「DPV。 水中スクーター」 で楽しく安全に遊ぼう!
数年前から模索しておりました、うちのスタイルに即した水中スクーター運用。まあ一般のマニュアル的なものもないわけではないんですが、正直それだけでは物足りない感じも否めず、特にウチの運用においての最適化を考えて、あれやこれやといろんなことを試していました。一応、満を持して(笑)昨シーズンよりレギュラーメニューとして運用しています。
そして、トップウォーターシュノーケリングにも、引率者器材として、状況の許す限り持っていくようにしてます。もともとスクータースノーケリングもシュノーケリングの安全向上の模索の中から派生したものですしね。その安全のための理由は以下のとおりです。
上の写真のはウチのおっきい子たち(笑)で、家族連れや女性の利用なら下の写真のちっこいタイプ。重量半分、パワーもライトな取り回しやすいタイプです。
さて。まずは客観的にDPV(Diver Propulsion Vehicle)水中スクーター使用の特性を考えてみましょう。
まずとにかく楽。体力的な負担がとても少なくて済むということです。
これはもう何物にも代えがたい大きなメリット。疲労というのは実はとても大きなストレスで、時に直接的に事故の原因ともなるものです。スクーターの適切な使用は体力を温存し、疲労によるストレスを最小化してくれるものです。
そして、機動性の向上です。スクーターと言っても陸上の物のように人が追いつけないようなスピードで走り去るようなそんなスピードは出ません。巡行スピードの基本設定は、ちょっとトレーニングを積んだダイバーなら追いつけるような程度です。それでも、そのスピードを維持して進み続けられる。見方を変えれば、(ライトタイプ時)人間一人分の安定した行動力をバックアップとして携行していることになります。
さらに本体のみではちょっと心細さはあるものの、使用時にはプラス浮力の状態になっているので補助的な浮力体として機能します。1キロ未満の浮力では有りますが持っていればからだが沈みにくくなるのは間違いなく、不安の減少、疲労の減少に一役買っています。もともとスクーターのない状態でもスノーケリング参加者にはプラス浮力の設定をさせていただいているので、「より安心」「より安全」への一助というところでしょう。
ちなみにおっきいスクーターは本体だけだと沈んじゃいます。スクータースノーケリング時には浮力体を追加して使用しています。
逆にデメリットを考えていきましょう。
重い。(笑)とにかく、これが第一でしょう。ライトタイプでも約8㎏。上の写真のタイプなら20kg弱。スクーバセットよか重い(笑)。当然取り回しの手軽さにも大きな差が出てきてしまいます。なんてことも有りましてちっちゃいタイプの用意もしているわけですね。
ま、水に入っちゃえば重量についてはさほど関係ないっちゃないんですけど(笑)
とにかくこの重さのおかげで、(特にビーチエントリーにおいては)持ち込める場所、つまりスクーターシュノーケリングができる場所が限定されてしまうということです。逆にエントリーまでのフットワークの良さが身軽に飛び込むトップウォーターシュノーケリングの魅力とも言えるわけですね。
危ない(こともある)。まあ、なにか道具を使えば必ずその特性からの危険性は発生します。絶対安全なんてもんはありえない(笑)で、どう危ないかって云うと、スクリューを回転させて推進力を得るという特性上。スクリューに手を突っ込むとケガをします。そして、紐状のものなんかは巻き込まれます。ということ。まあ、ここいら自転車でもバイクでも、お家の扇風機だって一緒(笑)。
最低限の正しい運用で簡単にクリアできます。スクリューに絶対に手を触れない。です。
そして、この危ないの裏側に「高い機動性」がセットになるわけで要はそのバランスと運用が肝心ってことです。
有効稼働時間に限界がある。まあ、普通に電池(バッテリー)ですからね。
普通に使えば約60分の稼働時間はありますが、使い方によってそれなりに変動があります。そこは保守的なウチのこと。メータなどで残量管理が出来ない特性を鑑みて、ダイビングのエア管理の手法、1/3ルールを使用時間に応用し、実効運転時間を設定。使用中のバッテリーアウトを防ぎ、かつ、万一のバッテリーアウトでもバディが側で支援できる状態を維持します。
さらに言ってしまえば、「ウミガメと泳げます」が目的化されつつある現在の屋久島のスノーケリングはけっこうな距離を泳ぐことも少なくなく、後半戦で息切れしたりもう引っ張ってもらって帰ってくるというのも割と見かけたりします。
その辺を考えれば、もう必要十分お釣りが来るようなバッテリーのスタミナです。
賑やか。うるさいともいいます(笑)。モーターとはいえ、それなりに賑やかです。なもんで稼働中は生物観察にはあまりむかないです。逃げちゃう子だってけっこう居る。追いかけ回せばそりゃ生き物たちにとってそれなりにストレスでしょう。だけどそこはこちらもわきまえてますから、カメとか魚群とか、相手によって見つけたら早めに止まってフィンキックでゆるゆる進むなんてことをすれば案外近くで観察だってできるもん。スクーターだけに原付二輪みたいな移動ツールと思っていただけると一番わかり易いかも。いろいろな作業は止まって降りてからするでしょ?あるいは移動の手段と割り切っちゃう。
そしてメリットがデメリットに化けることも・・・。
いうこと聞かない人たちだと、バラバラに超遠くに行っちゃうことがあったり(笑)
動きが楽ちんで早いもんだからいったんバラけるとリカバリーが大変。
誰が大変って、ぼくが大変。
つきましては、皆様の冷静なご協力をお願いしております。(爆)
新たな装備や運用にはどのような形であれ、プラスマイナスの両面が存在するものです。安全を目的に導入したなにかも、都合の良い解釈だけで思考停止しは危険名状況を誘発するかもしれません。そして逆もまたしかりです。