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32歳サッカー好き芸人が振り返る、W杯の思い出。

今年はサッカーW杯の年。皆さんどこで開催されるか知ってますか?

そう、中東のカタールです。
暑すぎるが故に史上初めて冬に開催されます。
その冬でもまだ暑いということで、スタジアムには冷房が完備されているそうです。

いやそこまでせんでも。
とは思いますが、それも今や世界を牛耳るオイルマネーがなせる業。
来月11月から世界中のサッカーファンが熱狂に包まれます。

ということで、今回は僕目線のサッカーW杯の思い出について、書いていこうと思います。


「ゴール」という特別な瞬間を初めて味わった、2002年。


「サッカー顔やな」

と昔からよく言われますが、僕は小中高と陸上一筋人間で、球技をやったことがありません。
陸上はもちろん今でも大好きですが、常に一番情報をチェックしているスポーツはサッカーです。
それが顔ににじみ出ているのかもしれません。

未経験ながら、サッカーの魅力にハマるきっかけとなったのは、小6の時に開催された2002年の日韓W杯と、同時期に友達と熱中したTVゲーム「ウイニングイレブン6」(ゴン中山選手がパッケージのやつ)です。

W杯の話に移る前に「ウイイレ」の話を。
ウイイレは僕ら世代のおうち遊びのバイブル。
PS2本体にはほぼウイイレしか入っていませんでした。
世界各国の強豪チームを使い、友達と対戦するのも楽しかったですが、家で一人でオリジナルチームを作ってリーグ戦を戦わせる一人遊びも懐かしい思い出。
選手を移籍させたりしてチームを強くするマスターリーグモードではなく、エディットで作った変な見た目と名前の選手を、普通のリーグモードで戦わせ、試合結果を毎回ノートにつけていました。

今思えば気持ち悪いですね。これを高校生くらいまで続けるのですから。
覚えている選手は、長身FWの常呂常時(ところじょーじ)と韓国人MF金乳毛(キムチチゲ)とかですかね。我ながら秀逸です。


日韓W杯の時は小学6年生。
画面の向こう側にいる大量の金髪の男たち(赤い人もいました)がめちゃくちゃかっこよかった。

初戦ベルギー戦の、鈴木隆行選手の先制ゴールからの雄たけび。
子供ながらに感じた、「ゴール」という、会場を、世の中を、一瞬にして熱狂の渦に連れて行ってくれる特別な瞬間。
あの鈴木選手のつま先のおかげで、サッカーが大好きになったという人は少なくないと思います。
ベルギー戦の熱闘のイメージなのか、個人的に、その時着ていた白のアウェイユニフォームが、ホームの青より好きでした。
この頃のシュッとしたフォントも良いですよね。

鈴木選手のゴール。


続くロシア戦。
稲本潤一選手の大会2点目のゴール。
「稲本ってめっちゃ点取る選手やねんなあ。」
とその時は思っていましたが、実は守備的MFの稲本選手。
代表通算82試合中5点しか取っていません。
あれは珍しいことだったのです。

チュニジア戦では、中田英寿選手が口から流血しながらヘディングでゴールしたのも印象的でした。
後にも先にも、これがヒデのW杯での唯一のゴールです。

決勝トーナメントのトルコ戦は0-1で敗北。
史上初の勝ち点を挙げたW杯はベスト16で終幕しました。
先に言っておきます。その後の大会でもそうですが、負けた試合、良くなかった大会は記憶がおぼろげです。記憶から消してしまいたいですから。


失意の2006年ドイツ、世代交代の2010年南アフリカ。


さあ4年後。2006年ドイツW杯。
英吉は高校1年生になりました。
この時は大会前、強豪ドイツとの親善試合で2-2で引き分けるなど、めちゃくちゃ調子が良くて、「今回絶対いけるやん!」と期待しまくっていたことを覚えています。
高原直泰選手がものすごい良かった。

