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実話を元にした映画、オススメ7選


映画を数々観てきた僕ですが、特に好きなジャンルは、歴史上の出来事や、実際に起こった事件など、史実に基づいて作られた作品です。

なぜなら「実際にこれがあったのか。。」と思うと、ただのフィクションよりも何倍も感動を味わえている気がするからです。


ということで今回は、「実話系」が大好きな僕が実際に観て選んだ、オススメ実話映画をご紹介したいと思います!

暑い夏。クーラーの効いた部屋で映画を楽しみたい方は、ぜひとも参考にしてください!



※年号は日本上映年


◎ドリーム(2017)



1960年代初頭、冷戦下におけるソ連との宇宙開発競争真っ只中のアメリカで、NASAを裏で支えた黒人女性たちの物語。

コンピューターが未発達の時代、ロケットの発射などの計算は全て彼女たちの手によって行われていました。
そういった史実を知らなかった僕からすると、このストーリーは昨今の人種差別撤廃の風潮から作られたフィクションだと思っていました。
でも実際に、白人社会、男性社会における差別に彼女たちは立ち向かって、アメリカの国家事業を支えていたのだと知り、その姿に心打たれます。

実力のみで結果をつかみ取ろうとする姿勢が、どんな人にも刺さるのではないでしょうか。

また、差別というテーマなのにも関わらず、どこか重すぎない印象なのは、女性たちのノリがいいから。
軽快な愚痴に変えてガールズトークにするなど、明るく応援するスタンスで見れます。

日頃から組織に抑圧されたり、不満を抱えている方、ぜひ観てください。きっと勇気を貰えます。


◎殺人の追憶(2003)



『パラサイト 半地下の家族』を手掛けたポン・ジュノ監督の出世作。

1980年代後半に韓国で起きた、連続強姦殺人事件をもとに作られた映画で、劇中では被害者の総数は明らかにはされていませんが、実際には10件もの殺人が行われた、非常に残忍な事件。
事件自体は時効を迎えてしまい、未解決事件になってしまうのですが、なんと映画公開から16年後の2019年に、別の事件で収監中の受刑者が真犯人だと特定されるのです。すごい話。

手掛かりを探す中で、光が見えたり消えたりする歯がゆさが何とも言えず、犯人の正体が明らかにならないまま、次々と被害者が現れるスリリングな展開にただただ引き込まれる作品です。

主演のソン・ガンホが、典型的な足を使って捜査する武闘派刑事で、途中で赴任するスマートな若手刑事との対比が効いていてその辺も見やすいです。
ラストも圧巻の作り。ヒリヒリした気持ちを味わいたい方にオススメです。


◎アルゴ(2012)



1979年。イランにあるアメリカ大使館の職員を、現地の反政府勢力が人質に取る事件が勃発。
襲撃の際に逃げ出し、カナダ大使館に匿われた6人の大使館職員を救出するべく立ち上がった、CIA工作員の物語。

彼らを無事に返すべく、工作員のトニー(ベン・アフレック)が思いついた作戦は、偽の映画撮影を行い、そのイランロケに携わるカナダ人スタッフに大使館員を扮装させ、出国させるというもの。
その偽映画のタイトルが「アルゴ」です。

嘘みたいな設定ですが、ホンマの話。
実際にはいくつかプランはあったようですが、職員たちがこの作戦を選んだそうです。

いつバレるかわからないハラハラが終始付きまといます。
特にイランの武装組織が怖すぎて、最後の最後まで緊張の糸が張り詰めっぱなし、体感あっという間の映画。アカデミー作品賞受賞と実績も間違いなしです。
手に汗握りまくりたい方はぜひ。


◎マネーボール(2011)



現在、藤浪晋太郎投手が所属しているメジャーリーグの球団、オークランド・アスレチックスが舞台の映画。
実在したゼネラルマネージャー、ビリー・ビーン(ブラット・ピット)を中心に、統計学を用いた分析方法など、独自の理論で弱小貧乏球団を立て直していく姿が描かれています。

アスレチックスの当時の年俸総額は、1位のヤンキースの1/3という低予算ぶりでしたが、なんと2001年、2002年と2年連続でシーズン100勝を達成するのです。
話自体フィクションでも充分面白いのですが、実際のデータを見るとよりそのすごさが分かります。

