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題... エビデンスって何だろう

◆ 菅首相の頭は、鉄より硬い。

 昨年の終わり頃、菅首相は“GoTo政策”を続けたい一心で、旅行がコロナウイルスを拡散させるエビデンスはないなどと、わけのわからないことを口走っていました。
 幸いに、良識的な国民世論のおかげでGoTo政策は一時延期になっていますが、トンチンカンな菅首相のこと、いつ復活するかわかったものではありません。
 ひと言でいえば、菅首相は、“ものごとを自分の頭で理解する能力がない”ようです。
 自分の頭で理解する能力がないので、国会でまでも“親父ギャグ”のウケねらいでごまかそうとします。“全集中の呼吸”には、私は、笑ってしまいました。[ #親父ギャグ ]
 私は、“鬼滅の刃”には関心もなかったので、はじめは何のことかわかりませんでした。この人は、本物の馬鹿者かと思ってしまいました。[ #本物の馬鹿者 ]


◆ そこで、今日は、菅首相が勘違いしている“エビデンス”についてのうんちくをひとつ。

 エビデンスは、証拠・根拠、証言、形跡などを意味する "evidence" に由来する、外来の日本語。一般用語として使われることも増えてきているとか。[ #エビデンス ]
 つまり、エビデンスというのは因果関係があるという意味ではなく、何か関係がありそうだということ
 これを知らないでエビデンスという概念を安易に使うので、逆に、菅首相のことばは説得力を感じなくなってしまうのです。
 菅首相は、“旅行とコロナ拡散には因果関係はない”と言いたかったのだと思いますが、世の中の現象で因果関係がわかっているものは、ほんの少しだけ。[ #因果関係 ]
 一部の科学方法論の専門家は別としても、世の中の人の多くは因果関係を理解してものを言っているのではなく、自分の直観力を総動員してものを言っています
 いわゆる専門家と言われている人も、その例外ではありません。


◆ 実は、コロナに関しては、因果関係がわかっていることはほとんどないのです。

 みんなが、自分が信じる直観力でものを言っています。それは仕方がない。
 その方面の経験豊富な人の直観は、正しいことが多い。ならば、経験豊富な人に意見を聞けばいい。経験による知見も、すてたものではありません。[ #直観 ]
 旅行に行くと多くの不特定多数の人と接触する頻度は高くなるから、市中に感染が拡大した現状では、コロナの“感染リスクが高まる”ことくらいは誰もが容易に予想できます
 それなりのエビデンスがあるわけです。因果関係に必要以上に固執すれば、そんなことさえわからなくなってしまいます。


◆ もうひとつ、興味深い事例を紹介しておきます。

 私が、腰椎圧迫骨折で外科病院に入院した時の話。そこでは、毎日、看護婦さんが検温に来て、ベッドの横に無理に立たせて何となく下半身の様子を観察していました。
 腰椎圧迫骨折すると、骨折箇所が神経を圧迫して足がしびれたりすることが多いので、その症状を確認しているらしい。
 ある日、看護婦さんに“足がむくんでいる”と指摘されて、私は、びっくりしました。なぜ、足がむくむのか看護婦さんに聞いたら、わからないと言う。
 わからないでは私が困るから、検査して原因を調べてくれと頼みました。私には、思い当たることもありました。
 そこでは、痛み止め対策として、毎日、痛み止めの注射をしていました。ところが、私は、一部の鎮痛剤(セデス)にアレルギーがあって、蕁麻疹が出ます。[ #アレルギー ]
 もちろんそのことは入院時に医者に伝えていたので、痛み止めの注射のせいではないかと言ってみましたが、それはないと言われました。で、結局、放置される始末。


◆ 放置されれば、逆に、私は気になる。一応外出できるようになって、かかりつけの内科医院に相談しました。

 “足がむくんでいるが、脚気(かっけ)ではないか”と相談しました。すると、簡単な検査をして脚気ではないと言われました。
 では、原因は何かと聞いても、私のかかりつけの主治医も、それはわからないと言うのです。医者にわからないと言われれば、途方に暮れる
 私は、思いあたることがひとつありました。2か月ほど前から、その医院で処方してもらった悪玉コレステロールの薬を服用するようになっていたのです。
 で、そのコレステロールの薬の副作用ではないかと指摘したら、そんな話は聞いたことがないと言われました
 私も、原因がわからなければ治せないので、ねばって食い下がりました。ならば、1か月間コレステロールの薬をやめてみようということになりました。[ #コレステロールの薬 ]
 なんと、足のむくみは完全に治まりました。まるで、奇跡。因果関係は既定できなくても、やめてみて症状がなくなれば、その薬の何かが影響していたことは確認できました


◆ 原因がわからないことは、自分で考えるしかない。

 コレステロールの薬はやめにしたいと言ったら、それはお勧めできない、別のタイプの薬を処方してみるから試してみてくれと言われました。
 まぁ、私も、主治医が憎いわけではありません。逆に、私の指摘を素直に聞いてくれるので信頼しています。その別の薬では、足がむくむトラブルは起きませんでした。
 ともかく、個々のお医者さんは、自分の専門外のことについては、製薬会社のMRなどを通じて知ったこと以外は、詳細なことはほとんど知らないようです。
 私は、これを臨床例とて製薬メーカーにフィードバックしておいてくれと頼んでおきましたが、その結果は知りません。
 医者も盲目的に過信していてはダメ。医者もすべてのことを知っているわけではないから、こちらから指摘することも大切です。天の邪鬼な私は、それが得意なのです。[ #天の邪鬼 ]

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