その期待値を引っさげて第1戦のオーストラリア戦。前半、中村俊輔選手のゴールで1点リードで折り返しますが、最後に悪夢が待っていました。

僕はというと、陸上部の先輩の家で観ていました。1点勝ち越して後半40分くらいまでは、先輩と同期と5人くらいでヘラヘラしていました。

しかし、最後の9分間で3点を取られて負けた日本。
一気に無言になった僕たち。
コーナーフラッグに向かってシャドーボクシングをするFWケーヒル選手に実際殴られているような感覚。
先輩の家は昔ながらの京町家で、足を突っ込んでいた掘りごたつが、底なし沼に感じました。
三都主選手の足が届いていればと、16年たった今でも思います。

2戦目クロアチアとスコアレスドロー。

3戦目ブラジル戦は玉田圭司選手のファインゴールで先制したものの、ブラジルをキレさせ4失点完敗。
試合後のピッチに倒れこむヒデは、この試合を最後に29歳で引退。
はやっ!29歳って今の代表で言うと伊東純也選手とか。
まだまだやん!ヒデえぐいて。生き急ぎすぎ。


悔しい思い出に終わったドイツから4年後。
2010年南アフリカW杯。
英吉大学2年生。

正直この大会が一番思い入れがあります。
大学生という生活的にも割と気楽な立場で、没頭できる環境にあったこと。
そして何より、大会自体がすごく印象的でした。

大会前の不調により、不動のスタメンだった俊輔選手から、その当時ロシアで上り調子だった若手、本田圭佑選手に世代交代。
しかも普段あまりやらないFW1トップ起用。
岡田武史監督指揮の下、急造フォーメーションで臨んだこの大会で、2大会ぶりのベスト16。
どの試合も印象に残っています。

初戦カメルーン戦は、大学の同級生の下宿先で観ました。
そこのマンションは5階と3階に友達がいて、試合前は5階の子の部屋にいて何人かで遊んでいました。
そんな中寝てしまった僕。
目を覚ました瞬間、部屋には僕一人。
もしかしてと思い、3階のもう一人の子の部屋に移動すると、全員がキックオフの瞬間を待っていました。
広めの部屋に移動したというのは分かりますが、放っておくというノリをして、試合を見逃してしまっていたかもしれないと青ざめている僕を見て、ケラケラ笑っている全員。
「マジで友達やめたろかコイツら」と本気で思いました。

初戦は本田選手のゴールで1-0で勝利。
続く2戦目オランダ戦は、地元京都の友達と、京都駅のイオンモールに出来たばかりの映画館でパブリックビューイングで観ました。
0-1で負けてしまったものの、スナイデル選手の躍動感あふれるプレーに魅了されていました。

決勝トーナメント進出を懸けたデンマーク戦。
これも地元の友達と、今度はスポーツバーで観戦しました。
少しずつ大人の階段を上っていますね。
こじんまりとした、個人経営であろうバーで、本田選手と遠藤保仁選手のFK2本に熱狂しました。
間違いなくこの大会はケイスケホンダ時代突入のファンファーレでした。

パラグアイ戦でのPK戦で、惜しくもベスト8の壁に跳ね返された日本。
しかしながら、若い世代の台頭により、次の4年後は確実に脂が乗りきっているだろうと、期待が持てる南アフリカ大会でした。

ちなみにこの当時買ったユニフォームは今でも大切に着ています。
「よだれかけみたい」と揶揄されたデザインではありますが、やっぱり強い代表の時は、思い入れが強まりますよね。

2010年のユニフォーム。ズボンから下は適当です。すみません。


さあ、2014年ブラジルW杯。アジアチャンピオンを経て、また史上最多の海外組を記録したザックジャパン。
結論から言うと、この大会は何にも覚えていません。

大雨の中、初戦コートジボワール戦の本田選手の強烈な先制ゴール。
この時点で僕のこの大会の記憶は止まっています。

いいところがなく、2大会ぶりのグループリーグ敗退。
今思えば、この大会も直前はすごく調子が良かったです。
2013年11月の欧州遠征では、オランダと引き分け、ベルギーに勝利しています。
大会前良いと、本大会悪い。
そのジンクスはカタール大会では果たしてどうか。
この大会当時は芸人1年目の年でした。
しかし、誰と、どこで観たか、全く覚えていません。
一番忘れたいワールドカップでした。


大健闘の2018年ロシアW杯。ベルギーとの歴史的一戦。

最後に振り返るのは2018年ロシア大会。芸歴5年目。

この大会は直前は無茶苦茶でした。
開幕2か月前に、ハリルホジッチ氏から西野朗氏へと急遽の監督交代。
メンバーも若手主体というより実績のある中堅やベテランを起用していました。
平均年齢は28.3歳。

