起業日記vol.2〜政策金融公庫から金を借りるには〜

山崎尚哉

7年働いた阿佐ヶ谷ロフトAを辞めました。(流れは起業日記vol.1に書きました。)最初はフリーランスでいけるかやってみようと思いましたが、試しに、在職中からライターの仕事をしてみたり、映像編集の仕事をしてみたり、自分の打ったイベントが業務委託だといくら収入になるのかを計算してみたところ、生活していくのは難しそうでした。
今やってるイベントの仕事を、自分の箱で始めたらどうだろうかと思いました。
家賃を抑えて、配信をメインにしたらキャパは無限になるし、ギャラもきちんとお支払い出来るのではと。
でも、貯金は全部で20万円くらいしかなく、その額では店は作れません。
なので、銀行から借りることにしました。

銀行の選択肢に上がったのは政策金融公庫の創業融資、杉並区あっせん創業融資の二択です。杉並区あっせんは、リストに入ってる銀行から好きな銀行を選んで、そこに杉並区があっせんの書類を送ってくれるので、融資が受けやすくなるという流れです。金利のいくらかを杉並区が負担してくれるので、銀行にもデメリットがない仕組みとなっております。

政策金融公庫は誰でも申し込みができて、事業開始後、税務申告を二期していない会社や新たに事業を始める個人が借りることができます。

杉並区のあっせんは、杉並区で事業を始めようとする人に貸し出してくれます。

まずは、政策金融公庫を狙うことにしました。政策金融公庫は事業が失敗しても、保証人がいらないため、個人で借金を背負わなくて良いのです。

ネットから来場予約をして話を聞きにいきます。
3000万円まで貸してくれて、倒産させても返さなくて良い。なんてすばらしいんだ。と甘い考えで帰宅し、事業計画書を作ります。

事業計画書は「free」や「マネーフォワード」で簡単に作れます。

とりあえず、限界まで借りたいと思い、1000万円借りるための事業計画書を作りました。機材の見積書も全て超高級な機材を集めて600万円くらいかかる予定にします。

「free」には無料で一回だけ税理士に相談できるサービスがあり、その1時間を使って、政策金融公庫を借りるためのレクチャーを受けます。
税理士に、個人資金が10万円しかないことを伝えると、
「100万円以上用意しないと、おそらく融資は降りないと思いますよ。」
と言われてしまいました。

僕は素人なので、「いや、やってみなきゃわからないでしょ。」という精神で、戦いに挑むことにしました。

また、会社運営についていろいろ教えてもらいました。
従業員を雇って社会保険に入るには「協会けんぽ」に届出を出す。そうすると会社名義の健康保険証が貰える。

自分も会社名義の健康保険証が欲しかったら、役員報酬を設定して届出をした後、「協会けんぽ」に申請する。
こう思うと、自分の会社で一年働いてもらって、従業員をクビにして、失業保険を貰ってもらって、その金で海外旅行とか半年してきてもらって、戻ってきたらまた働いてもらうということも可能だなと思いました。

手続きが色々めんどうそうですが。でもこう言う手続きが1人では無理になってきた時に、税理士と経理の人を雇うんだなと思いました。

やたら委任状、委任状という言葉が飛び交うのも、会社の代表が毎回自分で申請してるわけではないからですね。
とにかく、無料なのをいいことに時間をオーバーしてまで、会社経営の手続きなどを教えてもらいました。

借入には設備資金と運転資金があり、設備資金は物件や、機材などビジネスを始めるために必要な設備を揃えるために借りるお金です。こちらは返済期間が10年など長めに設定されています。

次に運転資金というものがあり、運転資金は給料や、お酒、食べ物など、店などが稼働していくのに必要な資金です。こちらは返済期間が7年程度です。

書類などを用意して、なぜこのお金が必要なのか説明に行きます。
事業計画書と過去の仕事の実績、借入に必要な書類を持って新宿の政策金融公庫に面談に行きます。

設備資金は審査が降りたらすぐ、見積書をもらった会社に直接振り込まなくてはいけません。
設備資金を運転資金として使うことは法律上できないようです。
運転資金を設備資金として使うのもだめなようですが、ここはグレーゾーンもなっているのが事実です。何に使ったかバレませんから。

僕のビジネスは家賃がこのくらいで、このくらいの規模ですと説明すると、「なぜ1000万円」も必要なのかと言われます。「人件費や演者さんへのギャラです!」とすぐ潰れる会社がいいそうなことを言い怪しまれました。

「満額を貸せるかわかりませんが、検討いたします。」

自己資金のことはそこまで突っ込まれずに、少額でも貸してくれそうな空気感になっていたので、安心して銀行を出ました。

いくら貸してくれるんだろうと思って1週間待ったところ政策金融公庫から電話がかかってきました。

「検討させていただいたところ、融資をするのは難しいという結論となりました。」

「そうですか。」

口ではなんともない感じを醸し出しましたが、内心ガックリと来ていました。

「融資が?降りなかった理由はなんですか?」
と聞くと

「自己資金が足りない。それだけですね。」

税理士さんが言った通りでした。

政策金融公庫は、自己資金があるかないかが、非常に重要なものさしになるようです。
あれば貸してくれるし、なければ貸せない。そこを徹底してるようです。借りる額と同額の自己資金がないとむずかしいようです。明らかに金になる木のビジネスモデルを提案できたら別かもですが。それでも最低借入額の1/10はないとだめらしいです。

政策金融公庫が貸してくれなかったので、次は頼みの綱、杉並区のあっせん融資です。

これでだめだったら、就職するかバイトで食いつなくてはならなくなります。

会社は作ってしまったので、最低でも毎年8万円の法人税が取られます。

杉並区のあっせん融資は事業が失敗したら、借金は自分が背負う、背水の陣のような借入です。本当は政策金融公庫で気楽にやりたかったですが、自分でビジネスを始めるというのは、甘えなどがあってはうまくいかないということですかね。

政策金融公庫の創業融資は失敗したら半年は借りられないらしいです。

けつを拭かなくていい、借金をするには自己資金が借金と同額くらい必要!肝に銘じます。

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