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『多様な人材と学ぶ持続可能な地域づくり』SDGs実践講座に参加した話です。

2022年7月~10月の全6回(現地フィールドワーク:2回、オンライン:3回、報告会:1回(参加費無料(実費負担のみ)))の約3か月にわたり、茨城県かすみがうら市で開催された"SDGs実践講座"に参加しました。当研究会の会長と共に参加しました。(余談:ずいぶんと時間が空いてしまいましたが、すぐに書かないとこのようになってしまいます。なんでもそうですが溜めずにすぐに書きましょうね。)

この実践講座を通じて考えた事や感想、そして自分自身の視点や多少なりとも変わった身近な行動等をまとまりのないままに書いてみますね。
実際のプログラム概要や主催者などの情報は以下リンクを参照ください。

<プログラム概要>
7/24(日)10:00~17:00リアル(皮むき間伐ワークショップ・講座
8/11(木)19:00~21:00オンライン
8/28(日)13:00~17:00リアル(現地ヒアリング・意見交換会
9/8(木)19:00~21:00オンライン
9/29(木)19:00~21:00オンライン
10/30(日)13:00~15:00オンライン(全体報告会*)
* 報告会は息子の文化祭と重複してしまったので残念ながら参加できず。
これに加えて、域外事業者・社会人は、かすみがうら市への2回の宿泊をしました。(江口屋さんに宿泊)

プログラム内容の振り返りとSDGsに関する学び

 陽が昇れば活動をはじめ、陽が沈めば活動をやめていた時代は、“自然”というものたいして、それが当たり前のこととして人間が受け入れ、自然に合わせて生きてきたのだと思います。しかしながら、各種の文明が生まれてからは、利便性を追求し、(ある意味)人間側が自然をコントロールしようとするようになったのだと思います。それらのことを通じて、もちろん恩恵をうけることもあるし、それが災いとして跳ね返ってくることもありました。あらゆる事象について、人間は効率性(単位時間当たりの生産量・仕事量を上げること(=現代の効率性という定義になっている))を求めてきたことで、結果として私たち人間の"時間感覚"というものがどんどん短くなってきていると思います。身の回りを振り返ってみると、まさに至る所にあふれています。例えば、24時間営業、即日・翌日配達、四半期決算による市場評価、スマホの新機能、各種商品開発、新規ブランドの登場等など、これらは我々人間が求めてきたことであるけれど、結果としてこれらが持続不可能な社会を作り出してしまっているようです(まさに意図せざる結果と言えます)。

 今回のプログラムの主旨(私の勝手な推測で書きます)は、おそらく上述したような持続不可能な社会を創り出したプロセスを逆に活用して(換言すれば、現在の効率性の定義を見直すことで)、我々の中にある時間感覚を、少しずつ中長期的に置き換えていくことにあると感じました。その一つの実践として木や森の感覚レベルに戻すための"きっかけ"づくりを試みていたのだと思います。

 少なくとも、初日プログラムの“皮むき間伐”は、私にとって神秘的な体験でした。ゴツゴツした木の皮の内部は、人肌のように本当にみずみずしく、やはり木も生きているんだ、ということを強く感じることができましたし、間伐は森全体を守るのに必要ですが、間伐することで1本の木の命を奪うことになります(注:皮む間伐をさせてもらう木を選んだら、御神酒等をお供えしお祈りもします。樹の命や森を守ってこられた方々への感謝等も込めて等もこの講座で学びました)。

皮むき間伐の様子(皮をはぐと人肌のようなみずみずしい表面)

 この木が植えられた時のことや森となり始めたときのことを想像したり、間伐したあとの木や森がどのようになるか等を想像したりすることで自分の中の時間感覚に刺激を与えるきっかけになったと思います。例えば、木や森レベルの時間感覚について考えてみるということで、セッション参加後、試しにプラスチックやペットボトルをできる限り使用しない生活を試みたことがあります。マイボトルを持ち歩いたりしてみますが、プラスチックやペットボトルの使用をゼロにすることはなかなかできない現実に直面します。我々の生活はこれらの非常に便利な資源に相当依存しており、半分にするだけでも容易ではありません。生活水準・食品類の安全衛生レベルを落として結果として自分や家族が持続的な生活ができないという新たな懸念を作り出す可能性もあるので、単なる削減生活も少し違うのだろうと感じました。いずれにしても分かったことはプラスチック類を削減する等、何かを変えるには根本的には生活スタイルや考え方等も見直していく必要があることにも気づきます(そんなこと当たり前だろと思うかもしれませんが、私は今更ながらに痛感したということです)。

