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自閉症の息子に言葉を教える(応用行動分析)
今は中学生になる息子ですが、3歳くらいまでほとんど言葉がわからなかったので、どうやって身につけたか。をお伝えしたいと思います。
誰かのお役に立てれば幸いです。
自閉症で知的障害を持つ息子が当時興味があったのは車輪とじゃがりこ。
くるくる回るタイヤをずーと眺めたり、砂場のすなが指のスキマから流れるのを見てたりとしているときがとても落ち着くようでした。
言葉を伝えようにも、全く人(親)にも、自分の名前にも興味を示さないので、なかなか教えるのが難しいと思っていた中で色々調べ効果がありそうと思ったのがABA(応用行動分析)でした。
1 ABA(応用行動分析)とは
Applied Behaivior Analysis の略で理論的に「行動」を分析し、臨床場面や社会一般のさまざまな問題行動の解決に応用される学問とされています。
子供の発達障害の支援では、このABAに基づいた療育によって正しい行動や行動レパートリーの獲得を身につけることを目的とされています。
2 言葉を教える
まずは、息子が好きなものと絵カードを準備します。
ここでは、じゃがりことミニカーを準備して、教える側がそれを持っています。子供は自分の好きなときに、それを手に入れることができない状況です。
絵カードは動物や食べ物、兄弟、親、祖父母の写真など、を用意しました。
机を用意し、対面に子供の椅子を用意します。
ここまで準備できたら、今から言葉を教えることを伝えてスタートです。
3 実際に子供がとる行動
ところが、絵カードになんて1mmも興味を示さない息子は椅子に座ることすらしません。自分の指を見たりしながら部屋をうろうろします。
しばらくはそんな時間が過ぎていきます。
色々自分の思うように行動している中であるとき椅子に座りました。
そのときに彼の好きなミニカーを出してあげます。(15秒程度)
まずは、椅子に座るという行動が身につくように強化しているという段階です。
好きなものがない ⇨ 椅子に座る ⇨ ミニカーが手に入る
この行動を起こせば、自分の好きなことができるので、毎回、椅子に座るまではかかわらず、指示もせず、できたときにミニカーを手に入れることができる。が続くと自然とその教える時間になれば椅子に座ることが身についていきました。
ABAでは、このミニカーにあたるものを【好子】と呼び、正しい行動に随伴することで、生起頻度を高めることを目的としています。
4 絵と言葉を覚える
机に数枚のカードを用意し、教える人が言葉を伝えます。正解を指差しできれば、好子のミニカーやじゃがりこを手に入れられるのですが、カードに興味を持たない。それまで見てないので、カードにすら興味がない息子です。
そこで使うのがプロンプトでした
prompt
「刺激する」「駆り立てる」「促す」「引き起こす」などの意味を持つ英語、応用行動分析ABAでは子供(人)の行動を促すきっかけとなる刺激という意味として用いられる
初めは言葉を言った後に、正しい絵カードを触れるように子供の手をとり一緒にタッチします。そこでミニカーなどの好子を与え、子供が何かしたら好きなものが手に入るを体験してもらいます。
初めは、言葉を発せられても正しいカードを選ぶことはできません。
できない時は、何を伝えず、ただひたすら待ちます。「ハズレ〜」とか「ブー」とかも言いません。反応することが楽しく、間違った行動を強化することにもつながる可能性があるので、静止したまま、正しいことをするまで待ちます。そのうち、正しいカードに触れた時に好子を与えます。
5、できるようになったら好子の出現は減らしていっても良い
だんだんカードのことを理解していくと、カードが出るとその前ある椅子に自然と座ることができてきます。初めは椅子に座ったらミニカーやじゃがりこをもらえてましたが、そこをクリアできたら、だんだんとその段階での好子は減らし、カードを正解したらもらえるに切り替えました。
6、興味を示すものを「好子」とする
好子として使っていたミニカーですが、飽きがくる事があります。その時はその時興味関心があるものに切り替える必要があります。例えばyoutube動画を見せることも好子として使いました。当時好きだったカーズのミニカーを買ったりと新しいものを取り入れることで飽きずにその時間取り組むことができました。
7、結果
最終的には、その甲斐あって、言葉も覚えることができました。まだまだ難しいこともたくさんありますが、人やものにほとんど興味のなかった子が正しい言葉を覚えていくことにすごく成長しているのを感じました。
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