記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

それはやっぱり推しでした

8月末、友達とTANGを観にいきました。

ゲーム三昧で妻に家を追い出されたダメ男、健(二宮和也)。わけあって無職で人生に迷子中。
ある日、家の庭に突然現れたのは、記憶をなくした迷子のロボット、タング。初めは時代遅れの旧式のタングを捨てようとする健だったが、タングが失った記憶には、世界を変えるある秘密が隠されていた——。
謎の追っ手が迫る中、大人とロボット、ふたりの迷子が大冒険の先に見つけた《人生の宝物》とは——?
映画『TANG タング』オフィシャルサイト

二宮さん演じる健と、ロボットのタング。最初はタングが鬱陶しくて仕方のなかった健でしたが、旅のなかでタングの秘密を知り、次第に大切な存在へと変わります。

なぜ健は無職なのか、妻に追い出された理由とは、そしてタングはどこからやってきたのか……。これらの謎もすべて、ストーリーが進むにつれ解き明かされていきます。
心あたたまる、素敵なおはなしでした。

当日いっしょに鑑賞した友達は試写会が当たり、さらに別の知人ともみたらしく、今回で3度目。映画館に向かう途中、「何度みても泣けるの!感動するよ~!」と言われました。
涙してしまうほど心が揺さぶられる、感動ストーリーなのだなと期待が高まります。

タングをみることを決めた理由、それは二宮さんがわたしの推しだからです。
学生のときからずっと応援していて、いまでもファンクラブに入っています。彼の歌やダンスはもちろん、ドラマや映画の役を通してみせてくれる表情や声が、わたしは大好きです。今回は「ダメ男」という、一見悪い印象しか持たなさそうな役から、どのような一面をみせてくれるのか楽しみでした。

しかし当日の体調は最悪。その週はコロナで職場の人員が3人減り、自分の仕事に加えて慣れない業務に追われていました。
「ここでわたしが倒れたら終わり」という強い責任感で職場へは出勤できたのですが、家に帰るとグッタリ。ピンと張った糸が切れ、倦怠感と鈍い頭痛がずっと続いている状態でした。
 
すでにチケットを買っていたし、起きてすぐ飲んだ薬のおかげでなんとか準備を整え外出。
普段、感動する映画は思わず泣いてしまうことがあるのですが、今回は疲れからか心の動きがとても鈍い……。「いつもの体調だったらここで涙ぐんでいたな」と思うシーンがいくつもありました。

そのなかでもひとつだけ、心にグッとくるシーンがありました。
ついに故障したタングを救うためにコードをつなぎ直した健。しかし起動はしたものの情報はリセットされ、健の名前も、健との思い出もすべて消えてしまいました。
それをみて健は「疲れちゃったね」とタングに声をかけるのです。

その「疲れちゃったね」が、わたしの心には強烈に響きました。鬱陶しいと思っていたタングが大切な存在になったことを証明するかのような、とても優しく愛のあるセリフ。疲労困憊の状態で仕事をこなしたわたしへの労いの言葉のようにも感じ、少しだけ視界が涙でにじみました。

後日、Twitterを開くとTANGの監督をされた三木さんのツイートが流れてきました。その内容にわたしは驚かされます。

あの「疲れちゃったね」というセリフは、なんと二宮さんのアドリブだったのです。
体調が悪く、感情の起伏が鈍っているなかでも心が揺れ動かされた唯一のセリフ。それがずっと応援してきた推しのアドリブだったなんて……。
 
改めてわたしは二宮さんが好きなのだなぁと、なんだかほっこりしました。推しはいつだって、わたしを救ってくれる。

YouTube動画も更新し、映画やドラマにも出演し、24時間テレビのパーソナリティにも選出され、グループが活動休止したにもかかわらず大忙しな推し。
彼の活躍を楽しみにしつつ、どうか健康第一でと願う毎日です。やっぱりわたしの推しだよ、あなたは。

この記事が参加している募集

#映画感想文

67,494件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?