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雑記|地域活性化

高山に来てから1~2年目くらいは「地域活性化って何だ?何でしなくてはいけないのだ?」みたいなことをよく考えてました。意味がわかってないまま言葉を使うのがなんか嫌で、具体的にしようとしてました。

最近あまり考えなくなったのは、どのようにも言い得る曖昧さを含む言葉であって、定義することはたいして重要で無いと思えたからです。けど、仕事で一度は触れたものなので、少し振り返ろうと思います。

地域活性化。。。教科書的な答え方をすれば、人口が東京に一極集中するのを是正するために、地方に雇用を創出し、人を留めて人口減少に歯止めをかける。そして、地域に活力を生む、まちに賑わいを創出する、経済の循環を生む。。。都市計画の技術士の論述試験ではこんなかんじのことを書きました(試験には落ちたけど)。

けど、自分がまちの中に居て、さっき言った事象を肌で感じるような局面は、少なかったです。むしろ、まちの中からリアルに感じられることとは違和感がありました。

随分後になって、それは、地図の上から(机上で)地域を見て話しているか、まちの中から地域という大きなものをイメージして話しているか、というベクトルの違いかもしれない、という理解をしました。が、とにかく当時は違和感があって、それがどこから来るのかもわからないままでした。

その違和感に対する後付けの解釈ですが、個人の幸せの集積と地域の活性化の間には、歪みがあるように思います。

受け売りも使いながら言葉にすると、日々の生活の中で、自分や自分のまわりの人たち(=個人)には、辛いことや不幸せなことより、楽しいことや幸せなことの方が相対的に多い気がします。もちろん、社会性を保つための義務感に縛られたり、近代的な貧困からくる“不幸せ”もあると思うので一概には言えませんが、少なくとも自分自身は、総じて日々幸せだと感じています。でも、個人の集積であるはずの世の中とか地域には、なんとなく漠然とした不安というか、暗いムードが漂っている。例えば過疎だったり、治安の悪化だったり、ヘイトやレイシズムだったり。最近ではコロナのパンデミック、、、。

そう考えると、個人の幸せの集積は、世の中とか地域の幸せと一致しないんですよね。人口や経済の面から統計的にみると地域は衰退しているけど、そこで暮らしている人は、みんな結構幸せに生きている。

言ってしまえば、当たり前ですよね。例えば、地球温暖化をなんとかしようと思って、誰もが日々生きてるわけでは無いけど、地球温暖化はなんとかしないとみんなヤバい。というような話と同じで、たしかに問題ではあるけれど、誰もがそれに縛られて生きているわけでは無いだけです。そうでなければ、社会はずっと自粛ムードになってしまう。

当たり前のことなんですが、自分は、それをギャップに感じてしまうくらいには、“地域活性化”という言葉を実体験の伴わないところで使っていたのだと思います。

なんなら、この、個人と地域の間にあるギャップに対して予算をつけようと考えたのが地域活性化、もしくは地方創生なんじゃないかと思います。だとすれば、いちいち定義なんてしない方が多くの人にとっては都合がいいのかもしれません。これは、言い過ぎでしょうか。。。?

もちろん、地域や社会をなんとかしたいと思って日々行動してる人を否定したいわけでは無く、その志は本当に尊くて、すごいと思っています。むしろ、自分は仕事上はそれを求められていたのに、上手にできなくて、ある時期に妬み嫉みを込めて言い訳を並べてました。

そこから自分なりの反省というか、次どのようにできれば良いのかを考えながら、まちで何かをして話題になっている人の振る舞いを観察してみました。その人たちは、計画的か結果的かの差異はあるにしても、まちの中で何かを動かしたり、変えたりしています(そうみえます)。

共通項があるとすれば、そういう人ほど、世の中を変えたい!という思いだけでは動いてないと思いました。なんというか、言葉ではそう発信しているとしても、その動機をもっと分解して、自分にとっての具体的な興味に落とし込めている人ほど、素敵だと思うことをやっています。
(これに当てはまらない人ももちろんいます。)

行き当たりばったりでも、何でも楽しく取り組める人のまわりには楽しいことがあふれていて、人が集まってくる。事業でも、創作でも、イベントでもいいですが、大げさな話ではなく、まちの中にそういう人が増えていくことで、活気が出てくると思います。自分の思う地域活性化って、いまの時点ではそういう理解です。

ここ最近で実体験をもって学んだことであって、前の仕事での自分の振る舞いに対する反省でもあります。地域活性化。どうとでも捉えられる言葉なのであれば、それを都合よく言い表して、仕事に利用して、もっと行動しておけばよかったな、と、今になって思います。

前向きに終わりたいので、それ以降は、大きく何かを変えることを動機にする前に、自分が主体的に行動できる楽しいこと、興味ある事を優先するようにしています。なによりもまず、自分が楽しく生きていくために。くらいのわがままさで。。。

何年か先、その考え方に行き詰まりを感じるかもしれませんが、それまでは当面、そのつもりです。



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