ストレスが腰痛を引き起こす？
職場に入ると、すぐに筋肉が痙攣するのを感じる。
あるいは、別れを経験したばかりで、肉体的にも精神的にも
常にイライラしているのかもしれない。
はたまた、長い間（腕時計をチェックする）休みを取っておらず、
ストレスの大きなボールのように歩き回っていることに
気づいているかもしれない。
ストレスが原因で腰痛になっているかもしれません。
ストレスと腰痛の関連性、腰痛を治療するためにできること、
将来の痛みから腰を守る賢い方法について学びましょう。
ストレスと腰痛の関係
ストレスの身体的症状？
はい。腰痛もその一つ。
「ストレスを感じると、いろいろなことが起こります」
ダラスにあるUTサウスウェスタン医療センター理学医学・
リハビリテーション科のカヴィタ・トリヴェディ准教授は言います。
まず、ストレスに反応して副腎からエピネフリン（アドレナリン）、
ノルエピネフリン、コルチゾールというホルモンが体内に分泌され、
体が化学反応を起こす。
これらの化学物質は、体内の闘争・逃走反応の一部であり、痛みの受容体を
アップレギュレートする可能性があるとトリヴェディ医師は言う。
Note：
極度のストレスがかかったとき
たとえば自転車で走っていて車にひかれたような場合
生死にかかわるような状況から抜け出すために
身体は痛みに対する反応を抑制する
その瞬間は痛みを感じなくても、後で痛みを感じるようになるのです。
しかしこれは、
朝に受信トレイを開いて上司からのメールを目にし
プロジェクトの優先順位を指示され
スケジュール全体が大混乱に陥るのとは訳が違う。
生死にかかわることではないが、
それでも身体は危険予知ストレス反応を引き起こすのです。
次に、体の仕組みの変化。
ストレスを感じていることに気づいたら、
体がどう反応しているか考えてみてください。
肩や首の筋肉が緊張している可能性が高い。
顎も引き締まっているかもしれない。
「ストレスがかかると、身体は自分を守ろうとします。」
つまり、不快感を感じやすくなるだけでなく、
その締め付けが痛みに直結するのです。
そこで腰痛。
ストレスによる筋肉の緊張は、上半身（首、肩）に影響を及ぼし
背骨全体を上から下までつなぐ同じ筋肉群につながっている
背中の上部が硬くなると、やがて連鎖的に下部も硬くなります
ストレスは腰痛の心理的要因のひとつ。
2021年7月に
『サイエンティフィック・リポーツ』誌で発表された研究によると、
強いストレスを感じる人は、ストレスを感じない人に比べて
腰痛を経験する可能性が3倍近く高いという。
その理由はたくさんあります
研究者たちは、コルチゾールは炎症を引き起こすため、
時間が経つにつれて細胞の老化や組織の損傷を引き起こし、
慢性的な（あるいは長期間続く）痛みの発生を促進すると指摘しています。
2020年8月にFrontiers in Public Healthに掲載された
腰痛持ちの医療従事者を対象とした他の研究では、
仕事関連のストレスが高い人は
ストレスが低い人に比べて腰痛を訴える可能性が2倍高いことがわかった。
この著者たちが付け加えていることのひとつに、
腰痛は、それを経験した人にとって、もうひとつのストレス要因になる。
腰痛には心と体のつながりがあることは間違いない。
「ストレスがかかると、身体は自らを守ろうとするのが自然な傾向であり
私たちは収縮したり引き締めたりすることでそれを行う。」
ストレス性腰痛の見分け方
国立関節炎・筋骨格系・皮膚疾患研究所（NIAMS）によると
腰痛の原因は数多く、以下のようなものがあります：
強直性脊椎炎などの脊椎の関節炎
椎骨のずれ
椎間板変性疾患（加齢によるもの）
子宮内膜症
線維筋痛症
腎臓結石または感染症
椎間板ヘルニア
骨粗鬆症
妊娠
脊柱側湾症
脊椎感染症
捻挫と歪み
脊椎腫瘍
多岐に渡るリストであることは確かですね。
だからこそ、一歩引いて自分の状況を評価することが重要です。
この背中の痛みを引き起こしているのは、どうしてなのでしょう？
背中の痛みは新しいものなのか、
それともしばらく続いているのか？
一日中デスクに座っていなければならないような新しい仕事など、
ライフスタイルの変化はありましたか？
赤ちゃんを一日中抱っこするようになったとか？
あるいは、アパートの引っ越しでソファを持ち上げるために
腰をかがめたときに、どこかを痛めたとか？
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さらに、最近大きな変化を経験した場合は特に、
自分の人生におけるストレス要因について考えてみてください。
別れや離婚はありましたか？
愛する人が亡くなった？仕事に追われていませんか？
「多くの場合、ストレスは潜在意識にあるものなので
自分の生活の中でこれが変化し、おそらく状況や感情の変化が
原因であることを自覚する必要があります」
また、身体的、精神的ストレスの両方が
腰痛の原因になっている可能性があることも覚えておいてほしい。
痛みを和らげる方法
最も重要なことは、根本的な原因を特定することであり、
それによって適切な治療法をあなたと医師が知る手がかりとなります。
とはいえ、現実には腰痛の症状に悩まされることに変わりはない。
短期的に不快感を和らげるには、
次のような方法があるとトリヴェディ医師は言います：
痛む部分にヒーターパッドを当てて筋肉をリラックスさせる。
痛み止めの外用薬やパッチを貼る。
これらには、メントール、局所非ステロイド性抗炎症薬、