「SDGsとは まず、あなたの組織が持続可能であることから。」

「SDGsとは まず、あなたの組織が持続可能であることから。」この言葉は、今回のプログラム主催者(ADS社)のホームぺージに掲載されていたものですが、このメッセージはまさにその通りと感じています。中小企業診断士の活動において、SDGs導入をしようとしている企業の皆さんと接する際には、「SDGs/サスティナブルとは:企業・組織・経営者そして社員の皆さまが、“持続可能である”とは何か、いうことを共に考えるところから。」といつも最初にお話しています。SDGsという現在の名称は、以前はMDGsでしたが、2030年を一旦のターゲットゴールとしている現在のSDGsも、おそらくまたロゴや名称等も変わるでしょう(おそらく国連等では次の準備を始めているのではないでしょうか)。企業経営も持続可能であるために、その主軸部分は、いろいろな流行に惑わされずブレないようにしておくべきだからです。

 SDGsに関する学んだこと。それは、生きていくための判断基準である“時間感覚”をどのように中長期的にしていくのか、「まずは、“自分自身”が“持続可能である”、ということを考えるところから。」、そのために何をするのか、何ができるのか、そしてさらに最終的には従来の行動を新たな行動に変えていくことなのだと思いました(なかなか難しいけれど、まずは、自分の地域にも目を向けるようになりました。地域がサステナブルになっているか、最近は自治会活動等にも都合をつけて参画するようになりました(それだけでも自分自身としては変わったと思っています(多分、歳のせいもある)))。

地域でのSDGsに関わる事業展開について(課題と考察)

 今回のプログラムは、男性・女性・企業経営者・学生・主婦・サラリーマン等など多様な世代・多様な人材が、時間的な制約とお互いのことをよく知らないながらも自由に意見交換しながら、魅力的なアイディアを創出し、一部は具体的なイベントにつながった事例がありました。地域での事業展開実現のポイント(課題)は、その事業にコミット可能な人材・組織・企業の存在の有無だと私は思います。今回のプログラムで私が参画した分科会では、固定概念から外れた大変面白いアイディアが多数生まれましたが、残念ながら何か具体的な内容には結び付きませんでした。やはりポイントは、地域課題に一番関心を強く持っている地元・地域の方々・企業等が、その基盤となる活動に強く結び付いていただけることだと思います。この基盤部分について地域外メンバーや企業が代替するのは非常に困難です。

 地方創生の課題解決の手段として移住政策等を試みている公共団体が多いですが、移住の選択は、0%(移住しない)か100%(移住する)の世界なので人生のライフサイクル意思決定上においてリスク・制約が大きいです。そこで、0%か100%ではなく関わり度合いをグラデーション(濃淡をつける感じ)のように中間的な割合を設けることが一つの解決手段だと思っています。つまり、0%か100%かでなく、その中間の10%でも、20%でもというように地域課題に余力を費やせる人の参加を気軽に促すことです。賛否両論がありますが、ふるさと納税の受け入れ額は2021年度8300億円(前年比2000億円増)となっており、この増加率はすごいと思います。この額はある意味で余力部分(100%は無理だが何%か可能な部分)を持っていて地域に貢献したいという人が潜在的に多いということの顕れだと思います。

 つまり、上述してきた“地元・地域の方々のコミット”と“地域外(潜在的支援者)の支援受け入れる仕組み”の構築が事業展開の推進(両輪)になると思います。今回のプログラムはまさにその本質をとらえたものと思います。地域の事業展開について、地域課題を明確に設定し、何かをしながら支援に参画できるスキーム が必要だと思いました。

謝辞と終わりに

この度は貴重なプログラムに参画させていただきありがとうございました。企画立案に始まり大きな問題や事故等がなく無事に完了できたのも行政の方々、主催者、関係者全員の協力のおかげだと思います。
 今回参加させていただいた“きっかけ”は、私が今年度から所属している埼玉県中小企業診断協会の研究会と、大阪府中小企業診断協会の研究会との“つながり”に始まります。まさに「あの日、あの時…」にあの情報を得ていなければ、本プログラム参加の皆さんと出会えていないので、もともと大切にしていたことですが、今後も可能なかぎり“機会”や“ご縁”は大切しようと再認識しました。今回のプログラムが第1期ということであれば、今後、第2期、第3期と持続な展開につながるとよいと思いました。上手くまとまっていませんが、よく知りたいという方は、このような実践講座に参加してみることをぜひおススメします。

文責:SDGs共創経営研究会 丸山康明
追伸:
本内容は、本講座終了時に提出した参加レポートに一部加筆修正を加えて記載したものになります。全ての内容についての文責は私にあります。内容不備・誤認等ありましたら何卒ご容赦ください。


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