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イエローであたたかい喫茶店

午前中、仕事で嫌なことがあった。

文句を言いたくもなるモチベーションが下がるような出来事だったが、建設的な意見ではないただの文句を言っても何か解決するわけでもないし、相手の気分も害するだけだ。
それなら、相手を傷つけずにただひたすら自分をすっきりさせた方が良いだろう。

今日は仕事終わりに横浜FADでライブを観る予定だ。せっかく久々の石川町なので早めに行って、ライブハウス近くの喫茶店で仕事をしてしまおうと目論んだ。

行きしな喫茶店を調べていると、三時閉店の素敵なお店「純喫茶 モデル」を見つけた。駅に着くのが二時ごろなのでセーフだ。

平日午後二時の電車内、空いていて一列にひとり座っているぐらいのゆったりさがある。同じ電車賃でも時間によってお得感が違う。

石川町駅の北口から歩いてすぐ近くに、看板を見つけた。店の扉の前には、「本日は店内でのパソコンの使用はお断りします」という看板がある。このお店では仕事はせず、食事と珈琲を楽しむことに専念することにした。

お客さんは私の他にひとりで来ている方が二人ほど、陽射しが気持ち良い窓際の席にいる。私も窓際の席に座った。

昼食を取っていなかったので、食事とコーヒーのセットを頼むと決めていたのだが、スパゲッティとオムライスで暫く悩んだ。
お米の気分がやや優勢で、オムライスに軍配が上がった。コーヒーは同時か食後どちらにしましょうか?と聞いてもらい、食後を選択。
私はどちらかというと、ひとつずつじっくりと味わいたいタイプだ。書いていて、中学生のころ、お弁当のおかずをひとつずつ食べているのを友人に笑われたのを思い出した。

オムライスを待つ間、レースのカーテン越しに外を観ると黄色いタクシーが一台止まっていた。運転手のおじさんが外に出てストレッチをしている。今日みたいな晴れた日は、仕事中でもリフレッシュができるから嬉しい。

ほどなくしてオムライスが到着した。
テーブルの黄色い向日葵のような柄とぴったりの黄色くておいしそうなオムライスは、見ているだけで明るい気持ちになる。そういえば、お店の椅子も黄色い。

具の入っていないシンプルなケチャップライスに薄い卵のカバーがかけられている。ソースとハムのトッピングと、添えられたささやかなサラダ。
具材はシンプルだけれど、きっとバランスが絶妙なんだろうなというおいしさだった。
母の作るオムライスに味が似ていて懐かしくなった。

オムライスを半分ほど食べたところでタクシーがもう一台到着した。今度は白いタクシー。
黄色いタクシーのおじさんと白いタクシーのおじさんは2人でのんびりと話している。
この時間はあまりお客さんがいないようで、まったりとした時の流れを感じる。

食後のコーヒーは、飲みやすいブレンドで、まさに食後にちょうど良い一杯だった。
もうひと仕事、本日のタスクをこなすための居場所をGoogleに聞きながら、ゆっくり一杯を味わった。

コーヒーを飲み終わって窓の外を眺めると、黄色いタクシーがいなくなっていた。白いタクシーのおじさんも車内に戻ってお客さんを待っている。

私もそろそろ行かなくちゃと支度をして、レジへ向かう。レジでお店の方からレトロでかわいいコースターをいただいた。

深呼吸して、お腹を満たして、あたたかな気持ちをもらう。
今日も素敵な喫茶店のおかげで、私は心を切り替えて仕事ができそうだ。

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