある、といった状況です。オフェンス全盛は一体どこで終わりを見せるのでしょうか。

終わりに

前回程掘り下げて考えられていない気がするので、「今季◯◯が増えてるのはこういう理由じゃないか」、「◯◯な傾向が出てるのはなんでなんだろう?」等などコメントを頂けると嬉しいです。

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