リドカインなどの不快感を和らげる成分が含まれている。イブプロフェン（アドビル）やナプロキセン（アレベ）、
アセトアミノフェン（タイレノール）などの市販の抗炎症剤を服用し、
不快感を軽減する。
(簡単に入手できるにもかかわらず、これらの薬にはリスクがあります。
特に、大量に服用したり、長期間にわたって使用したり、
他の薬との相互作用がある薬を服用したりする場合は注意が必要です。
ラベルに記載されている警告を必ず読むこと)。
背中の痛みがストレスに関連している場合、
できることがいくつかあります。
ひとつは、どのようなストレスが一番の原因になっているのかを
セルフチェックすること。
自分の状況を変えるためにできることはないでしょうか？
腰痛のためにストレスマネジメントを取り入れるということは、
深呼吸、ストレッチ、ヨガ、愛する人と過ごす時間、
喜びを感じることをするなど、日常的なストレスの影響を和らげることが
できるような、ストレス解消法を取り入れるということです。
また、このようなストレスは医師の診察を受けるべき
身体的な問題のように感じられるかもしれませんが、
心理学者やセラピストが手助けしてくれるかもしれません。
BMJ誌に掲載された13,000人以上の腰痛患者を対象とした
約100のランダム化比較試験の2022年のメタアナリシスでは、
行動療法や認知行動療法（CBT）、痛み教育などの心理的ケアと
構造化された運動を組み合わせることで、
痛みの強さと身体機能の改善がみられた。
(CBTの使われ方の一例としては、リラクゼーションやイメージ療法がある。）
運動といえば、
2021年9月のCochrane Database of Systematic Reviewsによれば、
無治療やプラセボと比較して腰痛の軽減に役立つことが
判明しているだけでなく、気分を高揚させることでも知られています。
「運動は肉体的にも精神的にも有益です。
ストレスがある場合、活動的になることは助けになります」
ストレス性腰痛の予防法
痛みに強い腰の土台を作る
「腰痛にとって重要なのは、体幹を鍛えることです。
体幹には腹筋と背筋が含まれ、背骨を安定させます」
さらに、アクティブに過ごすことも重要です。
これは、ストレスに対する回復力を高めるために重要な習慣であり
身体的にも腰に良い効果をもたらしてくれます。
計画的な運動だけでなく、
1日の中でちょっとした時間を見つけて体を動かすことも大切です。
「私たちの背中は、長時間ひとつの姿勢でいることを好みません」
とトレヴェディ博士は言います。
このような小休憩は、立ち去って気持ちを立て直す時間を作ることで、
ストレスを軽減するのにも役立ちます。
60分から90分ごとに携帯電話のアラームをセットして、
立ち上がる、トイレに行く、水筒に水を補給する、体勢を変えるなどの
リマインダーにすることを勧めています。
一日中座っている人は、
「ストレス」の筋肉をほぐすために座る練習をするのもおすすめです。
最後に、
デバイスとの関係について考えてみましょう。
ソーシャルメディアは、ボーッとしたいときによく利用しますね。
そして時には役に立つ情報も受け取れることがあります。
しかし、それは最良の対処法ではないかもしれません。
2022年6月に『Current Opinion in Psychology』に掲載された研究によると
その行動は逆にストレスを引き起こすことも判明しています。
さらに携帯電話を見つめているときに覚えておくべきこともある。
首と肩が猫背になり、ひどい姿勢になる、とトリヴェディ博士は言う。
可能であれば、スマホを目の高さに持ってください。
「ちょっとしたことでも、腰痛の予防や管理に役立つのです」。
そして、TikTokがあなたのストレスレベルに役立っているのか、
それとも害になっているのか、自分自身と向き合ってみましょう。
医師やセラピストに診てもらうタイミング
腰痛は誰にでも起こりうるもの。
4～6週間の背中の痛みがあり（下記のような危険信号がない場合）
市販薬、温熱パッド、外用鎮痛パッチを試したが効果がなかった場合、
トリヴェディ医師は医師の診察を受けることを勧めています。
「筋肉の緊張による怪我のほとんどは、数日後には治まりますが、
数週間後には必ず治るはずです」と彼女は言う。
とはいえ、
背中の痛みにしびれや脚力の低下、
夜中に目が覚めるほどの激しい不快感、
排尿・排便機能に影響がある場合は、
早急に医師に連絡して予約を取ること。
これらはすべて、ストレスやありふれた筋肉の緊張や捻挫以上の
何かが痛みの背後にあることを示す、気になる症状です。
ストレスからくる背中の痛みには、
多くの自己認識が必要だとトリヴェディ医師は言う。
「ストレスは、それが何か大丈夫なものであるかのように感じたり
克服できるものであるかのように感じたりして
多くの否定を伴うことがあります。
多くの人にとって、それが本当に自分を苦しめていて
身体的な影響を及ぼしているのだということを
受け入れるのは難しいことなのです」
ストレスの管理が難しい
ストレス対処法が十分でない
身体的なストレスに悩まされている
といった状況になったら、特定の期間を待つ必要はなく、
いつでも気軽にセラピストに相談してください。
セラピストがお手伝いできることは、
根底にある感情を解消したり、
状況を変えるための計画を立てたりするのが早ければ早いほど、
心も体も楽になるはずです。
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