そら、急にバトンを渡されて、日本の命運を任されたら、比較的無難なメンバーを選びたくなる気持ちもわかります。
西野監督もにんげんだもの。

しかしそれが功を奏します。

前回惨敗したコロンビア相手に、相手の一発退場というラッキーはあったものの、香川真司選手のPKと、大迫勇也選手のヘディングで初戦をものにした日本。
先輩とスポーツバーで死ぬほど盛り上がり、喉がつぶれたことを覚えています。
だって正直、前半開始早々に相手一人おらんくなると思わんもん。半端ないって。

何よりこの大会は、乾貴士選手が大活躍でした。
当時30歳。野洲高校時代に全国制覇を成し遂げ、Jリーグ入り。20代前半に海を渡り、ドイツ、スペインと活躍していた彼でしたが、代表での大舞台では目立った活躍はありませんでした。
ですが、滑り込みでメンバー入りしたロシアで2得点。
「ここにきての乾か~!セクシーフットボール!」
と感慨深くなりました。

2戦目セネガル戦はドロー。
本田選手の3大会連続でのゴールで追いつきました。
あまり直前でのパフォーマンスが良くなかった本田選手は途中出場。
それでもやっぱり、最後に日本を救うのは彼なんだと、どこか2009年のWBCでのイチローと重なる部分がありました。

最終ポーランド戦は、0-1で負けたものの、勝ち点、得失点差、得点数、当該成績で並んだセネガルより、イエローカードの数が少ないという「フェアプレーポイント」というレアすぎるケースで、決勝トーナメント進出を決めます。
それを把握していた日本チームは監督の指示の下、無駄に攻めないボール回しを行い、タイムアップを待ちました。
その様子を後輩の家で観ながら、「うん、まあ、これでいい!これでいい!」とみんなで手を叩きながら言い聞かせていました。
同期芸人で京都サンガサポの丸亀じゃんご北村に、複雑な今回のケースを優しく教えてもらったのもいい思い出。

今大会最大、いや、今までのW杯で僕自身最大のハイライトは、決勝トーナメント1回戦のベルギー戦です。
当時FIFAランキング3位。
アザール、ルカク、デブライネら擁する最強世代のベルギー。
そんな相手から、原口元気選手、乾選手の2点で先制するも、その後怒涛の攻撃を受け、後半アディショナルタイムにカウンターを食らい逆転負けを喫してしまいます。
最後の失点にかかった14秒について、当時の選手、関係者が語るNHKスペシャル「ロストフの14秒」というドキュメンタリーが死ぬほど面白かったので、何かしらの方法で是非観てください。

この時は、先輩芸人ダブルアート真べぇさんのお店「こっちこっち」で、芸人大人数で観させてもらいました。
芸人たくさんで観るともちろん盛り上がるので、最後の失点で静かになったときのギャップは途轍もなかったです。
ある一人のそこまでサッカー熱のない先輩が、試合直後呑気にボケてらっしゃったので、
「今ほんまそんなんマジでいらないっすよ」とキレ気味で言ってしまったことを、今でもたまにイジられます。
良くないですね英吉。

真べぇさんのお店で。手をパーしてるのが真べぇさん。



カタールの地で強豪を倒す。がんばれニッポン!

98年フランスW杯を除く、過去5大会を振り返ってきました。
良い思い出もあれば、辛い思い出もあります。

カタール大会の日本のグループリーグの相手は、

11月23日(水)22:00〜ドイツ戦
11月27日(日)19:00〜コスタリカ戦
12月2日(木)4:00〜スペイン戦

※すべて日本時間

となっています。強豪揃いですが、絶対に決勝トーナメント行って欲しいですね。


僕だけではないと思いますが、なぜ人は、こんなにW杯というものに、影響され、魅了されるのか。
それは4年に1回の唯一無二の大会だからでしょう。FIFA加盟国は国連加盟国より多いとされています。サッカーやっていない国って無いんです。
その1番を決める大会です。

そんな最強のスポーツの祭典はもうまもなくです。みんなで熱狂に酔いしれましょう。



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