さかなとたわむる 其の壱

まずは基本をばしっかりと

 陸上でも水中でも、動物に近づくには、「静かに・・・。とにかく静かに・・・。」(静かにを自然にと言い換えてもいいでしょう)が大原則です(もちろんこの限りじゃないのは重々承知しておりますがあくまで基本ってことで)

公園なんかで鳥がいっぱいいても、小さい子供が騒々しくバタバタと近づいていくと、餌付けされているようなものをのぞいて、みんな飛んでいっちゃうでしょ。そこいらへんは魚だって一緒です。

ところが僕らがよく見る光景の中では、なかなかうまくいかないもので、魚と見れば猛ダッシュで近寄って(追っかけて)いったり、早く泳ごうとして必要以上にバタバタしたり、おかげで呼吸も「ゼーハー、ゼーハー」だったり、水の中で自分の体のコントロールがうまくできなければもう完璧(笑)。
経験の浅いダイバーというのは、えてして、騒々しい子供だったりするわけで す。

数多くのお客さんを見ていると、特に初心者に限らず、何故か水の中では突然大暴走する人も少なくないようです。魚に夢中になるのもまあ当然で気持ちもわかるのですが、「うおりゃー!」って泳ぐのはいいとして、そこそこ潜っている割にスムーズにビタッと止まれない人もかなりいますね。

僕達が、小さい生き物を見せようとするときによくあることなのですが、どっとお客さんが近寄ってきて、もつれ合っていたりするのもたまに見かけます。進むことはどんな講習でも教えてくれますけども、勢いのついた体をうまいこと停止させたりする方法はあまり教えてくれませんよね。(やってみるとどうってことナイんですけどね)

魚とお近づきになるためには、まず、うまい人と一緒にたくさん潜って、自由に進む、止まる、曲がるという、考えてみれば、当たり前のダイビング技術をしっかりと磨くことがとても大事だな~と、現地インストラクターの立場としてはそれはそれは強く思ったりするわけです。

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