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令和の組織の前提・論点、4つの組織タイプ

「令和を事業・金融環境から整理してみる」というnoteで事業と金融のマクロ環境を眺めてみました。その中で、「組織づくり」に関する項目にも触れました。

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今回noteはそれを受けて、更に「組織づくり」にフォーカスする形で書いてみます。また、いかに個人が対応していくかという視点ではなく、いかに組織を作っていくのか?という視点捉えてみようと思います。

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1. 労働人口の減少と生産性の向上

総務省が発表しているデータによると15歳から64歳の労働力人口は、2016年:59百万人から2030年:55百万人と4百万人減少するとされています。

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これへの手当として、量・質・配置へのアプローチが考えられます。

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 生産性の向上(質の手当)

日本の特に中小企業の労働生産性は、世界的にみて低いとされています。特に興味深いのは、当然、今でも各社で生産性向上のために様々な対策は打っているが、それでもこの水準であること。そして、今やっていることとこれからやろうとしていることでばらつきがあることです。

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今できていなくて、これからやりたいこと(要は生産性向上の課題)は、上チャートによると「無駄な作業・業務の削減」「在宅勤務、柔軟な働き方の導入」です。

逆に、今やっているが今後はそこまで強化しないというのは「社員のコミュニケーション円滑化」「適材適所の人材配置」となっています。

2. 様々なテクノロジーの活用が前提

組織づくりの論点でもある「生産性(質)の向上」は、まさしくオペレーションやシステム構築の話そのものです。

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SaaSやAI/機械学習/RPAを活用した自動化ツールの活用が、これからのオペレーション・システム構築を支えていくものです。

無題のプレゼンテーション-33

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3. 個人は様々な組織に関与することが前提

個人は、今後ますます、主体的にキャリアや暮らしを作っていくに際して、TEAM/ GUILD/ COMMUNITYの3種類の機能をいくつかの組織に属することで確保していく必要があるのではないかと考えています。

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この時に、キャリアや暮らしの構築という意味合いでも、単なる経済的な収益源の確保という意味合いでも、個人の一定割合は今まで以上に「複業」という選択を取っていくのでしょう。

4. 令和の組織づくりの論点

マネジメントは、労働人口の減少により、選択肢が減る言えると捉えることもできます。しかし、一方で、組織デザイン設計に主体的に取り組まざるを得ずにうまくやることができれば、組織づくりの自由度が与えられる(複数の選択肢を統合していく)とも捉えることができます。

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そして、このそれぞれの観点は、事業特性や事業フェーズによって、どのような設計が適切なのかの答えが変わってくるように思います。

例えば、立ち上げたばかりの会社、すでに上場1部の会社でも、組織のデザインは異なるでしょうし、事業の特性によっても、例えば、製造業、IT業、金融業でも、組織のデザインは異なるでしょう。

令和的な各論点の特徴をコメントしてみます。

1.リソースの種類
契約形態や働き方が多様化するとともに、企画・設計やイノベーション技能とオペレーションの二分化が今後広がるのだと思います。働き方の志向によっても、それらを選択する・されることになっていきますよね。

2.リソースの獲得方法
特徴的なのは外部リソースの活用(業務委託など)とともに、戦略的なアライアンスやM&Aを通じたリソースの獲得が行われている(いく)ことでしょうね。全てを自社でまかなおうとしない。

3.インセンティブ・報酬設計
キャリアを自分で構築していくという意識が高まるため、何が経験できるのか?という問いかけは切実なものです。更に、その活動自体に共感できているか否かがエンゲージメント(コミットメント)を高めることに作用します。

4.コミットメント
複業が大前提の働き方。一社にコミットすることはリスクとさえ思う人の方が増えるかもしれません。そのような中で、全てのコミットしてくれるようなコア人材を確保することがマネジメントの課題になりそうです。

おそらく、面白いのは、事業のサイクルが短くなる、つまりプロジェクトごとに働くことが多くなることや(短期間で集まり、解散する)、業界の境界線が曖昧になっていくる。そして、オペレーションテクノロジーや、人材の多様化によって、組織のデザインは今までに内容な形のものが生まれていくる気がします。

5. 令和の4タイプの組織

労働人口が減少し、イノベーションが求められ、オペレーションは自動化していく中で、令和の組織を4つのタイプ分けしてみました。

この組織タイプは活動コンセプトごとに選択されていくもので、かつそれに合わせて、組織・必要人材などの組織づくりの論点に答えていくものですね。

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ここら辺は、今後深掘りたいところです。

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[Profile]
宮澤佑輔 | Supershipグループ 経営戦略本部 ビジネスプロセスデザイン室室長・事業管理部部長 | ファイナンス・ビジネスプロセス・組織開発 | PwC(監査)・KPMG FAS(M&A/Strategy)・サイバーエージェント子会社(暗号資産/ブロックチェーン)を経て現職 | 公認会計士 ヨガ講師資格保有

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