ミシュランへの道 やきとりや人生19

Oさんと弟の溝はさらに深まり、もはや修正不可能だった。Oさんは幼い頃の話をした。いつも人気の的であったOさんは、兄弟の自慢の兄だった。


地元スーパーのモデルになったことがある。当時、弟はそのモデルになった兄の広告を友人たちに見せびらかしたという。


それだけ昔から仲が良かった。トラブルやけんかや一切なく、ごく普通の仲の良い兄弟として一つ屋根の下暮らしていた。


時とともにお互いの生活になり、離れ離れに生活していると、いいことも悪いことも、誰かの責任にしたがるものだ。

弟はバツイチだった。2人の子がいる。長男は公務員の警察官、次男は、精神を病んだ引きこもりがいる。

○さんは、弟に問いただした。
「父をなぜそんなに憎み、なぜ父にDVをやって本家を追い出したのか?」


すると
「離婚の原因はオヤジにある、オヤジが嫁に小言を言うから、それがイヤになって家を出て行った」という。
そこで甥に聞いてみた
「なあ?お爺さんはお母さんにつらく当たっていたのか?」聞くと、
「そんなことはない」と言う。



じゃあウソをついているのか?思い込みとウソをついていた。思い込みだけで積年の恨みを父を全否定し、暴力をふるっていた。


それも危うく〇人事件になるくらいの酷い暴力をやっていた。同居していた頃、食事は父だけ別に取っていた。これがリアル現実だった。


弟は料理が好きだった。大量に料理を作るのが趣味で?よく食べきれないくらい作っていた。あまったものは、妹に電話をして取りに来させたそうだ。


なんでも、漫画おいしんぼに凝っていたらしい。しかし父には一切渡さない。これだけは徹底していた。


父は家族が寝静まる頃を見て、冷蔵を開けて自分一人で食事をしていた。それを見て見ぬふりを決めていた母がいる。


これ以上ここにいたら、本当に新聞沙汰の事件になると思い、別の所に部屋を借りることにした。


Oさんの生活環境はそんなわけで、毎日が実家の事と、お店のことで頭がいっぱいだった。さらに追い打ちをかけるように、持病との闘いもあった。


つづく

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