「弱小チームが快進撃を成し遂げる」という痛快さと、「かつて失敗した人間の逆転劇」というわかりやすさが、スポーツ好きだけではなく、幅広い人の心をつかみます。

特に人種差別などの社会的なテーマもないので、スポーツ界のサクセスストーリーでスカッと感動したい方にピッタリの作品です。


◎日本で一番悪い奴ら(2016)



日本警察史上、最大の不祥事と呼ばれている「稲葉事件」を題材にした作品。
1990年代、全国的に銃器撲滅が強化されていた中で、北海道警に在籍していた諸星要一(綾野剛)は、拳銃の検挙で実績を上げまくり、スゴ腕の刑事として知られていました。
しかし、それは自ら裏社会とつながり、知り合いのヤクザから入手させるといった自作自演によるもので、どんどん深みにハマっていき、、という物語です。

話がぶっ飛びすぎて、実話と言われても信じられない内容ですが、巨大な組織に翻弄され、結果を追い求めすぎて善と悪の分別がつかなくなる主人公を見て、「正義とは一体何だろう。。」と考えさせられます。

ヘビーな内容ではありますが、要所要所で笑える場面もあるなど、エンターテインメントしても大満足の一本。
一度見たら忘れられない、強烈な問題作です。


◎ミルク(2009)



1970年代のアメリカで、史上初めてゲイである事を公表し、政治家として活動したハーヴェイ・ミルクの半生を描いた物語。

世界を見渡しても、LGBTの権利拡大が進んでいるアメリカですが、当時は同性愛者への差別はごく当たり前のことでした。
そんな中でミルクは、自らゲイの政治家として、同性愛者だけではなく、黒人、アジア人、低所得者、障がい者といったマイノリティーの為に立ち上がり、選挙に何度も挑戦します。

昨今のLGBTをめぐる政府の動きであったり、それに対する国民の様々な意見がありますが、それはひとまず置いといて、この映画の大切なポイントは、勇敢に権利を主張するという事を、ミルクが「初めて」行なったという点だと思います。
自らカミングアウトして戦うという事がミルクの存在意義であって、歴史的にも価値のある行動なのです。

そんなパイオニアの精神に心揺さぶられてほしいと思います。
衝撃のラストも史実に基づいたものなので、感じ方の重みが半端ないです。


◎キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2003)



1960年代のアメリカに実在した、フランク・アバグネイルという稀代の天才詐欺師の自伝小説をもとに作られた作品です。

レオナルド・ディカプリオ演じるフランクは、両親の愛を受け、幸せな家庭に生まれ育った少年でしたが、父親の事業の失敗を機に家庭が崩壊。
「金」に対する執着が人一倍強くなったフランク。
わずか10代にして、パイロットや医師、弁護士などの社会的地位の高い職業になりすまし、同時に小切手の偽装により巨万の富を得て、世界中の銀行をも騙します。

そんな彼を捕まえるべく奔走するのが、トム・ハンクス演じるFBI捜査官のカール。
追いつ追われつの2人の関係は、トムとジェリーや、ルパンと銭形にも見えてきます。
犯罪者のサクセスストーリーの様にも見えますが、フランクのただの犯罪者ではない人間臭さも存分に描かれていて、観る者を惹きつけます。

この作品は、実際に詐欺師として悪行を働いた張本人であり、原作者のフランクが監修に携わっているので、モチーフの域を超えていて非常にリアルです。
それがゆえに、「本当にこんなことがまかり通ったのか!?」と信じられなくなりますが、「真実は小説より奇なり」を体現してくれる名作です。



おわりに


いかがだったしょうか。他にもまだまだ紹介したい映画はありましたが、題材のバランスや兼ね合いを考えて、この7作品を選びました。

また、「実話を基に」のラインも難しく、あらゆる事件の要素を取り入れた上で構成されているものなど、少しオリジナルが入っている作品は省きました。
なので、演出の都合で若干アレンジされている作品もありますが、この7作品はほぼほぼ史実通りの映画です。
それらを踏まえながら、興味のある人は楽しんでほしいと思います。

個人的には、日本映画の実話系を全然観ていないなと思いました。
もしオススメあれば、コメントでぜひ教えてください!


それでは、また!



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