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ワーホリ先で3週間ニート中の話

僕は今、ワーキングホリデーを利用して4月中旬からカナダに滞在している。日本人母と日本語を話せない高校生男子の2人暮らしの家にシェアハウスをさせてもらっている。とても気さくな人たちで良いところに巡り合ったと満足している。
でも、僕はその家でほとんどニートのような生活を3週間程度している。

到着〜1週間程度

僕がその住まいに到着したのは夕方だった。
日本から掲示板を利用して先に住まいを確定させていたため空港から直接向かうことができた。ビデオ通話で顔合わせをしていたのであまり緊張せずスムーズに会話はできた。到着するとすぐに車に乗せてくれて近所の案内をしてくれた。その晩はビールをお母さんと飲みながら15分程度世間話をして僕は就寝した。
翌日はダウンタウンを観光がてらカジノに行ったりした。
翌々日から、僕は仕事探しに取り掛かった。Tim Hortons(カナダの超有名チェーン店のカフェ)やスタバ、ゴルフ場のアルバイトなど、自分が興味のある店で日系でない店を中心に10軒ほどメールでレジュメを送った。が、1軒も返信が来なかった。
僕は、なぜかそこから全く働く気が起きなくなった。普通、ワーホリの仕事探しというのはネットも使うが、自分の足で店舗にレジュメを送るという方が主流なのだが、それをする気が全く起きなくなった。

1週間〜2週間

1週間が経過してから僕は本格的にニートのような生活をしていた。昼まで寝て近くの図書館に行き、コーヒーを飲みながら朝井リョウの「発注いただきました!」を読みながら適当に掲示板を見ながら求人をみる。みたいな生活をしていた。3日に1回くらいダウンタウンに行ったり、激安ゴルフ場に行ってラウンドをしたり、カジノに行ったりしていた。1日1軒くらいだけメールでレジュメを送ってはいた。
ある日、初めてレジュメに返信があった。イエローナイフのオーロラツアーの求人で日本人向けのツアーであった。「Zoomで面談をしよう、日程はいつにしようか」みたいな内容だったがそれに対する返信が返ってこなかった。
また、萎えてしまった。
ある日、バンクーバー島という離島でサーフィンの聖地にあるカフェの求人を見つけて応募した。が、返信が来なかった。僕は離島が好きだったので、どうしてもここで働きたかった。僕は3回くらい件名を変えてメールを送信した。すると、3回目くらいのメールで返信がきた。「Zoomで面談しよう、日程はいつがいい?」という内容だった。僕はタイミングが大事だと思って、受信して5分以内くらいで返事をした。が、返信が来なかった。
かなり萎えた。

3週間〜

僕がフラフラしているからか、居候させてもらっているお母さんが仕事を紹介してくれた。肉体労働の日雇いみたいな内容で倉庫内作業の求人だった。どうやら日本人の友人の息子がそこで働いているらしく、そこならいけるでしょ。と紹介してくれた。僕は、なんとなく面白そうだと思って応募をした。実際に働いている友人の息子も家まで来てくれて仕事の説明をしてくれた。その足で僕は、その子と安全靴を買いに行った。(どうやら勤務初日から安全靴は必要とのこと)
早ければ次の日から仕事があるよ、とのことだったので迷わず買いに行った。その仕事は派遣会社から作業場所がメールで送られてきて、行けるか行けないか返信するみたいなスタイルとのことだった。
が、それも全くその会社から音沙汰はなかった。

自分で店舗を巡る、レジュメ配り

と上述のように僕は、インターネットを介してだけアルバイトに応募し続けている。しかも生意気に日本人レストランや日系スーパーなどは選り好みして応募していない。僕がまだやってないことは自分で履歴書を持って店舗を訪れて「雇ってください!」というやり方だけだった。
僕はどうしてもそのやり方に踏み出せないのだ。多分、自信がないからだと思う。断られると怖がっているからだと思う。でもそれ以上に別にそこまで働くことに焦っているわけではないからだと思う。

時給1万円vs時給17ドル

僕は日本で医師免許を持っていて4月の上旬は医者のアルバイトをして資金を集めていた。時給が高くて僕はびっくりした。初期研修を終えただけの僕が美容の問診をしたりするだけで日給8万とかをもらってた。10日間程度で50万円くらい稼ぐことができた。
カナダの最低賃金は時給17ドル程度らしい。日本の最低賃金のおよそ二倍はある。(その分、物価も高いけど)
正直、僕はこの時給に満足していた。こんな安い給料で働きたくない!とか全く思わなかった。でも、僕は全く働く気が起きないのだ。日本で医者バイトした方が稼げるし!とか全く思わないのだ。(最悪、日本帰っても食いっぱぐれることはないなとは思っているが)

もっと色々なところに行きたい

僕は大学6年生くらいから、初期研修が終わった後は1年間海外に行くと決めていた。理由は、なんとなくだ。なんとなく英語を話せるようになりたいし、なんとなく海外に住んでみたい。といった曖昧な理由だったが、絶対に実現させると決めていた。
初期研修中に付き合っていた彼女とも僕の進路を中心とした理由でフラれた。
でも、僕は1年間はフラフラすると決めていた。
なんとなくワーホリ、なんとなくカナダ。とやり方と場所を決めた。
でもこの3週間1つの都市でフラフラして思った。
「ここの1つの場所に長い間いるの勿体無くない?」
そこでこんな選択肢を考えた。
日本を拠点に1−2週間医者バイトをして1−2週間行きたい国に旅行に行く。
というやり方だ。
僕には行きたい国がある。ドイツ、エジプト、インド、キューバだ。

変なプライド

カナダに行くことを決めた時、友人はみんな面白がってくれて賛成してくれた。カナダに遊びに行くね、と数人の友人が具体的に休みを取って訪れようとしてくれているのだ。
でも、僕は多分みんなが来てくれようと計画している夏から秋にかけてカナダにいないような選択をしようとしている。
僕が、日本を拠点に海外旅行をしようとしていると友人に言ったら何て思われるだろうか。
「あいつ、ホームシックになって逃げたんだ。」「根性なし」などと思われるんじゃないか、と僕は思っている。多分、そんなことはない。みんな「へえー」くらいにしか思わないと思う。でも僕はどうしてもそう思ってしまう。
多分、僕に変なプライドがあるからだと思う。途中で何かをやめることがダサいと思うような価値観を持っているんだと思う。そんな価値観をやめたいと思うし、他の人に強要したことはない。でも、僕が僕自身のことに対してだけその価値観を適用してしまう。
大学時代に部活を辞めようとした後輩を他の周りの部員は途中でやめるのはダサいなど陰で言っていたが僕は全く思わなかった。途中で辞めるという選択をできない僕だからこそ、むしろ羨ましかったしすごいと思った。辞めるという選択は続けるという選択より絶対に難しいと思うし勇気がいると思う。

逃げたわけではない、と自分では思っている

僕は、今のところ5月下旬くらいまではカナダ国内をフラフラして6月に日本に帰って上述のようなスタイルの暮らし方をしようとしている。
でもこれは、逃げたわけではない!と僕は思っている。側から見たら、環境の辛さに負けて帰ってきた!と思われるかもしれない。実際、そうかもしれない。でも、ぼくの心は今、「もっと他のところ行きたい」という気持ちが強いのだ。だから、多分、逃げたわけではない。多分。

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