国とは人種ではなく、意志。ラグビー日本代表が、日本に芽生えさせた新たな価値観。

今回のラグビーワールドカップを通じて、

ラグビー日本代表は実に多くのことを僕らに教えてくれた。

まず、ラグビーというスポーツの素晴らしさ、楽しさを日本に教えてくれた。

さらに、日本列島が未曾有の台風災害に見舞われ、死傷者が出る中、どんな困難も乗り越えられるという勇気を示すだと、試合を敢行し、ほんとうにそれをやってのけた。

こんなに身震いのする、意志の塊のごとき気高い有言実行を僕は他に知らない。

そして、個々のドラマも去ることながら、回を重ねるごとに、少しずつ僕の胸の奥底を揺さぶったのは、そのキャストの顔ぶれだ。

恐らく、多くの人が、これまでの日本代表の顔ぶれとは異なるぞ、という違和感を少なからず抱いたはずだ。

これほどまでに日本人が少ない日本代表ドラマは、初めて目にしたのではないだろうか？

リーチをはじめ、日本を故郷としない人たちが、身を粉にしながら日本代表として闘い続け、日本に勇気と夢を与え続けた。

理屈を超えた、圧倒的で静かな説得力が、試合のたびに、僕の胸に迫ってきた。

国とは同じ人種ではなく、同じ意思でできているのだと。

言葉にしなくとも、恐らく多くの日本人が初めて

頭ではなく、心でそれを理解したのだろうと。

数々の測り知れない戦績も去ることながら

日本人の価値観の変遷を語る中で、外せない出来事になったように思える。