見出し画像

4つの経営観のメモ(DX/アセット/ポートフォリオ/M&A)

7月4連休の初日、プロジェクトも次のフェーズへの仕込みがあるものの、谷間にあるので、最近触れたテーマについて、文字に起こしておく。

ちなみに、現在、従事しているプロジェクトはある領域の「オペレーション変革プロジェクト」で、プロジェクトリードに今までの仕事でもっとも多面的な視点を持ち、デザインし、統合することが求められる。

ということがあったからだと思うが、さらに俯瞰して、最近のテーマとともに「4つ経営観」について書いてみる。いつものごとく、書いてみて、何を書きたかったのかを知るスタイル。

画像1

ちなみに、DMMのCTO松本さんの「ソフトウェアと経営」を先ほど見たことが、この記事を書くきっかけになっているし、この記事の下敷きになっています。ありがとうございます。本当におすすめの動画です。


1. DXとデータ経営

まず最初に、現在、オペレーション変革プロジェクトをリードしていることもあり、DXというワードは最近とても気になっている。で、そもそも、DXを理解するのに、STRIVEの古城さんの「DXの全体像をつかもう」を参照いただくといいと思います。

古城さんによるDXの定義:
提供価値向上や業務効率化を目的に、新しい技術を活用しながら、サービスやビジネスモデル、業務そのもの、組織、プロセス、企業文化・風土を変革する

変革範囲が無茶苦茶広い...という話ですが、DXが経営そのものだからとも言えるかもしれません。

note_経営_戦略目標の達成へのアプローチ

これに加えて、DXにもアプローチするレイヤーや、レベルがあるという話をラクスル の松本さんLayer Xの福島さんがしている。下の画像は、お二人の話を元に作ったもので、赤ワクで囲んだ領域は今、国内で多くの企業が取り組んでいると言われている領域。

画像4
画像3

個人的には仮想通貨・ブロックチェーンなCA子会社に勤務していたし、会計士的な視点からも、ブロックチェーンの社会実装によって、商取引のデジタル記録や監査がどう変わっていくのは興味があるところ。

DXと経営

DMMの松本CTOがソフトウェア経営という話をしてくれているが、これは、まず、デジタル化(ソフトウェア化と換言できる気がします)が経営変革そのものであるということ。

画像6

冒頭にSTRIVEの古城さんのDXの定義で、変革領域が多岐に渡っており、DXが経営そのものだと書いたが、それを実際に松本さんが「経営」という視座から語ってくれていると言える。

2.カイゼンとアセット経営

DX化を推進し、データ経営を行った先には、継続的なカイゼン活動がある。というか、それが目的だと言っていい。

そして、松本さんの資料の「Agility」こそがカイゼンであり、この章のアセット経営と呼んでいるものになる。松本さんは、動画の中で、アジリティを「失敗をコントロールし、継続的に挑戦すること」と説明している。

画像14

また、松本さんはソフトウェアの特徴を反復可能性/スケーラビリティと可観測性があることに言及している。

画像7

このスケールしていく特性と、それを支える可観測性の掛け算がカイゼンであり、アジリティを支えている。

興味深いのは、継続的なカイゼンは複利効果を生み出すというものだ。完全に経営を仕組みとして捉えることができ、本当にPDCAを事細かに高速に回すことができたら、以下のような複利を期待することができる。

画像13

ソフトウェアのスケーラビリティという特徴も、複利を享受できる。また、Agilityというカイゼン活動はUnit economicsの改善に繋がり、それは収益性はもとより投資効率の改善に繋がる話である。(資産・資本効率性)

ソフトウェア経営は投資効率向上を意図したアセット経営

こういった主張から、少しジャンプすると、このソフトウェア経営(データ経営とアセット経営の組み合わせ)は、シニフィアンの朝倉さんが言及しているPL脳からの脱却にも似ていると感じている。

それは、要はフロー経営から再現可能(反復可能)な「仕組み」「原因・結果のメカニズム」というアセットで事業を推進すべきとも言えるから。

実際に財務諸表に表現されるかされないかは別問題で、キャッシュを生み出す仕組み(アセット)をいかに洗練し、スケールしていくかで事業推進をとらまえるべき。その際には、DXを推し進めた中で得られたデータ経営が役に立つ。そういう話と理解している。

