自閉症ではなかったらしい

実は中学生の頃、医者に自閉症ですね〜と言われていた。

人の目を見れず、陰気な表情しかできず、酷い猫背で、身なりに構うことも出来ず、からかわれたらその相手に殴り掛かり、オタク気質で、よく忘れ物をした。自閉症っぽいな。

父もこだわりが強く、習慣化した生活を変えるのを嫌い、期限が守れず、車に異常な執着があった。しかし、家族以外にはコミュ強だった。でも絶対自閉症だと思う。同じ靴下以外履くことが出来ないし、言語野の能力が終わっている。

自閉症に遺伝的な要因があるのかはわからないけれど、我々は軽度の自閉症といえるのではないか。親子とは似るものなのだ。

こんな感じだからか中学生のころは学校に馴染めなかった。母親の虐待で声が出なくなった時、心療内科に引きずられて行った。

カウンセリング、診察、知能チェックを行った。自閉症スペクトラムですね〜と言われた。当時の感情はよく覚えてないけど、病気でよかったと思った。

勉強はしなくても遅れはしなかったから、学校には行かなかった。北新地のフリースクールでDSばかりやっていた。

高校も相変わらず不登校で、当時の彼氏の顔を見る以外の楽しみはなかった。もっぱら保健室で寝るか早退するか休むかさぼってイオンに行っていた。

心療内科の先生は虐待から助けてくれるわけでもなく、嫌いな人を殺してくれるわけでもないから、途中で行くのをやめた。合う薬はついに見つからなかった。

1つ前の秋、別の精神科にかかった。藁にもすがる思いだった。めちゃくちゃ大変な診断書が欲しかった。うつですね〜診断書はかかりつけのセンセにもらってくださいね〜と言われた。特に何の成果もなかったけれど、自閉症では無いと言われた。

合理的に生きるための努力が実った!と思った。大学まで失敗したくなかったから、人と関わる努力をしようと模索しながら生活していた。

人の目を見る代わりに顎を見て話すように癖づけた。意識して笑顔を作れるようになった。酷い猫背は少しマシになった。身なりに構うことはいつの間にか趣味になっていた。からかわれることはなくなった。相変わらずオタク気質で、よく忘れ物はした。

接客業を苦もなくこなせたし、少しだけ友達ができた。コミュ強とまではいかないけれど、普通の人間に擬態できるようになっていた。

医者は私の擬態を見破れなかった。多分。

でも、擬態に成功している人間は本当に発達障害なのか?みんなこれくらい努力してやってるんじゃないのか?自閉症の人間は擬態自体が不可能じゃないのか?

自分はハッタショなんだ……と思いながら生きてきたから、急に違いますと言われても困る。免罪符をひとつ失った。弱者カードバトルで弱くなっちゃう。

世の中の自閉症の人、大人になったら誤診が判明することもあるかもしれないから、たまには病院に行ってみよう。

サードオピニオンするべきか。

うーん、世の中気づかないでいた方が良いことって沢山あるよな。私は健常者です!(精神障害者保健福祉手帳持ち)(指定難病罹患)(ADHD)(HDMI)(対戦よろしくお願いします)


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