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だいかい文庫で人とコミュニティをつなぐ、社会的処方を行うリンクワーカーになりませんか?

兵庫県豊岡市の地域おこし協力隊として、「人」と「コミュニティ」をつなぐ、社会的処方を行うコミュニティナース/リンクワーカーを募集します。

▽詳細、条件等はこちらから

▽応募はこちら


健康の社会的決定要因と孤独について

 タバコや食生活など、病気になるのは自己責任だと叫ばれます。ただ、近年のその背景に、貧困や所得格差、教育環境など、多様な環境要因が、寿命に影響していることがわかってきています。健康の社会的決定要因といわれています。特に「孤独」はタバコ15本分に相当する死亡リスクといわれています。旧来の地域コミュニティの希薄化や新型コロナウイルス感染症対策などで、人とつながることが難しくなってきています。ふとしたときに、「ちょっと話せる人がいればいいのにな」と感じる人も多いかもしれません。今、孤独や分断が進む社会を防ぐための取り組みが必要とされています。

社会的処方について

 英国では、社会的処方と呼ばれる医師がコミュニティを処方する取り組みが進められています。日本でも、近年注目を集め、2021年度から政府の骨太の方針に記載され、モデル事業がスタートしています。社会的処方は、医師や看護師が孤立や孤独があると考えた患者さんをリンクワーカーと呼ばれる職種につなぐところから、スタートします。リンクワーカーは、患者さんと共に考え、伴走し、その人にあったコミュニティを紹介します。一般的な支援や当事者団体などだけではなく、地域の囲碁サークル、アート活動など、処方先はさまざまです。時にその地域にないコミュニティを本人たちとともに創ることもあります。地域住民と伴走し、コミュニティと人をつなげるリンクワーカーという新たな職種。兵庫県豊岡市において、リンクワーカーとなるコミュニティナースを今回新たに募集します。

 コミュニティナースとは、職業や資格ではなく、「人とつながり、まちを元気にする」という実践のあり方です。「コミュニティナーシング」という看護の実践からヒントを得たコンセプトです。地域の人の暮らしの身近な存在として、「毎日の嬉しいや楽しい」を一緒につくり、「心と身体の健康と安心」を実現します。その人ならではの専門性を活かしながら、地域の人や異なる専門性を持った人とともに中長期な視点で自由で多様なケアを実践します。実践の中身や方法は、それぞれの形があり、100人100通りの多様な形で社会にひろがり始めています。人と人をつなぎ、地域の人の可能性を広げ、地域に必要な場を共に創っていくコミュニティナースは、まさにリンクワーカーの役割を担うにぴったりのあり方です。

ケアと暮らしの編集社で行うYATAI CAFEの様子。医師や看護師が気軽に健康相談にものる。


豊岡市と活動拠点のだいかい文庫について

 豊岡市は、兵庫県北部にある地方都市です。東京23区と同じ面積に人口が8万人しかいません。徐々に高齢化、過疎化が進行する地方の課題を抱えています。市街地も高齢化が進み、空き店舗も目立ち始めています。スポンジ状に、空き家や空き店舗が増え、地域のつながりも徐々に希薄化する可能性が高まっています。また障害者や慢性疾患を抱えた人たちも気軽いけるようなサードプレイスがあまり多くないのも地方の現実です。

 私たちケアと暮らしの編集社は、何気ない日常の暮らしのなかに「人とのつながり」を醸成できる場として、兵庫県豊岡市にシェア型図書館「だいかい文庫」を作りました。だいかい文庫は、まちの図書館であり、カフェであり、本屋さんであり、自分の心のうちを吐露できる相談所でもあります。行政職員や学生、コミュニティナース、学校の先生、土建屋さんなど、まちに住む住民がお金と本を出し合って、本棚を設置し、交互にお店番をして、運営しています。誰もがふらっと訪れることができ、自分の好きな本を読んだり、薦めたり、お店番をして、たまたま居合わせた人たちと本の話をしたり。一人でいることもできるけれど、人や本の温もりを感じながら過ごすこともできる場所です。