最近、コーチングを受けている中で「真の因果関係」というキーワードがテーマだったこともあり、この成果を出すための真の原因づくりであるアセット経営(というワーディングは造語)が気になった。

(参考)目標値と予測値と実績値という仮説検証

成りの仮説である予測値とそこから意志あるカイゼン効果を考慮した目標値という仮説を立案し、実績値を当てこみ、常にズレを意識する。これにより、カイゼン、アジリティの質を上げることに繋がる。

画像15

3.企業文化とポートフォリオ経営

最近、企業文化タスクフォースにアサインされ、企業文化とはなんぞやと改めて考える機会があった。ちなみに、下の画像は、今所属している会社のグループアイデンティティ。

画像8

この図のちょうど真ん中にある事業別のミッション(ビジョン)が、グループパーパスの解釈そのものなので、日々の活動にわかりやすくひもづいたり、事業の世界観を持つ上で、とても重要なものにある。

もう少し踏み込むと、このような形で抽象度の高いビジョンをグループで掲げることは、事業サイドに解釈の余地を与えていることになる。つまり、高い自律性を求めていることに他ならない。

それは別に問題であったり、欠陥である訳ではない。CAやDMMのような複数事業体はグループとして機能しているのがその証左になる。そのような組織は、かなり自律性の高い人材や振る舞いを求めているのは間違いない。そこに自覚的になる必要がある。

一方で、事業ごとに、役割というものが決まっている。つまり事業ポートフォリオ管理の話だ。複数事業を営むグループ会社は各事業には事業フェーズに鑑みた役割が与えている。

note_全般_グループ経営の留意点

ゆえに、事業ビジョンを描く際の考慮事項、前提事項になる。その枠組みの中で、自律性を発揮して、活動を行うということになる。

もう一つ、興味深いのは、事業の新陳代謝だ。特に、新規事業の創出は、連続的なものでないがゆえに、何をどのように管理することが事業ポートフォリオの管理に繋がっていくのかがとても難易度が高いように思う。

なお、松本さんが、アジリティを「失敗をコントロールし、継続的に挑戦すること」と説明していたことを思い出してみる。これは、一つの事業の中でも言えるし、複数事業のマネジメントについても言えることだ。

画像10

この管理は、@lup511115nさんの話、THURSTERという新規事業立ち上げのプログラムや、そもそものコンセプトは興味深かった。いわゆる、「両輪の経営」という話なのかもしれないが、関連書籍を読んだ訳ではないので、割愛。

4.PMIとM&A経営

ふう、息切れしてきた。最後が頑張って書く。

今働いているSupershipグループがM&Aを積極的に行ってきたこと、そして、私自身がFASでM&A関連業務に従事してきたこと、加えて、現職でまさにプロセス変革(DAY100 PLANを超えた時期の変革だが)を行っていることで、再び「PMIとは?」という問いが頭に浮かんでいる。

画像11

スタートアップ界隈であっても、EXITがIPOには限らない。エスタブリッシュな大企業もしくはメガベンチャーが買収を行っていくのがメガトレンドと言われている。

今後、少し変わってくるかもしれないと思うことがある。

今までのスタートアップはtoC向けのものが多く、いわゆる「業務プロセス」という話も、限定的だった。ただ、これからは、toBのスタートアップが増えてきて、そうするといわゆるアナログでビジネスをしている企業(製造業とか)をスタートアップが買収するというケースも増えてくるかもしれない。

そうなってくると、今後のM&AはさらにPMI、オペレーション変革の色の強いものが増える。そして、その統合は、上記のデータ経営、アセット経営、ポートフォリオ経営を組み合わせた総力戦になっていく気がする。

さいごに

松本さんの動画に触発されて、最近なんとなく考えていたことをとりあえず、4つのテーマに表現して、文章を書き始めたメモだった。

予想以上に面白いものになってしまった。こんな世界観の中、実際に働いていくことができたらいいな。

画像12

ありがとうございました。

note_共通_よろしくお願いします





いただいたサポートはクリエイターの支援(他のnoteへのサポート)に充てさせていただきます!クリエイティブばんざい。