●活動拠点となるだいかい文庫について

 また隔週で「居場所の相談所」という医療福祉職のスタッフがだいかい文庫を訪れた方の悩みやモヤモヤした気持ちの相談に乗る日や、不定期で「YATAI CAFE」という、本と珈琲を屋台に乗せて、まちなかを歩き地域住民との繋がりをつくるアウトリーチのような活動もあります。だいかい文庫というまちに中にある場から、地域のさまざまなコミュニティを紹介したり、紹介されたりするハブのような機能を目指して活動しています。

だいかい文庫の利用の様子。若者から中高年、障害のあるなし問わず多様な人が利用する。

 豊岡市では、竹野南地域にコミュニティナースが1名、まただいかい文庫に集うケアとまちづくりの活動を行う仲間が何人もおり、一人で孤立せず、地域で活動する医療福祉職として、みんなで協働することができます。豊岡市街地の地域住民さん、地域コミュニティ組織等と協働しつつ、だいかい文庫でもお店番しながら、新しいコミュニティや人と出会い、人とコミュニティをつなげていきます。ぜひ私たちと一緒にリンクワーカー/コミュニティナースとして、まちの図書館のスタッフとして、一緒に働きませんか?

ケアと暮らしの編集社のメンバー(2022年6月時)

▽応募は以下のページよりお申し込みください。


こんな人に来てほしい

●ケアとまちづくりの活動・社会的処方に関心がある方
●医療福祉専門職であること(医師、看護師、保健師、臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士など)
※自分自身が医療福祉専門職かどうかわからない場合はお問合せください。


スタッフから一言

ケアと暮らしの編集社メンバーの本田です。だいかい文庫は老若男女様々な人が訪れ、それぞれの時間を過ごせる場所です。自分に合った利用の仕方・関わり方ができます。メンバーとしてとても魅力的であると共に、発展途上で多方面にのびしろがあると日々感じています。だいかい文庫では自分の専門性や興味の向くことを尊重しながら、自分らしく生きていく・その人なりのケアを模索し、実践していくことができます。他職種の方々との連携の中で学びが深まり、新たな可能性にワクワクします。だいかい文庫のような場所は前例があまりなく、自由すぎるのが苦手な人には向いていないかもしれません。でも、新しいケアのあり方や社会的処方を考えるにはぴったりの場所です。ケアがいつの間にか生活に溶け込んでいる、自分が住みたいと思えるまちづくりに関わっていく。そんな未来を豊岡から創っていきませんか?どのような未来が一緒に描けるか、楽しみにしています。
(事務局長/居場所の相談員 本田尚子より)


参考文献

1)Julianna Holt-Luntad et al. Social Relationships and Mortality Risk: A Meta-analytic Review.Plos medicine.2010
2)西智弘.社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法.学芸出版社.2020
3)西智弘.守本陽一.藤岡聡子.ケアとまちづくり、ときどきアート.中外医学社.2020
4)Community nurse company.コミュニティナースになろう.閲覧日2022.6.2.URL< https://community-nurse.jp/cn>

だいかい文庫/ケアと暮らしの編集社との関わり方

 ここまで読んでいただいて、今回はご縁がないけど、今後もだいかい文庫/ケアと暮らしの編集社に関わってみたいと思った方へ。

オーナーになる
 
だいかい文庫では、現在、一箱本棚オーナーを募集しています。本棚については、現在ほぼいっぱいの状況ではありますが、角の本箱はまだいくつか空きがあります。それでもよければ、以下のサイトよりお申し込みいただければ幸いです。

寄付する
 
皆様からの寄付があれば、よりだいかい文庫の活動から発展させ、社会的処方の実現のため、活動できると考えています。遠方で本棚は設置できないけど、僕たちに近いところでだいかい文庫の発展を見届けたいという想いを持っていただいている方と仲間になって、ケアするまちを一緒に作っていければ嬉しいです。よろしくお願いします。

視察する
 本と暮らしのあるところだいかい文庫では、視察対応を受け入れています。1名以上で1人3000円で承っております。運営方法やケアとの接点の作り方、関わり方等を含めて、お話ししておりますので、ご希望の方は日時を明記の上、info@carekura.comまでご連絡ください。

★noteで記事にする他に、Twitterでつぶやいたりしています。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました。読んだ感想をいただけると、嬉しいです。引用リツイートやDM等でご連絡ください。。 サポートについては、YATAI CAFEやだいかい文庫等の地域ケア活動費に使わせていただきます。